ボブ馬鹿 1 (2002 12 19 更新)

 山本貴嗣はボブ好きである。おかっぱマニアである。
 などということはとうにお気づきのお客様もおいでだろう。デビュー間もない頃、あまりおかっぱヘアの乙女ばかり出すので、いい加減髪型変えろと友人に言われて仕方なく変えた。変えたがやはり不本意で、手を変え品を変え変形ボブに挑み続けている。
 実際こうしてギャラリーを作るに当たり、どう分類していいか困るラフなどが多数あった。なんのことはない、ボブでくくれば良かったのだ。
 と言うわけで、この「ボブ馬鹿」ページでは私の様々な(そしてワンパターンでもある)おかっぱキャラを並べていきたい。


1−a アモウ・プロトタイプ2
 画廊1の『弾(アモウ)』のコーナーでも掲載したが、最初はボブのイメージが強かった。最終的にはウィッグ(カツラ)でロングになったが実際の髪型はショートボブに落ち着いた。戦うヒロインの場合、ロングヘアは敵に掴まれる点でマイナスである。短めでかっこよくとなると、私はボブが一番である。

アモウ・プロトタイプ2


1−b 罠
 別にタイトルなどないのだがそうとしか付けようがないのでこうしておく。ラクガキの一枚である。

罠


 このページを始めて間もなく、ある友人から電話がかかってきた。
 「いやー山本さんがついにサップのコーナーを始めたのかと思いました」
 開いてみたらおかっぱ乙女だったという。
 そんなこと言われたらボブカットのボブ・サッ●選手を描かなきゃいけなくなっちゃうじゃないかあああ!!(笑)
 その内機会があったらね♪


 私とボブヘアとのつき合いがいつから何に始まるのか、今となっては判らない。
 映画『怪獣大戦争』の水野久美か『謎の円盤UFO』のムーンベースの女性隊員か。いずれにしても、日常生活から遊離した「ここでないどこかにいる美女」というものを表現するのに、あれくらい適したヘアスタイルは他にないのではないか。極北にまで行くならスタトレ映画版に出たバーシス・カンバータ(スキンヘッドヴァージョン)みたいのもあるが、これはまあヘアスタイルとはある意味もはや呼べないのでとりあえず置く。余談であるがあの女優さん、何年か前に若くして亡くなられたように思う。ご冥福をお祈りする。
 さておきボブである。 

1−c ボブ・かわいめ(1997〜98年頃のラフ)

ボブ・かわいめ

 私にとってボブの乙女は、女性の一つの究極形態である。
 思いっきり好きなヒロインを描くならボブで、という思いは常々あった。
 どうせ描くなら一人でも多くの読者に受け入れられたい、それにはある種の愛らしさ、いや有体に言って「かわいさ」がなくてはいけない。しかし私は、女性の究極形態にそんなもん求めていないのである。アーニスをご覧いただければお解りになるであろう。つまり、わざわざ大好きなボブで描くのに、上の絵のような「かわいい」系のヒロインにしては、何のために描くのか意味がなくなってしまう。この辺の私の勝手な葛藤については雑文コーナーの「漫画を描くこと」をお読みいただきたい。
 そこで私に反動が出た。
 ええいもお、いっそやるならとことんかわいくないごつい姐御で描いてはどうか。んでそっち系のラフをがしがし描きだしたのである。


1−d マッチョボブ(1994年、知り合いの同人誌に寄稿したカット)

マッチョボブ・1994同人誌

 さすがにこれではやり過ぎだと思ったが、それからしばらく、もう少し華奢でもともかくこのごついアダルト系でいけないものかと試行錯誤が続く。前述の雑文コーナーのエッセイでも触れた、山本貴嗣の悪夢の90年代中期である(笑)。

 蛇足であるが、この姐さんのホルスターと銃は現在アモウに引き継がれている。本来はこんな感じの女探偵だか刑事だか殺し屋だかに使わせるつもりであった。


1−e  マッチョ・ボブ(スリム)
 1−dだとマッチョを通り越してボブじゃなくてデブになってしまう。筋肉質にするにしてもこれくらいかなと思って描いたラフ。

マッチョボブ(スリム)


ボブ馬鹿 2 へ続く