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上野〜御徒町(台東区)02/11/19

東北方面の長距離列車の始発駅として、かつては多くの特急が発着していた上野駅。そして新幹線の開業・碓氷峠廃止・夜行列車の縮小に伴って、特急は次々と姿を消した今、上野駅はターミナル駅としての機能を持たなくなっていきました。かつての賑わいを取り戻すべく、駅構内を大改修して誕生したアトレ上野。でも、駅を一歩出れば、そこには動物園や美術館といった建物が今も変わらず残っていて思う存分楽しめます。そんな上野を歩いてみました。

・上野駅
上野駅には山手線・京浜東北線・高崎線・宇都宮線・常磐線・新幹線が乗り入れるほか、営団地下鉄銀座線・日比谷線と京成電鉄が駅を構えています。では、上野駅の構造から説明しましょう。ホームは2層式になっていて、高架ホームには山手線・京浜東北線・高崎線・宇都宮線・常磐線(快速)・常磐線(中距離)の一般車が乗り入れます。それに対して地平ホームのほうには、高崎線・宇都宮線の一部一般車と、高崎線・宇都宮線・常磐線を走る長距離特急列車が発着します。この地平ホームは頭端式となっていて、終着駅の雰囲気をよく出しています。新幹線乗換口の整備、一部ホームの廃止などの構内改修工事が長く行われてきましたが、平成14年に工事は終了し、「アトレ上野」がオープンしました。

・アトレ上野
「上野にくれば駅を出なくても買い物ができる」。まさにその通り。中央改札口を出ると、すぐそこにはショッピングセンターや飲食店街の並ぶ場所に出ます。ここが平成14年2月22日にオープンしたアトレ上野です。歴史ある上野駅の新しい姿として生まれ変わりました。中はコスモス広場を中心に雑貨屋・服屋・レストラン・喫茶店などあらゆるジャンルのお店が待っています。ここだけでも充分楽しめるところです。ただ気になるのは天井が低いことと、女性向のお店が多いことです。しかし若い人を呼び込むために若い人向けのお店が多いのはいいことだと思います。ラーメン屋さんは常に行列を作っていたり、飲食店街は平日・土休日を問わず常に混んでいます。余談ですが、ドトール(アトレ上野店)とスタバの両方が店を構えています。

・上野公園
上野駅に公園口というものがあることからもわかるように、駅を出たら目の前に広がります。ここは上野動物園のほか東京都美術館・国立西洋美術館・国立科学博物館・東京国立博物館・東京文化会館といった建物のほかに、不忍池といったのんびりできる場所もあります。ここにはいろいろな像も見ることができますが、やはり像といえば西郷隆盛でしょう。歴史は得意ではないので省略しますが、前にテレビで西郷隆盛像と何かの像がにらみ合うように設置してあるのだという話を聞いたことがありますが詳しくは覚えていません。どなたかご教授ください。話はそれますが、横につれている犬はハチ公で、毎日西郷さんを駅まで迎えに来ていたという笑い話もありました。緑の多いこの場所は、都会の風景もさえぎっているので独特の空間、つまり落ち着いた空間を提供してくれます。

・国立科学博物館
ここはどんなところかと言いますと、「隕石と太陽系、生命の誕生から人類の発展にいたる進化、多様な動植物の世界など、自然と科学のおもしろさでいっぱい」という博物館です。正面は国会議事堂を思わせるようなつくりとなっていて、両側にはシロナガスクジラの模型とD51形蒸気機関車が展示してあります。中は3つの建物(本館・みどり館・新館)に分かれていて、内容もそれぞれ異なったものとなっています。ここでは、各館について分けて説明していきます。

 (本館)テーマ:「生物の進化」
          「日本の動植物」
          「隕石と太陽系」

「生物の進化」コーナーは4つに分かれていて、人類や恐竜などの進化の過程が展示解説してあります。パネルよりも模型のほうが多いので、姿かたちともに想像しやすいものとなっています。特に人類の進化については、なかなか興味深いものがありました。
「隕石と太陽系」は、私自身が地学・天体が好きなこともあってとても面白く感じました。太陽系の惑星、すなわち水金地火木…や、月、衛星、ハレー彗星などのほうき星といった解説のほか、隕石の展示、落下地点の場所等の記録、映像などかなり細かく説明してありました。小学生にもわかるように書かれた説明書きがあるため、初めての人も行きやすいと思います。また時間の関係上「日本の動植物」は観ませんでした。
 (みどり館)テーマ:「地学・人類展示」
             「動物分類展示」
             「サイエンスシアター」+ホール

