遊星よりの物体X |
THE THING(FROM ANOTHER WORLD) (1951) モノクロ映画(白黒映画) ジョン・カーペンター監督のカート・ラッセル出演「遊星からの物体X」の原作 1951年のモノクロ作品 もうすこし数年後ならカラーにもなってただろう。 アメリカのSF小説作家ジョン・W・キャンベルJr 「影が行く/WHOGOES THERE」という侵略テーマの映画化である。 舞台はアラスカ軍事基地。 寒地にある基地近くに謎の物体が墜落。報告を受けた者達が現場に向う。 それは周周囲の氷を溶かし氷の表面から尾翼が出ていた。 円形の物体でいわゆるUFOというものに相当していた。 軍関係者は火薬を仕掛けて氷を吹飛ばし埋れた円盤の保護をしようとするが・・・。 見事に円盤ごと爆破です(爆)氷漬になった生物と思しきものを氷ごと基地に持ちかえる。 しかーし氷が人形生物の部分だけ溶け中に氷漬されてたものは基地から脱出。犬を襲い、再び基地で格闘となる。 原作と違い、いかなる生物にも変身する能力は描かれていない。容貌は爪の長いフランケンシュタインの怪物である。 検査結果により怪物の実態は植物tの遺伝子を持つ型というとこが判明。放電により怪物は退治される。 頭脳明晰・頼れる軍人バンザイみたいな余裕の完結ぶりに迫力が何処かへ行ってしまってる感じがするか。 「遊星からの物体X」と初期設定はタイトル時から似ているものの違うのは独特の古典として認識度が高いことだろう。 初期アメリカSFものに憑物の怪物は常に地球上の生物のプロセスがある。 のちのリメイク作品「遊星からの物体X」は正に謎に満ちていてその生物が何なのか?奇怪で恐ろしい。 初期発見の焼殺されたと思しき、氷漬の禍禍しい生物を覚えているだろうか? そうすでに放電によって倒されたはずのザ・シングがエスキモー犬か何かに侵入潜伏して時を待ったのかもしれない。 そして南極行きの部隊に紛れ込み、南極基地で少数の人間達から襲いはじめたのだろうか。あるいは別働隊なのか。 これは侵略なのか?錯綜する人間同士の疑心暗鬼。円盤まで造るその不気味な生物は何なのか、まだ解決してはいない。 ジョン・カーペンター監督の作品は「ザ・フォッグ」「パラダイム」といい雰囲気こそあるが、後味の悪い完結で 後の顛末は古い小説みたいにご想像に御任せなみたいな感じがする。作品への先入観度は高い。 「遊星からの物体X」と「パラダイム」は続編を製作して頂きたいものである。 |
★ DVD |
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遊星からの物体X |
(1982) THE THING JOHN CARPENTER'S THE THING 監督:ジョン・カーペンター、出演:カート・ラッセル 前記の「遊星よりの物体X」(原題:THE THING)のリメイクであり舞台は南極観測基地。小説の原作により忠実。 一見するとボディスナッチものと思いがちである。 ヘリコプターに乗ったノルウェー人が犬を追撃する。 そして南極の基地まで着いてしまうが狂気に狩られたように、爆弾を取出すが雪中に落してしまいヘリもろとも爆発してしまう。 もう一人の追跡者が犬を狙い射撃するが的が外れて基地の人間を負傷させてしまう。 それにも関らず犬を追いつめていく様子を見た隊長が咄嗟に窓越しから狩人を射殺する。 以後この犬はその本性を現す。そしてノルウェー人のいた基地を調べてある物を持帰る。 そして閉ざされた基地内に恐怖が訪れ疑心に包まれ始める。 残念なことに生残ったチャイルズとマクレディのその後の生死は?ということと、 マクレディは同化されてないのか?という疑問点が謎のままにされているムードを大事にしているのでリメイクは無いかと。 これ以上変化する怪物も他の映画では見当らない。基地内の人間達の錯綜が渦巻く様は他に類を見ないムードがある。 カート・ラッセルも再出演で続編リメイクされれば面白いだろうと思うが。 