平成12年2月10日(木)第3校時
授業者 寳迫 芳人
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わたしたちの生活と単位
本学級の児童は6年生までの学習の中で「量と測定」に関わる単元を中心に多くの単位について学習してきている。
本小単元の前に「資料の調べ方」という小単元を学習したが、その際「正確さ比べゲーム」というゲームの結果を資料として整理・分析しながら、授業を進めた。このとき、子どもたちに「身近に感じる単位」をたずねたところ、1.時間、2.長さ、3.重さの順で身近に感じていることがわかった。これらの単位である秒、m、Lなどは、学校生活や社会生活の中でも頻繁に目にするものであり、子どもたちもそうしたことに気がついていると考えられる。それを裏付けるように、子どもたちに「時間の単位は?、長さの単位は?、重さの単位は?」ときくと大きな声であちこちから解答が聞こえるくらい、自信を持って答えてくれた。
今回の学習の中では、これまでは個々に学習してきた単位について、相互の関連に着目してまとめることが重要なポイントとなる。
単位の基本は「メートル」「キログラム」「秒」の3つである。学習や生活に使われている様々な単位も、これら3つの単位から派生してきたものである。
メートルは、子どもたちがはじめてふれた普遍単位であるが、その歴史を振り返りながら、メートル法のしくみが十進法になっていることに気づかせたい。また、「面積」や「体積」についても関連づけて学習させたい。
キログラムは、その歴史と併せて水のかさの単位である「リットル」との関係と、「体積」との関係とも関連づけて学習させたい。
秒は、時や分の基本単位となっているものであり、その他の単位とは異なった60進法が使われている。また、速さの単位は、時間と長さの関係で成り立っていることも押さえておきたいところである。
こうした児童の実態や教材の内容をふまえ、本小単元でも子どもが身近に感じている長さ、重さ、時間について単位の関係やしくみをまとめ、単位の持つ役割や有用性を理解させるとともに、単位のおもしろさも味わわせていきたいと考える。
今回の小単元では、既習の単位について再考し、整理し、関連づけることがポイントになっている。そのため、視覚的に分かりやすく、かつ、既習事項が生かせるような学習過程、学習環境を用意するようにした。第一時に、子どもたちの既習の単位を思いつくまま列挙させ、それを、整理・分類することで単位には仲間が存在し、それぞれが関連しあって成り立っていることに気づかせる。
この学習をもとに、第二時以降で単位の関連性をくわしく整理していくことにする。この際、子どもたちに分かりやすいように、整理するためのワークシートを用意し、視覚的に整理・分類できるようにする。こうしてできたものを本時には、「単位定規」としてまとめ、実用的な道具を作成する。このことで、単位の換算が苦手だったり、忘れてしまっていやな思いをしていたような子どもが、単位の換算に興味を持ち、意欲的に取り組んでくれることを期待している。
最後に、時間について十進法ではない秒のしくみを理解させ、速さとの関係についてもふれる。
・単位の歴史などに興味をもち、いろいろな単位について調べようとする
・メートル法の単位は十進構造になっていることに気付く
・いろいろな量の単位を正しく用いることができる
・いろいろな単位の仕組みが分かる
小単元 | 時数 | 学習内容 | 関 | 考 | 表 | 知 | |
わたしたちの生活と単位 | 5 | 1 | ・既習の単位について思い出す ・既習の単位を類別する ○時間の単位 ○長さ(距離)と広さ(面積)、大きさ(体積)の単位 ○重さの単位 ○かさの単位 ○量(個、人、枚、匹…)の単位 など
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◎ | ○ | ◎ | ◎ |
1 | ・長さの単位と面積、体積の関係 ○長さm、cmと面積m2、cm2、体積m3、cm3の関係 ・重さの単位のしくみと体積との関係 ○重さkg、g、mgと水のかさlの関係 ○水のかさlとcm3 |
○ | ○ | ◎ | ◎ | ||
1 | ・メートル法の単位のしくみ ○k(キロ)、c(センチ)、m(ミリ)のしくみを考える ・単位の換算表をつくる ○長さと面積と体積 ○かさと体積と水の重さ |
○ | ○ | ◎ | ◎ | ||
1本時 | ・単位定規をつくる ○長さと面積と体積 ○かさと体積と水の重さ ☆作り方は別紙 |
◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ||
1 | ・時間の単位のしくみと特徴 ○60進法(秒、分)、24進法(時) ・速さの単位との関係 ○時間の単位と長さの単位 |
○ | ○ | ◎ | ◎ | ||
まとめ | 1 | ・まとめをする | ○ | ○ | ◎ | ◎ |
・単位換算のしくみをしり、進んで単位定規をつくる
・「長さと面積と体積」「かさと体積と水の重さ」について、それぞれの関連性を定規にまとめることで、単位の換算に法則性があることに気付く
