きょう

::::やっとめぐりあえた きょう::::


このごろのできごと





お芝居見ました。
池袋芸術座・ホール2で 『地雷を踏んだらサヨウナラ』(20日から〜23日まで)
作者は久松真一さん(福岡NHKドラマ、玄海の作者)

作家が自作を演出しています。2年ぶりの再演ですが、前作よりストレートでわかりやすくなっていました。
前作は作者の演出ではありませんでした。

もしかすると少し説明がくどいかもしれません。作者演出の宿命です。
演出というものは、ものすごく主観的に戯曲を掘り下げながら
突き放して客観的に芝居を進行させていかないと、時として作品が冗漫なものになってしまいます。
作者演出はどうしても、劇に対して客観的になりきれない部分があるのです。
それ西tれは今回の撃破上出来でした。
照明、舞台構成、とても心配りのある見事な劇でした。

それに若い俳優を使っていると、演技指導の部分で疲れてしまうということがあります。
今回、女優さんが、皆さん、劇の理解が足りなかったかもしれませんね。
男の友情を描きたかった演出家が、犠牲にした部分ともいえるのでしょうか。

冒頭のシーンででてくる編集局の女性(宮地眞理子さん)が
ルポライターとしての実感をお芝居で見せていかないと
この芝居は成功おぼつかないでしょう。
ちょっとリズムを壊していましたね。セリフ回しが冗漫なのです。

勇君の彼女(梢さん)が、自殺した勇のお棺の前で泣くのですが
勇を好きなのか、自分のことをどう考えているのかよく見えてきません。
まだ舞台に立っているだけで精一杯のようです。
このあたりは演出の腕の見せ所だったのでしょうがねぇ。

まったくの新人さんだったようですね。それならたいしたものでしたよ。

悪役の支配人(好演)を裏切って事件の証人になるという秘書役(平田千香子さん)も、
ただのだだっ子みたいでした。

ベトナムの少女レファン(栗山かほりさん)は、もうけ役ですね。よかったですよ。

それからおさな友達の久美子(竹本りえさん)これもなかなか好演です。

物語。
一ノ瀬泰造という、カンボジャでクメール・ルージュに処刑された戦場カメラマンがいます。
そのカメラマンが生前使っていたカメラが市場にでます。
行き場を見失った主人公のカメラマン清水に
おさな友達の友人が、そのカメラをプレゼントしようとするところから芝居が始まります。
おさな友達は翌日自殺します。
カメラマンと、自殺した男の友情と、彼の自殺から見えてくる社会悪。
泰造の亡霊が、カメラマンにまとわりついて、
やがてカメラマンに行くべき道を示すというドラマです。

泰造をやった李鐘浩(リ・ジョンボ)君がさわやかでいい。
主役のカメラマンの加藤久雅(ながまさ)君は、声がよくて、実感のある好演ですが、
大事なところで心理描写ができていませんでした。惜しかったね。

編集長の清水一男(以前ロビンで飛鳥信を名乗って俳優やっていました)クン。好演です。
もう少し、挫折した仕事人としての正義感があった方がいいと思います。
アチャラカにつくりすぎましたね。笑いをねらっちゃいけません。
今回悩んでいなかったね。悩んでいないとアスカじゃないぞ。

でも男優陣は、支配人の内木英二さん。勇役の平井恵助君。大女優の長男役の宇賀那健一君。
皆さんとても好演でした。

泰造がおかあさんを思い出すところでこの芝居は大団円を迎えます。
このお母さんとのエピソードみたいなものが清水や久美子の北海道での思い出に
もう少し深く出ていた方がいいかもしれなかったね。
奥尻の地震の時とかね。
非情にシャッターを切ったことで
清水が世間から非難されたとしか語られていないから。
                                         2003/11/24