「ダーク・スター」以来宇宙へ進出していないが作品人気獲得しても続編を作らないジョン・カーペンター監督はどこへいく? マクレディ達が見たノルウェー人基地のビデオ映像に残っていたのは前作の映像であるのは有名。 また、怪物が火炎放射を浴び外へ飛び出る様子や基地爆破も前作を模している。 他の基地で発掘された人と人が溶けて同化したような氷漬けが溶け出す。 犬と同化した怪物は天井を突き破って逃げる。残りは火炎放射器で倒される。 冷蔵庫に保管してある血が盗まれる。 博士が疑心暗鬼になり銃を所持して発砲していたが取り押さえる。 疑いのある全員を熱検査をして血が動く。 その検査中に椅子に縛り付けられてるもう1人が怪物に。火炎放射器で倒される。 遺体の腹部が検査中に怪物の口になり博士の腕が噛み切られ火炎放射器で倒される。 首が千切れて頭だけの怪物は火炎放射器で倒される。 怪物の遺体を焼却する。 腕だけが変化し吹雪の中へ逃亡。 疑いのある1人を軟禁。その後行方不明に。床下に製造中の1人乗り用のUFOを見つける。 地中を走る怪物をダイナマイトで爆破。 ラストは基地ごと爆破。チャイルズとマクレディだけが生き残り、お互いが怪物ではないのかと疑心暗鬼。 後に新作が製作されたようです。 |
DVD |
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遊星からの物体X ファーストコンタクト |
( The Thing)2011年 (1982)版のノルウェー基地で何があったのか?の前日がモデル。 氷の中に宇宙船を発見。 その近くで氷漬けになったエイリアンを発見。 (1982)版でマクレーンたちが見たものの疑問。 「ノルウェー基地でTWO HEAD」の死骸が発見された疑問。 「ノルウェー基地で何かが入っていた氷」の疑問。 「ノルウェー基地で斧」が壁に刺さっていた疑問。 「ノルウェー基地でカミソリで喉を切った隊員」の様子の疑問。 などの辻褄合わせが再現されてる。 ラストは犬ではないものを追っているヘリコプターで(1982)版の冒頭シーンと辻褄合わせをした設定である。 肝心な時に火炎放射器が放射されないというアクシデントも映画の都合で飽きてる。 火に焼かれるシーンはコスチュームを着たスタント。 中心の部分は造形物のリモコン動作が可能なものもあり大半がCGではない。 火は実際の火炎放射器とCG3枚による加工。 (1982)版ではノルウェー基地からヘリコプターで追ってきた隊員以外は誰1人生き残ってないはずだが、 都合よく女性が生き残ってるという設定は(1982)版では語られてないので不明となってしまった感じがある。 リメイクだけに内容がわかってるので少し新鮮味が無い原因。 当初の邦題は『遊星からの物体X ビギニング』であった[3]が、後に上記のものへ改称された。 Wikipediaより。 原因は「ビギニング」のタイトルを冠した作品が多くなったためか。 |
☆☆☆☆☆ DVD |
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クリーチャー |
(1985) CREATURE TITAN FIND ナスターシャ・キンスキーの父クラウス・キンスキーが出演している。 普通に見れば低予算のエイリアンのバッタものかと思いがち。怪物とホラー描写に偏ってしまっている。 もうちょいなんですけど。場面に繋がりが無くてがどこかわからないです。 「イベント・ホライゾン」での未知の世界の住人がこの怪物かも知れませんね(謎) この怪物は木星の第一衛星タイタンの遺跡にあったカブセルに収められていたが、 銀河系の星から集められた生命体コレクションの一部だったらしい。クリーチャーより操られた乗組員のほうが怖い。 宇宙ニンジンの話も「遊星よりの物体X」の事のようだ。 20万年前の遺跡だ博物館だの設定説明は説得力無しで無理がある。 