三分一湧水
三分一湧水は甲斐小泉駅から西へ歩いて10分ほどの小さな林の中にある湧水で、八ヶ岳の雪解け水が伏流水となり長い年月をかけ麓にわき出した泉です。年間の湧水量は310万t(8,500t/1日)、水温は年間通して摂氏10度前後で、昭和60年に環境庁が選定した「日本名水100選」にも女取湧水、大滝湧水とともに八ヶ岳南麓高原湧水群として日本名水百選に選ばれています。休日にはポリタンクやペットボトルをたくさん持って水をくみに来る人観光客も多い。
ここは公園として整備されており、木立に囲まれているため夏でもヒンヤリとして涼しく良い休憩場所です。2003年、地主であった坂本家
第16代当主 坂本静子氏(甲府市在住)より長坂町に寄贈されて遊歩道、木道、湿地植物の保護地などが作られ再整備されました。これを記念して長坂町が隣接地に三分一湧水館を
2003年10月1日にオープンしました。三分一湧水館は、湧水をテーマにした展示棟と、農村文化の発信地である物産館(農産物加工体験コーナーと物産直売コーナー)、地元産の手打ちそばを提供する「そば処三分一」からなる施設です。
名前の由来は、古来より下流にある村の農業用水として使われていた湧水の配分をめぐって争いが絶えなかったこの地に、武田信玄が湧出口の分水枡に三角石柱を立てて、水を3等分するシステムを生み出し、農耕用水として下流の三つの村に配水をし、争いを治めたという伝説が残るが、現在の説明板からは信玄の名前は消えている。ただ湧水の利用を巡って長年続いた争いを治めるために均等に分配するように工夫されたことはいまみても明らかです。現在は、利水権を持つ地区住民で組織する管理組合や地元住民によって管理され、農業用水として重要な役割を果たしています。
三分一湧水館 【 展示棟 】
○1F
・三分一湧水をはじめ、八ヶ岳南麓湧水群の自然や、民話などを紹介している。
・三分一湧水の水温・気温・電気伝導率などの観測データを見ることができる。
・地球の水資源についても考えていただくような展示内容となっている。
・ライブラリーコーナーでは水に関する書籍資料を閲覧出来るようになっている。
○2F
・三分一湧水と地域の人々の営みにスポットを当て、水と人の関わりについて紹介している。
・信玄公の棒道や石仏など、周辺の歴史について展示している。
○3F
・晴れた日には富士山や南アルプスが眺められる展望ホール。写真展やイベントなどを行なうスペースです。
○開館時間:AM9:00〜PM5:00(最終入館 PM4:30)
○休館日:毎週月曜日、休日の翌日
(月曜日が祝日の場合その翌日)
年末年始(12月27日〜1月4日)
○観覧料:大人 400円(団体料金:20人以上は300円)
小中学生 200円(団体料金:20人以上は150円)
三分一湧水館 【 中央棟 】
○湧水館展示棟への受付はこちらです。
○地元のとれたて野菜や漬物・みそなどの加工品、高原の花苗などを販売する直売コーナーもあります。
●営業時間 11:00〜15:00
●定休日 毎週月曜日、祝日の翌日
●電話:0551−32−8318
三分一湧水館 【 そば処三分一 】
○地域の村おこしの会が地元のそば粉を使った手打ちそばを提供している。名水のそばは大好評をいただいていますと宣伝しているが、値段が少し高いのが玉に傷。
●営業時間 11:00〜15:00
●定休日 毎週月曜日、祝日の翌日
●電話:0551−32−8318
展示棟3階のベランダからの富士山、
南アルプスの眺めは素晴らしく、右の
写真は夕陽があたる富士山である。
長坂町立三分一湧水館 所在地
〒408-0031
山梨県北杜市長坂町小荒間292-1
TEL:0551−32−0058
FAX::0551−32−0059
( JR小海線「甲斐小泉」駅下車、徒歩10分 )
( 2004.1.4 )
昭和18年9月の山津波の時に出てきた石
三分一湧水と三分一湧水館を結ぶ遊歩道
三分一湧水のまわりで涼をとる人々
公園内の東屋