千葉県教育会館で開催された
第4回関東地区総合学科高校教育研究大会に列席し、

60分間の感動的な祝賀講演をやらせていただきました。
高校の校長先生相手の講演でしたからね、一時はどうなることかと・・・
消えてしまいたかったですよ。
そのあと、パネル・ディスカッションにもパネラーとして参加して、気分はすっかり教育者です。


以下はパネル・ディスカッションを聞いていただいた大坂の先生からのメールです。

昨日、第5回(ママ)関東地区総合学科研究大会に参加させていただきました。
大阪府立柴島高等学校の田中徹と申します。
記念講演そして分科会とお疲れさまでした。私も第5分科会に参加しておりまして、
間近で先生のお考えをはじめ各先生方のお話を聞くことができ、とても有意義な時間を過ごさせていただきました。
 特に原田先生には「言葉の持つ熱意」というものをとても強く感じました。
先生の話される言葉には熱意が感じられ、それが私にも伝わってくるのがわかりました。
私も授業をする際に「1時間完全燃焼」を目指しております。
「熱意は伝染する。」という信念のもと教壇に立ち続けております。
今回、先生のお話を伺い、
我が意を得た思いがいたしましたのでメールなどで失礼かと思いましたが、
この感動を早くお伝えしたくて、
お礼をもうしあげたくてこのメールを出すことを決意しました。非礼の段は申し訳なく思っております。
 
 先生がおっしゃられていた(生徒の心に)「風穴をあける」。
(生徒のやる気を引き出してやる)
この言葉はこれからの私の教師としてのあり方を変えるものになったと思います。
「教える」のではなく「風穴をあけてやる」
それも「熱意を持って」、「熱意のある言葉で」・・・本当にありがとうございました。

大阪からは私だけの参加でしたが本当に参加してよかったと思います。
大阪府民の税金は無駄にしなかったと思っております。
総合学科も10年を迎え(本校は8年目ですが)様々な問題点も出てきております。
それらに立ち向かっていく勇気とその指針を頂きました。ありがとうございました。

 先生におかれましては、
大学の招聘教授、八街高校の非常勤講師
そして本業である役者としてのお仕事とお忙しいことと存じますが、
どうかお体にお気をつけ頂いて、また我々教師にもさまざまなお話をお聞かせ下さい。
それでは先生のますますのご活躍をお祈りいたしております。

田中先生どうもありがとうございました。
あなたのメールがボクを育ててくれます。
あ、それから階段の上り下りもすっかり普通になった今日この頃です。
                                    2003/11/18


なんかね。階段降りるのもなかなかままならないんだよね。ビコタンビコタンなっちゃうの。
ところが、ある日、突然普通に階段降りている自分に気がついたりするんだ。
やはり、事故から1年半をすぎて毎日毎日、回復に向かってる。それがうれしいね。 
                                    2003/11/14


まだ、走れません、跳べません、正座できません状態
それでもこの間からプールに入ったりして
だんだん元気を取り戻しているぞ。                2003/11/3



おしごと

近未来;;;;




11月4日から14日まで山口県ダー
11月9日、お袋の一周忌の法事。10日はKRY山口の『熱血テレビ』
11日から14日までは豊田町一ノ俣温泉。豊北町滝部温泉。豊浦町川棚温泉。下関市マリン温泉。
              菊川町菊川温泉。下関市湯谷温泉。宇部市持世寺温泉。宇部市片倉温泉。
              美東町湯の口温泉。阿知須町阿知須温泉。と温泉めぐり


11月11日〜11月14日
山口県西部方面に行きました。お会いした皆さん、どうもありがとうございました。
下関から萩にかけての日本海沿岸です。日本の最西端といいますか。夕日がとても綺麗なわけです。
NHK山口の「温泉めぐり」最終回です。