臨場感の努力が見えるがどちらかといえば最初と最後の宇宙船が飛んでるシーンだけグー。 80年代独特の味のある古臭さツボを感じる。 顔面がえぐれたり頭部が吹っ飛んだり首がもげたりと中々にグロ。 主人公を軸に置いてないのでシーンが多く動きが早いため散漫な印象を受ける原因だが音楽は必死に盛り上がる。 ホフナーが倒される前に腕を広げ襲おうとするが、 そこで顔や首の太さ体型が違う別のホフナーに入れ代わったシーンが瞬間見える。 スタントを使っていたので別撮りシーンを混ぜたか爆発でもさせようとして撮影したカットだったのかは分からない。 移動経路があまり描かれておらず編集が切り過ぎでノンストップになってしまっている。 出始めの伴奏とナレーションから始まる危機的な予感をさせるボリュームのインパクトは中々。 ラストは「これで終わりよ」とロケットランチャーで退治。 |
☆☆☆☆☆ DVD |
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スペース・サタン |
SATURN 3 (1980) 1980年 出演:カーク・ダグラス。ファラ・フォーセット。ハーヴェイ・カイテル 土星基地タイタンで暴走したバイオノイド・ヘクターとの生存を賭けた死闘が展開される。 搭乗予定のパイロットを始末して乗り込んだ私欲的な軍人がバイオノイドの頭脳を持って土星基地に着く。 しかし頭脳は危険な頭脳を使用することになる。この時点でフランケンシュタインの設定である。 ヘクターの大きい銀色で配線の出た体は異色な風貌という印象を誰もが抱いたはず。 また、ヘクターは分解されるも自動修復し、飼主である軍人を始末する。狂気的なアンドロイド。 ということで SF映画の中でTV再放送が多く印象に残る。DVD映像も綺麗に仕上っている。 その御陰でミニチュアが多用されているのがはっきり見て取れる。要所でセットの精密さ、視覚効果が凝っている。 ベンソン役のハーヴェイ・カイテルも若いぞ(笑)主役級の他2人と違い、髪色と眼色が異なるのも、よりダークな感じに見える。 最もホラー色を濃くしているのはBGM。これから起きる出来事に不吉な予感を醸し出している。 更に強烈なのはタンクに入っている脳の大きさとメタリックの筋肉質ボディ。そしてベンソンの生首だろう。 色々なアイデアが詰ってしっかり画コンテを作成してないと現在ここまで製作はできない。 この作品に出てくるユニットルームのような一室も現実での移住計画で必要といえる。 映画「ブラックホール」のシグナス号の船内にも似ている。 必要な行動パターンのみインプットしていれば予定通りヘクターは正常に機能していた。 正規のパイロットではなく精神不安定なベンソンが余計な感情を持たせたことによる末路である。 別人に成りすましてまで彼は何のために土星基地に来たのだろうか。 自身が研究を達成した事にすればやがて事件は発覚してしまうのでこれは考えられない。 目先の事に先走ってはいるが自分にも出来るという可能性を試したかっただけでその行動は至って真剣。 やがて欲と衝動に駆られ火星の支配者になることを夢見てしまったようにも見える。 または事前からアレックスのプロフィールを見てそれが頭から離れず精神不安定と判断されてしまったかもしれない。 ともあれ人里離れた地で邪悪さと欲望が渦巻き狂気を招く様子は不気味。 SFでアンドロイドというと箱型だったり半分人間の様なものや半分機械で半分人間のサイボーグの様な容姿が多い。 そして誰かが中に入っている感じで愛嬌があったりホラーの悪役の様に見えてしまうが、 ヘクターはそれを感じさせず背丈が大きく筋肉質な鎧かのような不気味さと相まって重厚感が出ている。 頭だけはなんとなく「ショート・サーキット」なのだが先を行っている。 BGMや効果音も付随して不気味さを盛り立てている。 |
★★★ DVD |
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パラサイト |
