最近呑んだ吟醸酒について
   

 

 

2014年7−9月分

 

   

§酒のトップページに戻る§  <ホームページへ>

 


 
  これからの話は消費者(飲み手)という立場で書いていきます。評論家や蔵元、酒屋の立場では見ていません。と言う事は、売りたいための宣伝はしませんし、太鼓持ちのような感想も書きません。また、音楽とか味覚とかいう物は大変抽象的で表現が難しいのですが、平易に書きたいと思います。
 よく、食べ物店の紹介記事で絶賛している物を食べると、首を傾げたくなる時が多々ありますし、テレビでリポーターが口に入れたとたん「うまい」と発言しているウソ等はここでは、しないように心がけています。

 

   ◆月に一度の例会で飲んだ吟醸酒について、ズバリ、どういう酒か、皆様への判断基準を書きます。 
 A;味、B;香り、C;コストパフォーマンス、D;総合評価を、各5点評価(5;最上 4;良 3;まあまあ 2;まだまだ 1;評価外)で表します。 総合評価3−(マイナス)以下ではもう一度買うかと言えば、考えてしまうレベル。2ではタダで贈られても困ってしまうレベル。 
 私の独断と偏見なしで評価し、E;寸評も入れます。なお、会での評価も、判断基準の参考にしています。また、評価はこの日に飲んだ吟醸酒の味で、次回も酒の性格上、ロットや時間が変れば同じとは言切れませんが、傾向としては、間違ってはいないと思います。

 <<  ここで飲まれている吟醸酒の購入元をお知りになりたい方は、メールをいただければ、早い時期(忘れない内)なら、販売店をご紹介できます。>>
 



 吟醸酒の会へのお誘い   

 

       ↑上のボタンを押すと、ご案内のコーナーに行けます。

 

◇イイお酒を、イイ友と、イイ肴と、イイ会話で月1回楽しむ会です。◇

 


 2014年次回例会は 10月25日(土)です。



 

2014年9月27日(土)例会

 

1.新澤醸造店(宮城県大崎市)  純米吟醸  「あたごのまつ」 
原料米;−、 精米歩合;55%   【アルコール分】 16度  1.8L \3,024
 
A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4 
E寸評;雑味と渋みがきつく口中で暴れ心やすく飲めない。燗をしたが、渋みは残り、旨味も上がらなかった。


2.八戸酒類(青森県八戸市)  純米吟醸  「はちつる」 無濾過生原酒
原料米;−、 精米歩合;50%   【アルコール分】 17〜18度  1.8L \3,240
 
A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価4+ 
E寸評; 新聞紙包みの一升瓶。劣化防止の紫外線除けに新聞紙で包装されているが、流行らない。どうせなら英字新聞とかアラビア文字の新聞が面白い。今はUVカットのビニール袋があるので、コストは分からないが一考して欲しい。 中身を覗くと、服装と正反対で旨さ充分で香りも品性良く、飲み終わった後に口中に異物感が残らない。今例会で、たった一本完売したのがこの酒です。


3.鶴正宗(青森県十和田市)  純米吟醸  「稲生(いなおい)」 
原料米;山田錦、 精米歩合;55%   【アルコール分】 15度  【日本酒度】+0 【酸度】1.5   1.8L \3,348
 A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4 
E寸評;渋さが口中を刺す。アルコール度数が低く、酒としての力が無い。柔らかいとも言えるが目鼻立ちが無く物足りない。


4.斎藤酒造店(青森県弘前市)  純米吟醸  「六根ルビー」 
原料米;秋田酒こまち、 精米歩合;60%   【アルコール分】 16度  1.8L \3,400
 
A;味4+、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4 
E寸評;旨いが味がこなれていない。バランス悪く力も無い。この酒を醸していた若き杜氏が蔵を離れ、まだ新しい杜氏が決まっていない。来年は味わいがガラッと変わることでしょう。

 

5.下村酒造店(兵庫県姫路市) 純米吟醸 「奥播磨 深山霽月(みやませいげつ)」 生原酒
原料米;麹米・山田錦/掛米・兵庫夢錦、 精米歩合;55%   【アルコール分】 17〜18度  1.8L \3,569
 
A;味4、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4 
E寸評;夏を越して、酒にほんのり色が乗っているが、渋みが口中を刺す。どうしてこんなにバランスが悪いのだろう。生まれ出でたときからの渋みが夏を越しても消えなかった。


6.三浦酒造(青森県弘前市)  純米大吟醸  「豊盃」 
原料米;山田錦、 精米歩合;50%   【アルコール分】 15〜16度  1.8L \4,600
 
A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス3、D;総合評価4+ 
E寸評;えェ! 評判が先行して、買うことが出来ないという豊盃がこんな味?
味わいシャバシャバで、味わい薄く、旨さが伝わってこない。夏を越したのに豊潤さも、濃厚さも無く、3千円台の前半なみの味わい。期待が大きすぎたか。

 

 

 



 

2014年8月30日(土)例会

 

1.初亀醸造(静岡県藤枝市)  純米  「初亀」 無濾過生酒
原料米;−、 精米歩合;60%   【アルコール分】 15〜16度  【日本酒度】+2 【酸度】1.75   1.8L \2,880
 
A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4 
E寸評;食中酒として肴を助け自らを殺して、座を喜ばせる。締まりが無く、力強さが無い。


