[エーゲ海の風]



いつの日にか来ようと思っていたこの場所
港では若者たちが風に背を押され
船の旅に出る

石造りの細い道並を通りすぎ
見なれた広場で娘が踊っている

私の前で小さな娘が踊りを披露し
優しい笑みを浮べて時折眼を合わせてくる

チェアーに腰掛けた私の元に
海風が近くの店から果実の香りを運んでくる

心地よい風が体を通り
いつの間にか自分が暖かい空間に漂っている

見なれた場所、いつもの場所
私は帰ってきた
もうどこへも行くことはない





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