THE FACULTY (1998) 出演:イライジャ・ウッド ロバート・ロドリゲス監督がドン・シーゲルが手がけた「ボディ・スナッチャー/恐怖の街」に感化を受け製作。 ヤツらは水を媒体として増える。色々な映画の場面を表現。たとえば「ゾンゲリア」の眼球に注射器突刺し。 「遊星からの物体X」の首だけが動き回る。シーン等だ。他にもカフェイン剤で化けている者を割出すアイデアも似ている。 学園が舞台。主人公ケイシー役のイライジャ・ウッドに体育教師役のT2のT−1000役のロバート・パトリック等。 未知の生物が生長。人間を操る。 学校の人達は水を欲しがる。クラスメイトと教師までもが。触手が見え隠れ。 未知の生物は3メートルほどの大型になり触手を持ってます。 主人公が奮戦。 操られたクラスメイトの女性が邪魔ですがうまく寄生を解除します。 巨大な生物は一体何だったのだろう。H・Pラヴクラフトのクトゥルーという生物にも類似しているが。 学園を救った主人公は一躍街中のアイドルになってしまう。無駄に恐怖心を狩りたてるドロドロしたシーンはない。 イケてない女性がスッポンポンでナイスボディを披露するが、いらんシーンではないだろうか。 ここはドン・シーゲル監督の映画よりフィリップ・カウフマン監督の映画版を表現した感じだ。 さすがイライジャ・ウッド、最後のボスに対して冷静すぎる演技はいかほどに?。 どーも迫力が伝わってこなかったのは怪物が追ってくるシーンが実際に見えてない怪物に対して行われていたせいだろう。 神秘性・理論的な事柄が簡潔すぎるので、見た感じほどスリルが満点というほどではない。 一番のシーンは競技場で雨を浴びる教師の場面だろう。何故怖くないか?それは吹替えのせいもある。 音声はオリジナルで聞いたほうが良い。TVとDVDで観た感じでは印象も大分違う。怪物の音声もイマイチ。 |
★★? DVD |
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虹男 |
(1949) 監督:牛原虚彦 特殊撮影:円谷英二 出演:小林桂樹 | DVD | |||||||||||||
顔のない悪魔 |
Fiend Without a Face (1958) イギリス1958年のモノクロ作品。 カナダ米軍基地から1人の犠牲者が出る。その後、同様の事件が多発する。 人の脳を喰らう生物の群れ。それは人間の脳のような姿をし、2本の触角と尻尾を持つ。 どこから現れたのか、撃退する対策は何か。 顔に張り付き尻尾を首に巻きつける姿は「エイリアン」の幼虫と類似している。 心臓が脈打つような音を出して移動する。触覚が電波のような音を出す。透明で姿は見えない。 後半、原子炉の放射線の量が増えて姿を現すようになる。 意志の力で物質を動かす実験で人類の役に立つ新しい生物を生み出したつもりだったが、それは悪魔だった。 あれだけグロテスクな演出と特殊効果をしておきながらキスシーンのハッピーエンドを迎える。 元々ジェフとバーブラは恋人でもないはずだが・・・。 バーブラという名前、村長らの葬儀に立ち会う姿、棚を移動して窓に板を打ち付けて怪物の進入を防ぐシーン。 その部分は「ナイト・オブ・サ・リビングデッド」を思い起こさせる。 「エイリアン」や「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」よりも先にこういう作品が存在していた。 50年代初期に比べ、後期の作品群は60年代の作品群のように脚本や演出の密度が安定している。 クリーチャーが移動したり飛び跳ね、大群が侵入してくるシーン。 拳銃で倒されていくシーンは液体が噴出する音を立てて損傷する。 それが脳の形をしているので一層気持ち悪さが出ている。 画質は痛みが無くリマスターされている。 |
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