標本展示中心の建物で食堂も併設しています。今回は割愛します。
 (新館)テーマ:「(たんけん広場)発見の森」
          「(たんけん広場)身近な科学」
          「(生物の多様性)海洋生物」
          「(誕生と絶滅の不思議)恐竜」

時間の関係もあって、今回は「身近な科学」のところだけ行きました。「力と運動」「光と音」「電気と磁気」「感覚」といった様々な体験や実験ができます。子供が多いところでしたが、学生も大人も充分楽しめると思います。小学校・中学校で習う理科の物理化学の範囲のものは大体そろってます。正直楽しかったです。久々に子供心に戻ってはしゃいでしまいました(汗)ここでの遊び時間が長すぎて他のところに回れなくなったというのは言うまでもありませんね。同じく体験することができる「発見の森」も面白いのではないでしょうか。また機会があったら今度行ってみようかと思います。

余談ですが、このあとドトールの上野6丁目店でBセット(ミラノサンドBとアメリカンコーヒーS:520円)を頼んで昼食としました。このお店でちょっとしたお遊びがあったのですが、またの機会ということにしておきましょう。上野のドトールは、この上野6丁目店のほかにアトレ上野店・上野1丁目店・上野中央通り店・上野浅草通り店があります。

・国立西洋美術館
ちょうどこのとき、ウィンスロップ・コレクションを開催していました。フォッグ美術館所蔵の19世紀イギリス・フランスの絵画の展示です。このウィンスロップ・コレクションは写実主義や印象派とは一線を画す近代画家の作品が多いことで知られているそうです。合計86点の絵画が展示されていました。僕の勉強不足(知識不足)がかなりお披露目されてしまって申し訳ないのですが、一応わかる範囲でいくつか挙げときます。

 (エドワード・バーン=ジョーンズ「天地創造の日々」)
神々が1週間で世界を作っているところです。展示してあったのは5日目と6日目で、5日目は空と大地、6日目はアダムとイブを創りました。最後の7日目の神は何をしていたのかというと、6日間で世界が出来上がってしまったので休んでいた、というお話です。
 (ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ「海の呪文」)
海の真ん中で竪琴を奏でる美しい女性。彼女の歌を聴いたものは船もろとも海に沈んでしまうという。それを見ることで彼女は快楽を味わっていました。彼女の名は「セイレーン」。余談ですが、ある有名なRPGゲームでは、彼女の歌を聴くと沈黙状態になってしまうというのがあります。彼女の歌声が耳に入らないように、船員達は耳にロウを固めて耳栓の代わりにしていたということです。

以上が1日費やして回ったところですが、後日大学の関係で再び訪れることになったので以下のものを追加します。

・アメヤ横丁
通称「アメ横」。JR線の高架下あるいは高架横に商店街が並んでいます。アメ横の由来は、昔ここには飴屋さんが多かったからと言う説とアメリカの商品が多かったと言う説があります。それはそれで、このアメ横を知っている方は多いと思います。ここは問屋さん街と言ったらわかりやすいでしょうか。要するに卸値で売っているんですよ。CMで有名な「二○の菓子」もここにあります。安いです。どのお店もそうなんですが、1軒が非常に狭いです。その代わりに店の数もジャンルも豊富です。一度は行ってみることをおすすめします。個人的にはもういいかなって感じになってますけど。

・営団銀座線上野検車区
昭和2年(1926年)東京地下鉄道の浅草−上野間開業時に開設された検車区です。当初は工場併設で建設されましたが、輸送力状況のために工場は廃止、留置線に置き換えられます。現在の工場業務は、丸ノ内線の中野工場で一括して行われています。昭和43年には地下に留置線を増設して、6両編成20本が収容できる検車区となりました。
さて、この検車区の見所は、検車区入り口にある踏切です。地下鉄線が踏切を持つのは非常に珍しく、営団でもこの銀座線の上野検車区のみに設置されています。遮断機が上がっているときは危険防止のため入出庫線側に防護板が降りています。この一般道は昭和通りに面してはいますが、さほど交通量があるわけではありません。なのでラッシュ時の入出庫時の激しい時間帯でも道路混雑を招くことはそうないと思います。

有名なものが多くて結構行ったことがあるような上野地区ですが、実はまともに歩いたのは今回が初めてだったりします。今ままでは上野=動物園のイメージが強かったのですが、美術館や博物館も面白いんだなぁと思いました。それだけ自分が成長したんでしょうね(笑)また気が向いたら動物園や不忍池のほうもじっくり歩いてみようかと思います。

今回(02/11/19)の旅費
国立科学博物館入館料 420円
国立西洋美術館入館料(学割適用) 800円
お昼代(ドトール) 520円
<合計> 1740円