2.清水三郎商店(三重県鈴鹿市)  純米吟醸  「(ざく)」 中取り
原料米;恵乃智、 精米歩合;60%   【アルコール分】 16度  1.8L \3,024
 
A;味4+、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価4+ 
E寸評;吟醸香が素晴らしく、さわやかに鼻に抜ける。味わい軽快で、雑味なくバランス取れて深味が有って、するりと喉を通る。

3.金光酒造(東広島市黒瀬町)  純米吟醸  「賀茂金秀」 
原料米;雄町、 精米歩合;50%   【アルコール分】 16度  1.8L \3,240
 
A;味3+、B;香り3+、C;コストパフォーマンス3、D;総合評価3+
E寸評;五味バランスせず、渋み、苦味が勝って旨味を殺す。雄町の旨味はどこにも無い。どうしてこの様な仕込みになったのか。しかし、片口に入れて空気にさらすと、渋み等が薄まったが。


4.来福酒造(茨城県筑西市)  純米吟醸  「来福」 
原料米;愛山、 精米歩合;50%   【アルコール分】 15度  【日本酒度】0 【酸度】1.1  1.8L \3,348
 
A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価4+ 
E寸評;旨味は充分有るが、アルコール度数が低い分、勢いと力が無く、言葉を変えれば柔らかい。どこにも居る井戸端会議に熱中しているおばさん達のようで、魅力に乏しい。


5.八百新酒造(山口県岩国市)  純米吟醸  「雁木」 無濾過生原酒
原料米;山田錦、 精米歩合;50%   【アルコール分】 16〜17度  1.8L \3,456
 
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5 
E寸評;五味バランスして、旨さ充分。強さは無く、優しく飲み手を誘惑する。ついつい深窓の女性に手を出す事になった。


6.磯自慢酒造(静岡県焼津市)  純米吟醸  「大井川の恵み」 無濾過生酒
原料米;五百万石、 精米歩合;55%   【アルコール分】 15〜16度  【日本酒度】+5〜+7 【酸度】1.2  【酵母】NEW−5  1.8L \3,573
 
A;味4+、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5 
E寸評;磯自慢はオール5が付く、優等生なのに今回はどうしたことか。精米歩合50%の方を選べば良かったのか。ほんの5%の違いがこんなにも違う物なのか。旨さはあるが、若干の雑味がある。その為、今一歩近づけない。しかし、片口に入れて飲むと、雑味は消えたが、旨味も薄まった。

 

 


 

 

 2014年7月26日(土)例会

 

1.長生社(長野県駒ヶ根市)  特別純米  「信濃鶴」 無濾過生原酒
原料米;−、 精米歩合;55%   【アルコール分】 16度   1.8L \3,132
 
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;何も足さず、何も引かず、あるがままに素直に対峙する柔らかさ、味わい深いが、さらりと口中を抜ける。
 もう一つの、純米「信濃鶴」60%精米、\2,100(税込み)が旨い。雑味は皆無で、旨さだけの酒、という感じ。食中酒としては味わい最高、コストパフォーマンス最高。私も人の子、あまり褒めると買えなくなるので、これ以上は言わない。


2.酒田酒造(山形県酒田市)  大吟醸  「上喜元 裏ラベル」 押切
原料米;山田錦、 精米歩合;35%   【アルコール分】 17度   1.8L \3,456
 
A;味4+、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;酸味が出てしまったが、旨味は充分詰まってボリュームがある。


3.分福酒造(群馬県館林市)  大吟醸  「分福 裏ラベル」 原酒
原料米;山田錦、 精米歩合;40%   【アルコール分】 18度  【日本酒度】+4 【酸度】1.4 1.8L \3,456
 
A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価4+
E寸評;氷温10年貯蔵。歳をとってもその元気さは若者に負けない。年寄り臭さはなく清楚。顔をアップで撮らなければ、若者以上に貫禄と深みが有り、現役で他を圧倒する。


4.小林酒造(栃木県小山市)  純米吟醸  「鳳凰美田」 無濾過生酒
原料米;愛山、 精米歩合;55%   【アルコール分】 16〜17度  1.8L \3,456
 
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価
E寸評;押しつけがましい旨さを主張せず、極自然に飲み手を魅了し、飽きさせない。清楚な酸味と味わい深い旨味が、口中でおどる佳酒。


5.日の丸醸造(秋田県横手市)  大吟醸  「十文字 裏ラベル」 責め取り生原酒
原料米;山田錦、 精米歩合;45%   【アルコール分】 17度   1.8L \3,672
 
A;味4+、B;香り5、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価5
E寸評;僅かに白濁した液の中から、旨さとコクが伝わってくる。ふかみ、広がりが充分で飲み手を魅了する。


6.加茂福酒造(島根県邑南町)  純米大吟醸  「死神 裏ラベル」 斗瓶囲い
原料米;山田錦、 精米歩合;50%   【アルコール分】 17〜18度   1.8L \4,320
 
A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4+
E寸評;酸味渋みが残り、旨味を相殺して懐に取り込ませない。液温が常温でなく若干冷やしてあるので、片口に入れて常温に戻し、空気に触れさせたら、旨味が上がって、渋みも旨さの中に含まれバランスした旨さが取り戻せた。

 


 

 

 


 

 

  §酒のトップページに戻る§     <2014年 1−3月に移動>   <2014年4−6月に移動>