最近呑んだ吟醸酒について
   
      

2004年1−3月分                     

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  これからの話は消費者(飲み手)という立場で書いていきます。評論家や蔵元、酒屋の立場では見ていません。また、音楽とか味覚とかいう物は大変抽象的で表現が難しいのですが、平易に書きたいと思います。 よく、食べ物店の紹介記事で絶賛している物を食べると、首を傾げたくなる時が多々ありますし、テレビでリポーターが口に入れたとたん「うまい」と発言しているウソ等はここでは、しないように心がけています。
 

   ◆月に一度の例会とイレギラーで飲んだ吟醸酒について、ズバリ、どういう酒か皆様への判断基準を書きます。 
 A;味、B;香り、C;コストパフォーマンス、D;総合評価を、各5点評価(5;最上 4;良 3;まあまあ 2;まだまだ 1;評価外)で表します。 総合評価3−(マイナス)以下ではもう一度買うかと言えば、考えてしまうレベル。2ではタダで贈られても困ってしまうレベル。 
 私の独断と偏見なしで評価し、E;寸評も入れます。なお、会での評価も、判断基準の参考にしています。また、評価はこの日に飲んだ吟醸酒の味で、次回も酒の性格上、ロットや時間が変れば同じとは言切れませんが、傾向としては、間違ってはいないと思います。

 >>ここで飲まれている吟醸酒の購入元をお知りになりたい方は、メールをいただければ、早い時期(忘れない内)なら、販売店をご紹介いたします。<<
 


 

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イイお酒を、イイ友と、イイ肴と、イイ会話で月1回楽しむ会です。◇

4月例会予告 2004年4月24日(土)


2004年3月27日(土)

 

1.竹鶴酒造(広島県竹原市) 純米 「小笹屋竹鶴 大和雄町」  生原酒
原料米;広島県竹原市大和町産雄町、 精米歩合;60%   【アルコール分】17.9度  【日本酒度】+9 【酸度】2.1  【酵母】協会701号 【栽培者】松田 香、土居 進  1.8L  \3,200 (税込)
 A;味4+、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4+
E寸評; これは契約栽培者の名前入りのお酒ですが、だからその違いが、酒質に出ているかと言えば、疑問です。それを求める蔵側の熱意や誠意は分かりますが、それが酒となって製品になった時、どれだけの人がそれに気づくでしょうか。また雄町の旨味が出し切れていなかった。1年貯蔵酒で酒に色が出ています。辛口でひね香は出ていません。

 

 

 

 

2.竹鶴酒造(広島県竹原市) 純米 「竹鶴 合鴨農法米」  原酒
原料米;広島県加茂郡福富町 契約栽培(福富)合鴨農法雄町、 精米歩合;65%   【アルコール分】15.8度  【日本酒度】+5 【酸度】 1.5 【酵母】協会601号   1.8L  \3,200 (税込)
 A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4
E寸評; このお酒は竹鶴酒造さんが広島県加茂郡福富町の篤農家 門藤温三さん、藤永京子さんに契約栽培をお願いしております合鴨農法米・雄町を使った酒です。(酒販店談)

 これも合鴨農法米の原料を使っていますが、こなれ切れていません。精米歩合65%では原料米が可哀相です。上記「大和雄町」の精米歩合と比べても落ちます。その分欠点が大きく出てしまいました。これだけの上質米なら50%台で醸してあげたらその真価が発揮されたでしょうに残念です。1年貯蔵酒で酒に色が出ています。この辺がピークです。

 

 

3.富士高砂酒造(静岡県富士宮市) 純米吟醸  「高砂 槽掛中取り」  無濾過生酒 
原料米;兵庫県産山田錦、 精米歩合;55%   【アルコール分】16〜17度  【日本酒度】+6 【酸度】1.4   【使用酵母】静岡酵母NEW5 1.8L  \3,150 (税込)
 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評; 山田錦の長所を充分引き出し、申し分ない出来です。柔らかい味わいでありながら、しっかりとした個性を身につけ、どんな相手をも納得させる力を持っています。酒の神と山田錦に感謝しつつ、蔵元の姿勢に敬意を表します。深くお付き合いを求めたいのですが、それは私だけではなく、何処からも指名される人気者です。欠点は空瓶になって戻って来たぐらいでしょう。


