中国結び検定と資料
 紐を結んで「中華の縁起の良い形や風習」を表現する工芸を中国結びといいます。

 中国結び以外にも、世界には様々な紐を結ぶ手工芸があり、日本では日本結び、韓国には韓国結び、西洋には西洋マクラメ結び等々、よく見るとそれぞれの民族の歴史・伝統に沿った違いと特徴があります。

 しかしながら日本では、中国結びについての情報が非常に曖昧であり、結びの名前や種類について、一定の明確さをもって発表された資料はほとんどありません。

 「中国結び」と称しても、結び目の名前が日本結びや西洋マクラメ結びの名前になっていたり、紐を糸と呼んだり、結び芸を組み紐と間違えて扱っている様子もよく見られます。

誤解されがちですが、アジアンノットとは西洋マクラメ結びの材料業者が20年程前に販売し始めた手芸企画商品名であり、この業者の造語です(直接業者に確認済)。紹介されている道具の多くが同社販売の西洋マクラメ結びの商品であることからも解るように、こちらも中国結びとは似て非なる物です。

また、海外在住日本人対象の教室では、日本や西洋の伝統的な行事をもとにした作品ををそのまま拝借し、区別なく混ぜたものを中国結びとして教えているケースも多く見られます。例えばお雛様や兜、クリスマスリース等。それらの形は明らかに中華の伝統文化ではありません。日本の専門書からの作品転用を知らないうちに教えられ、勘違いしたまま学ぶ側から教える側になる方もいらっしゃいます。

 もちろん共通の形や現代的無国籍の表現もありますが、やはり各民族の「伝統的風習を元にシンボル化したもの」には、特別な意味がこめられ、その違いははっきりしています。  

更に、台湾や中国など中国結び愛好家が多い地域では、書名は中国結びとされてはいますが、元は日本の書籍の海賊版も数多く出回っています。海賊版は結びに詳しい人が翻訳しているわけではないので、実際は中国結びではない中国結びの書籍が売られてしまうのです。

 これら複数の要因から、本来の意味で中国結びとは言い難いものが、中国結びとされているケースが非常に多いのです。

そして、結果的に一部の日本結びや西洋結びの専門家の方々からこちらに苦情が寄せられています。気になる方は是非日本の結びや西洋マクラメ結びの書籍などを確認し、考えていただきたいと願っています。

 このような様々な事情から、私たちは中国結び協会を立ち上げ、基礎から中級、師範レベルにいたるまでの資料を、中国・台湾の先生方に協力していただきながら段階別にまとめる作業をしています。
 
 これらの資料を元に、2013年から日本の東京で検定試験を行っています。
教室学習者に向け、知識技能を高めるための目標となるよう始めた試験ですが、一般の方でも希望があれば受験可能です。
合格者には当協会の認定証を発行しています。  

 日本人だからと言って詳しく知らないままではもったいないと思います。
中国結びの本質を求める方は日本ではかなり少数派ですが、であるからこそ詳しく知りたい方、きちんと覚えて身に着けたいと考えている方への一助となれば幸いです。

2022年第10回検定試験中止のお知らせ2022年3月16日更新

今年度の試験は中止といたしました。次回予定などは2023年4月頃こちらでお知らせ予定です。

過去問などはこちらでも公開していますhttps://www.facebook.com/meirongjiezi/


*専門用語と記号について* 
 

準4級レベル資料
4級レベル資料
3級レベル資料
2級レベル資料
1級レベル資料 2023年更新予定
師範レベル資料 2024年更新予定
研究者レベル資料 2024年更新予定

TOPページへ