◎一ノ俣温泉。料理、風呂とも最高です。若い板サンですが、なかなか包丁がいいんです。「さしみ」ちょっとその辺じゃ食べられないよ。

川棚温泉も、是非いってみて下さい。漂泊の俳人種田山頭火が骨を埋めたいと考えたほどの温泉です。
若い跡取りサン(残念ながら既婚)が、すんごい前向きです。

◎菊川温泉。きいたことナイでしょう。菊川町という町にあります。野菜が美味しいんです。エビ芋(静岡にもあるみたいだね)最高です。だからなべが美味しいわけです。菊川町、町全体で取り組んでいます。銀行口座がどんどん増えていってるんだって。全国の地方行政の皆さん、この町
は研修してみる価値があるみたいですよ。

の口温泉。秋吉台の入り口です。静かな村です。天宿ってホテルが高台に建っています。湯田の常磐ホテルが経営しているようですが、綺麗な独身のお嬢さん(佳子さん)が頑張っています。ホテル・マンたちによるマジック・ショーやお茶会なんかもあるみたい。ホントに静かなところですよ。




かんがえごと

ジュリア・ロバーツってすごい。2003/11/3

長野県八ヶ岳北壁のわが山荘。標高1200メートルのところにあるもんだから、冬の冷え込みはすごい。
水道管なんか、普通にしていれば簡単に破裂。断裂。
だから秋深くなったら(・・・といっても理想的には10月中旬。今年はスケジュールの都合で仕方なく11月アタマ)
一度、水道のメンテナンスで八千穂村(麓から山の2000メートルくらいのところまでみんな八千穂村だ)に出かけるのだ。

テレビでも何回か放映してご存じの方も多いだろう。
北に高原野菜の畑が広がり、その彼方に浅間がくっきりとそびえ立つ。
カラ松に囲まれた、あの家である。

それで、今日、3日。文化の日をブンカチックに、床暖のきいたアトリエに寝ころんでテレビを見た。
NHKの再放送(「アー、あたし、これ観た」と、キサコさんが言っていた)。
ジュリア・ロバーツがモンゴルに行って馬に乗った話。
イギリスの映画会社の製作。西洋人映画スターをモンゴルのパオで生活させてみようという企画だ。
いわゆる紀行物。
ところが、これがとんでもなくすごい作品だった。

ボクが見たのは途中からだ。
「彼らは私にパオをひとつあてがってくれた」あたりからだ。
ジュリアはモンゴル人家族の子供が草原にオシッコしているのを見て、
自分がどこにトイレを見いださなければならないかを悟る。
西洋の価値観と東洋の価値観の違いを見て、
東洋の価値観に身を任せてみようと決心する。

そして
モンゴルで一番の牧畜名人とジュリアの友情物語。
競馬に使うための馬を捕まえるモンゴル人たちの強靱さ。

どうもこの牧畜名人の孫が
競馬の競争で勝つという傍線の話は、映画会社のやらせであるようにみえる。
身体障害のありそうなモンゴル人の登場人物に関しても
映画のテーマは決してそれに触れていかない。
なるべく普通に撮っている。

ところがその彼のジュリアを見つめる目は、とても輝いているので
カメラの外でジュリアがいかに彼を大事に扱っていたかが分かる。

確かにこのスタッフは
テーマも、シナリオ・ハンティングもジュリアにうっちゃられたというところだろう。
しかしそんなことは関係なく、ジュリアがモンゴル人たちの中に自分の身を投げ出す潔さがすごい。
絵の中に牧畜名人の妻に作ってもらったというジュリアのモンゴル服が
風をはらんでしっかりと存在している。
しっかり存在することがいかにむつかしいことか。
ジュリアが感想を語る言葉の中にジュリアの人生観がみなぎる
(これがすべて用意された台本だとしたら、もっと話はすごいのだが)。

別れのシーンで背中を見せたジュリアが急に泣く。
カメラもスタッフもそれに気がついていないかもしれない。出演者が泣いたらカメラマンは決してそれを放っておけないものだ。
きっと、録画を見直したところで初めて気がついたことだろう。

それでもいい。
ジュリア・ロバーツのこのイサギヨサをカメラの中で捉えきったんだから、このスタッフは、それだけで大勝利さ。

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