・「長さと面積と体積」「かさと体積と水の重さ」について、それぞれの関連性を意識して、単位を書き込む
・「長さと面積と体積」「かさと体積と水の重さ」について、それぞれの関連性を理解する
※記号の見方…算数的活動→M 楽しさを感じる→J 評価項目→S
前時の学習 | ・メートル法のしくみ ・単位の換算表をつくる |
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時間 | 学習活動 | 指導上の留意点 | 備考・準備・資料 評価項目および参観の視点 |
5 | 1.前時の学習を思い出す ○前回は、今までに習った単位を分類してまとめましたね ○このままでは、単位の違う2つの数を比べるときにはすくに答えられないですね M1
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・前時の学習のワークシートを確認させる ・異単位の2数の大きさを比べる問題を出し、すぐに答えられないことを確かめ、「単位定規」に必要感を持たせる >0.043kmと23000cm ・単位換算が簡単にできれば便利なことを理解させるようにする J1
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S 前時の学習をふり返ることができたか 〈関〉 ・例の問題 |
5 17 13 |
2.作業内容について知る ○単位の換算がすくにできるように「単位定規」をつくりましょう |
・「単位定規」づくりに関心を持ち、集中して作り方を聞けるようにする |
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「単位定規」をつくろう 〔作り方〕 (1)縦3cm、横20cmの方眼紙を2枚用意する(20列の3行の罫になる) (2)方眼を位取りと考えて、単位を書きこむ 1枚目…「長さ、面積、体積」の単位をそれぞれの行に書く 2枚目…「かさ、水の重さ、体積」の単位をそれぞれの行に書く (3)行の左端に、「長さ」「面積」「体積」と書く (4)もう一枚も同様に、「かさ」「水の重さ」「体積」と書く (5)書いた方を外側にして2枚を貼り合わせる |
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3.単位定規をつくる ○前時のワークシートを参考にしながら、単位定規をつくろう ●1.すぐに作業に取りかかる ●2.友だちの様子を見て作業に取りかかる ●3.作り方が理解できない M2
4.練習問題 ○単位定規を使ってどちらが多いか調べてみよう (1)250mと38000mm (2)0.032km2と540m2 (3)2500000cm3と300m3 (4)0.084klと7400ml (5)3klと3kg ●1.すぐに問題を解く ●2.友だちの様子を見て問題を解く ●3.単位定規の使い方が理解できない M3
○解答を黒板に書いてください |
・前時の学習で使ったワークシートをふり返らせる ・例示用の単位定規で作り方、使い方を説明する ・単位定規の作成方法が理解できない児童を中心に支援する ・単位がわからなくなったら、前時のワークシートをふり返らせる ・自分でやりきるようにさせる ・自分なりの工夫も可 J2
・単位定規の使い方が理解できていない児童を中心に支援する ・実際に問題を解かせて便利さを実感させる J3
・できた児童に解答を書いてもらう |
・作り方(掲示資料) ・例示用単位定規 S 単位定規について知り、関心を持てたか 〈関〉 ・はさみ、ノリなど(各自) S 興味・関心を持って単位定規づくりに取り組めたか 〈関〉 S 単位定規のつくり方を知り、自分なりに工夫してつくることができたか 〈表・知〉 ・掲示用練習問題 S つくった単位定規のしくみを理解できたか 〈考・知〉 ・チョーク |
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5 |
5.まとめ |
・1時間をふり返り、学習のまとめをノートに書かせる J4
・机間指導の中で発表者を決めておく |
・まとめの書き方 (教室に常時掲示) S 単位の法則性に気づき、自分なりに1時間のまとめができたか 〈考・表・知〉 |
次時の学習 | ・時間の単位について ・速さの単位について |
男子19名、女子15名、合計34名
表
表 | km | m | cm | mm | |||||||||||||||
面 | km2 | ha | a | m2 | cm2 | mm2 | |||||||||||||
体 | km3 | m3 | cm3 | mm3 |
裏
かさ | kl | l | dl | cc ml |
|||||||||||||||
重 | t | kg | g | mg | |||||||||||||||
体 | km3 | m3 | cm3 | mm3 |
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