最近呑んだ吟醸酒について
   

 

 

2015年4−6月分

 

   

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  これからの話は消費者(飲み手)という立場で書いていきます。評論家や蔵元、酒屋の立場では見ていません。と言う事は、売りたいための宣伝はしませんし、太鼓持ちのような感想も書きません。また、音楽とか味覚とかいう物は大変抽象的で表現が難しいのですが、平易に書きたいと思います。

 よく、食べ物店の紹介記事で絶賛している物を食べると、首を傾げたくなる時が多々ありますし、テレビでリポーターが口に入れたとたん「うまい」と発言しているウソ等はここでは、しないように心がけています。 
  

◆月に一度の例会で飲んだ吟醸酒について、ズバリ、どういう酒か、皆様への判断基準を書きます。

 A;味、B;香り、C;コストパフォーマンス、D;総合評価を、各5点評価(5;最上 4;良 3;まあまあ 2;まだまだ 1;評価外)で表します。 総合評価3−(マイナス)以下ではもう一度買うかと言えば、考えてしまうレベル。2ではタダで贈られても困ってしまうレベル。 

 私の独断と偏見なしで評価し、E;寸評も入れます。なお、会での評価も、判断基準の参考にしています。また、評価はこの日に飲んだ吟醸酒の味で、次回も酒の性格上、ロットや時間が変れば同じとは言切れませんが、傾向としては、間違ってはいないと思います。

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◇イイお酒を、イイ友と、イイ肴と、イイ会話で月1回楽しむ会です。◇

 


 2015年次回例会は 7月25日(土)です。

 

 

 

 


 


2015年6月27日(土)例会

 

1.墨廼江酒造宮城県石巻市)  純米吟醸  「墨廼江」 
原料米;蔵の華、 精米歩合;55%  【アルコール分】 16〜17度   1.8L \2,916
 A;味4+、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;旨味香り充分。清楚で品良く何も不足は感じない。食中酒とすれば最高で、料理をいじめず酒の旨さも立ち上がってくる。酒の旨さとはこの様なものでしょう。

2.八百新酒造山口県岩国市)  純米吟醸  「雁木」 生原酒
原料米;山田錦、 精米歩合;60%  【アルコール分】 17〜18度  1.8L \2,916
 
A;味4+、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価
E寸評;いつもの通りの飲み手に媚びない上手い造りです。香り味わい旨さ充分。食中酒としては充分だが、旨さの後にのど元に雑味が残る。


3.八戸酒造青森県八戸市)  純米吟醸  「陸奥八仙」 生原酒
原料米;麹米・華吹雪/掛米・まっしぐら、 精米歩合;麹米・55%/掛米・60%  【アルコール分】 17度  1.8L \3,024
 A;味4+、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4+
E寸評;1年ものの古酒。甘ったるい熟成感が有り、色も着いているが老香は全く無い。先月飲んだ赤ラベルとは別物。

4.英君酒造静岡市清水区)  夏吟醸  「英君」 
原料米;五百万石、 精米歩合;55%  【アルコール分】 17〜18度 【日本酒度】+6 【酸度】1.3    1.8L \3,456
 A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4
E寸評;旨いが、いまいち迫力、個性が乏しい。アルコール度数が高い分欠点が隠されている。この蔵は、水源の小川を汚されたくないので、山全体を買い占めたほど水にはうるさかったが、当時は酒のなかに水源の枯葉臭が忍んでいたが、今では枯葉臭は無くなったが、水の力を誤解しているようだ。水処理をしっかりすれば磨かれた酒になるでしょう。

5.富士高砂酒造静岡県富士宮市)  純米吟醸  「」 生原酒
原料米;山田錦、 精米歩合;50%  【アルコール分】 17度 【日本酒度】+5 【酵母】静岡酵母   1.8L \3,463
 
A;味4、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4
E寸評;1年ものの古酒。甘ったるい旨味はあるが、苦味、渋みが有り、味のバランスがくずれてしまった。

6.神沢川酒造場(静岡市清水区)  純米大吟醸  「正雪」 生原酒
原料米;備前雄町、 精米歩合;45%  【アルコール分】 15〜16度 【日本酒度】0 【酸度】1.2    1.8L \4,320
 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価
E寸評;柔らかく、さわやかで、旨味充分で、力強く飲みやすい。毎年味わいが変わらず安心して飲める、吟醸酒の一つの頂点でしょう。

 

 

 


 

 

 

 

2015年5月30日(土)例会

 

1.阿桜酒造(秋田県横手市)  特別純米  「阿櫻」 無濾過生原酒
原料米;吟の精、精米歩合;60%  【アルコール分】 16度   1.8L \:2,592
 A;味3、B;香り3、C;コストパフォーマンス3、D;総合評価3
E寸評;キャップの金物をはずしたら、ポンと言ってキャップが飛んだ。生だから発酵が進んでしまったのか、バランスを崩し、純米酒の欠点がもろに出てしまった。今一歩の精進を。この価格なら後、ワンコイン(500円)足して、吟醸酒を楽しみたい。燗をしたが辛さが出て旨味は上がらなかった。