 

4.英君酒造(静岡県由比町) 吟醸  「特別袋吊り雫」  
原料米;五百万石、 精米歩合;50%(自家精米)   【アルコール分】17.5度  【日本酒度】+6 【酸度】1.2 【酵母】静岡酵母NEW−5  1.8L  \3,675 (税込)
 A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4
E寸評;五味は充分醸し出されてはいます。しかしそのバランスが悪く、いつまでも口中に雑味が残ります。
 今回は秀才揃いでしたので、割を食っていたのはやむを得ない事です。


 

 

5.旭酒造(山口県周東町)  純米大吟醸 遠心分離 「獺祭(だつさい)磨き三割九分」 おりがらみ 生酒
原料米;山田錦、 精米歩合;39%   【アルコール分】15〜16度 【日本酒度】+6 【酸度】1.1 1.8L  \4,935 (税込)
 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評; 機械が良いとか、テクニックが良いとか、山田錦が良いとか言う問題ではありません。素材の扱い方、蔵元の取り組み方、水から始まって綿密な計算が真に上手く機能しているのでしょう。出来上がった製品が全てで、裏目に出る事もあるでしょうが、今回ははずせない最上級の逸品です。


 
6.神沢川酒造場(静岡県由比町)  純米大吟醸  「正雪 備前雄町」 火入れ
原料米;備前雄町、 精米歩合;45%   【アルコール分】15〜16度 【日本酒度】+1 【酸度】1.3 【酵母】:静岡HD-1 10号系 1.8L  \4,200 (税込)
 A;味5、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4+
E寸評; この蔵の酒のまとめ方の上手さには毎回脱帽です。雄町の重厚さ深みが今回は無く、山田錦の軽快さ研ぎ澄まされさに近い印象を受けました。酒とすれば欠点はなくバランスされた旨さに舌を巻きますが、出来過ぎて雄町がどこかに行ってしまった。

 

 


 2004年2月28日(土)

1.大澤酒造(長野県望月町) 純米吟醸  「明鏡止水」  生
原料米;−、 精米歩合;−%   【アルコール分】16〜17度  【日本酒度】+1 【酸度】1.6   1.8L  \2,755 (税込)
 A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価4+
E寸評; 五味がバランスし味わい豊かな淡麗吟醸酒です。
 

 

2.墨廼江酒造(宮城県石巻市) 純米吟醸 「墨廼江(すみのえ)」 中汲
原料米;山田錦+蔵の華  精米歩合;50%  【アルコール分】16〜17度    【使用酵母】宮城酵母     1.8L 3,150 円(税込)
A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価4+
E寸評;これも「明鏡止水」に似た味わいを持った淡麗酒です。程良く研ぎ澄まされた一品です。


 

3.麓井(ふもとい)酒造(山形県庄内八幡町)  純米吟醸 「麓井 雄町」 
原料米;雄町、 精米歩合;50%   【アルコール分】16〜17度    1.8L  \3,150 (税込)
 A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価4+
E寸評; これも「明鏡止水」に似た味わいを持った淡麗酒です。雄町の図太さより研ぎ澄まされた味わいが勝っています。


 

4.瀧自慢酒造(三重県名張市) 純米吟醸 「瀧自慢」 
原料米;山田錦20%+雄山錦80%  精米歩合;50%  【アルコール分】16〜17度  【日本酒度】+3 【酸度】1.6  【使用酵母】自家培養酵母  1.8L \3,150 (税込)
A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価 4+
E寸評; 柔らかく淡麗まろやか。いつも安心して飲める蔵元の酒です。


 

5.黒龍酒造(福井県松岡町) 吟醸 「黒龍」 
原料米;山田錦+五百万石  精米歩合;50%  【アルコール分】15〜16度    1.8L \3,365 (税込)
A;味4、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4
E寸評; 味わい深い吟醸酒ですが、渋みがいつまでも舌にまとわりついて離れない。サラミや薫製、肉料理には合うかも知れません。

 

 今回の5品、全て美酒揃いです。飛び抜けて天才もいなければ、鈍才もいません。どの美女も美人コンテストに応募してきたような若さと溌剌とした活気があります。純米酒の欠点が何処にも見当たりません。これはひとえに各蔵元さんの研究と努力の成果だと思われます。日本酒が低迷する中、ここの蔵元さんのお酒は今後も期待出来るでしょうし、目が離せません。


 2004年1月31日(土)

1.小林酒造(栃木県小山市)  純米吟醸  「鳳凰美田」 しぼりたて新酒 無濾過かすみ生
原料米;美田、 精米歩合;55%   【アルコール分】17〜18度  【日本酒度】+3 【酸度】1.4 1.8L \2,800(税別)
 A;味4+、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価4+
E寸評;柔らかくほんわかとした丸み、新酒なのにピリピリ感はなく既に円熟の境地にある吟醸です。青臭さを感じさせるほどの生まれたての生娘です。

 

2.高橋庄作(福島県会津若松市) 純米本生 「会津娘 雪がすみの郷」  うすにごり生酒
原料米;−、 精米歩合;−%   【アルコール分】15〜16度   1.8L  \2,200(税別)
 A;味4+、B;香り4、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価4+
E寸評; 淡雪のごとく柔らかく霞が掛かるように白濁していますが、濃すぎず薄すぎず結構なあんばいです。バランスされた味わいと、品の良さが命です。全体的に薄さを感じますが、この感覚が肴を生かし、飲み疲れをさせない元なのでしょう。値段からすると考えられない程のレベルです。

 

3.盛川酒造(広島県安浦町)  純米吟醸 「白鴻」 しぼりたて無濾過生原酒
原料米;八反錦、 精米歩合;60%   【アルコール分】17〜18度   1.8L \3,000(税別)
 A;味4+、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4
E寸評; 今流行の新聞包装です。毎回言いますが、贈答用には使いにくい事があります。真っ黒な包装紙を使えばいい事で、再考の余地があります。で、味はピリピリ感の立った、これぞ新酒という表情です。雑味も無く丁寧に造られている様がうかがえます。典型的な新酒で栓を抜くと「ポン!」と音がします。

 

4.廣木酒造(福島県会津坂下町)  特別純米 「飛露喜」 無濾過生原酒
原料米;−、 精米歩合;55%   【アルコール分】17〜18度   1.8L \2,430(税別)
 A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価4+
E寸評; 強い個性がないのが個性でしょう。バランスされた味わいと品良く収まった香りが新酒の中から味わえます。雑味が無く品性豊かで、柔らかく素直な君を懐に肴の探訪を始める私です。このクラスのお酒が一番料理との相性が良く、相手を立てながら自分を主張するという節度を持っています。

 

5.千曲錦(長野県佐久市) 全国新酒鑑評会出品酒 「大吟醸」 2003年酒造年度 無加水
原料米;山田錦、  精米歩合;39%  【アルコール分】17〜17.9度  【日本酒度】+3 【酸度】1.4   1.8L \4,700 (税別)
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評; このお酒も新聞包装ですが、撮影のために裸にしています。この価格であったら、新聞紙は止めていただきたいと思います。酒質に関しては今更の感があり、最上級のレベルを持った吟醸酒です。
 このお酒は美味いからといってガブガブ飲む酒ではありません。食後酒としてこれだけを呑んで、今までの料理とお酒を締めくくるためのお酒です。

 

 


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