2.新澤醸造店(宮城県大崎市)  純米吟醸  「あたごのまつ」 
原料米;−、精米歩合;55%  【アルコール分】 16度   1.8L \:3,024
 A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4
E寸評;食中酒を極める新酒(ラベルより)。酒質優等生でもなく悪ガキでもない中庸。香りがキツく肴を殺し食中酒にはチョット無理がある。

3.盛田庄兵衛(青森県七戸町)  純米吟醸  「駒泉」 無濾過生原酒
原料米;華想い、 精米歩合;50%  【アルコール分】 18度   1.8L \3,043
 
A;味5、B;香り4+、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価4+
E寸評;旨味十分でさわやか。香りもさわやかで味わいまろやか。飲み手を飽きさせない。

4.斎藤酒造店(青森県弘前市)  純米吟醸  「六根ルビー」 無濾過生酒
原料米;秋田酒こまち、 精米歩合;60%  【アルコール分】 16度   1.8L \3,400
 
A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価4+
E寸評;味わいも香りも清楚。この味わいならどんな肴にも合う。

5.秋田清酒(秋田県大仙市)  純米吟醸  「やまとしずく」 生原酒
原料米;秋田酒こまち、 精米歩合;55%  【アルコール分】 16度   1.8L \:3,672
 
A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス3+、D;総合評価4
E寸評;遠心分離機搾り。純米酒の欠点が出ている。香りも酒質も力が無く淀んでいる。肩書きで酒の旨さは伝わってこない。

6.八戸酒造青森県八戸市)  純米大吟醸  「陸奥八仙」 生原酒
原料米;華想い、 精米歩合;50%  【アルコール分】 16度 【日本酒度】0 【酸度】1.5    1.8L \3,888
 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価5
E寸評;旨味が充満して飲み手を引きつける技を知っている。今日初めて純米吟醸の旨さを味わっている。しかし、味わいに力なく、この値段ではもう吟醸酒は味わえないのか。

 

 

 


 

 

2015年4月25日(土)例会

 

1.花の香酒造(熊本県和水町)  純米大吟醸  「花の香・桜花」 
原料米;山田錦、 精米歩合;50%  【アルコール分】 16度   1.8L \2,945
 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;さわやかな旨味が口中に広がる。何者にも媚びずその淡麗さは都会に出てきた生娘のように素敵な香りを振りまいています。


2.松屋酒造(群馬県藤岡市)  大吟醸  「流W(るか)責め」 おり生酒
原料米;−、 精米歩合;50%?  【アルコール分】 17度  1.8L \3,370
 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;濃いオリ酒ですから、先ずはおりが沈殿した上澄みだけを飲みますと、甘味が強くべたつく感じです。ビンのおりを混ぜて均一にし飲むと、先程の甘味は何処に行ったのでしょう、酸味が立って新酒のバランスが出てきた。また時間が経って改めて飲むと、酸味も消えてまろやかになった。ひとつの酒で3度美味しい変わり玉のように楽しむことが出来ます。


3.吉村秀雄商店(和歌山県岩出市)  純米大吟醸  「車坂」 責め生原酒
原料米;山田錦、 精米歩合;40%  【アルコール分】 16〜17度  1.8L \3,672
 
A;味4、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;酒色が濃くて生まれ出てから時間が経っている。味わい丸くなって古酒になる前の濃厚な味わいを醸しているが、キレがない。


4.酒田酒造(山形県酒田市)  大吟醸  「上喜元」 責め生原酒
原料米;山田錦、 精米歩合35%  【アルコール分】 17度  1.8L \3,672
 
A;味4、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;これも上記「車坂」と同じような味わいと酒色をしている。濃厚な味わいを醸しているが、キレがない。

 


5.日の丸醸造(秋田県横手市)  純米大吟醸  「十文字」 責め生原酒
原料米;雄町、 精米歩合;48%  【アルコール分】 16度   1.8L \3,672
 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;ピリリとまだ味わいこなれていない。しかし時間が経つと落ち着いて旨味を見せ始める。清楚で淡麗で飲み手に媚びず旨味充分。


6.北安醸造(長野県大町市)  大吟醸  「居谷里(いやり)」 責め無濾過生原酒
原料米;山田錦、 精米歩合;39%  【アルコール分】 17度 【日本酒度】+4 【酸度】1.2  【酵母】K1801号   1.8L \3,780
 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;旨い。味わいバランスして心地よい。酸味が口中を軽快に通り過ぎていく。この酒は責めの部分ですが、中取りを味わってみたい誘惑に取り付かれます。

 

 

 

 * 今回は「春の香」以外は『責め』の酒です。もろみから酒を搾るときに、力を加えずに自らほとばしってくる酒を『はなたれ』と言います。落ち着いて中程で出てくる酒を『中取り』と言い、ここまでは酒の成分がバランスしたものになります。通常、市販の酒はここまでで調整されます。最後に酒粕に残った部分を強引(?)に搾りきったのが『責め』です。どうしても酒の味わいが重く、雑味が多い、ひとランクどころか2〜3ランク下がった酒になりますので、通常蔵元では、自分たちが飲むか、普通酒に混ぜ込んだりして外には出てきません。しかし、ここで今回飲んだ責めの酒たちは元が最高級に造られた酒ですから、雑味だらけの酒とは違って旨さは充分に伝わってきます。蔵元の信用もありますからラベルは裏文字を使って区別しています。

 



 

 

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