最近呑んだ吟醸酒について
   

 

 

2017年4−6月分

 

   

§酒のトップページに戻る§  <ホームページへ>

 


 
  これからの話は消費者(飲み手)という立場で書いていきます。評論家や蔵元、酒屋の立場では見ていません。と言う事は、売りたいための宣伝はしませんし、太鼓持ちのような感想も書きません。また、音楽とか味覚とかいう物は大変抽象的で表現が難しいのですが、平易に書きたいと思います。

 よく、食べ物店の紹介記事で絶賛している物を食べると、首を傾げたくなる時が多々ありますし、テレビでリポーターが口に入れたとたん「うまい」と発言しているウソ等はここでは、しないように心がけています。 
  

◆月に一度の例会で飲んだ吟醸酒について、ズバリ、どういう酒か、皆様への判断基準を書きます。

 A;味、B;香り、C;コストパフォーマンス、D;総合評価を、各5点評価(5;最上 4;良 3;まあまあ 2;まだまだ 1;評価外)で表します。 総合評価3−(マイナス)以下ではもう一度買うかと言えば、考えてしまうレベル。2ではタダで贈られても困ってしまうレベル。 

 私の独断と偏見なしで評価し、E;寸評も入れます。なお、会での評価も、判断基準の参考にしています。また、評価はこの日に飲んだ吟醸酒の味で、次回も酒の性格上、ロットや時間が変れば同じとは言切れませんが、傾向としては、間違ってはいないと思います。

 <<  ここで飲まれている吟醸酒の購入元をお知りになりたい方は、メールをいただければ、早い時期(忘れない内)なら、販売店をご紹介できます。>>


 




 吟醸酒の会へのお誘い  

 

       ↑上のボタンを押すと、ご案内のコーナーに行けます。

 

 

◇イイお酒を、イイ友と、イイ肴と、イイ会話で月1回楽しむ会です。◇

 


2017年次回7月例会は、29日(土)です。

 

 

 



 

2017年6月24日(土)例会


 

1.松崎酒造店(福島県天栄村)  特別純米  「廣戸川」 
原料米;−、 精米歩合;55%  【アルコール分】 16度   1.8L \2,700
 A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4
E寸評;米の旨味が伝わってくるが、渋味が強くバランスに欠ける。


2.仙頭酒造場(高知県芸西村)  純米吟醸  「土佐しらぎく涼み」 
原料米;八反錦、 精米歩合;50%  【アルコール分】 14〜15度   1.8L \2,916
 A;味4+、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4+
E寸評;旨いが味わい淡泊で物足りない。料理屋さんで、そこの料理と合わせて吞むのであれば料理をいじめず、引き立てるのでベストでしょう。


3.萩野酒造(宮城県栗原市)  純米吟醸  「萩の鶴」 
原料米;−、 精米歩合;50%  【アルコール分】 15度   1.8L \3,024
 A;味4+、B;香り4、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価4+
E寸評;味わいバランスして旨さがあって、雑味も無く安心して呑める。淡麗な吟醸酒ですから、料理と共に安心して呑める。


4.川鶴酒造(香川県観音寺市)  純米吟醸  「川鶴」 原酒
原料米;−、 精米歩合;58%  【アルコール分】 14度   1.8L \3,240
 A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4
E寸評;渋味、酸味が口中を差す。バランスを欠いて清楚な味わいはなく、垢抜けしない。


5.小林酒造(栃木県小山市)  純米吟醸  「鳳凰美田」 生酒
原料米;赤磐雄町、 精米歩合;55%  【アルコール分】 16度   1.8L \3,672
 A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価4+
E寸評;バランスした丸い味が一番に口中を賑わすが、力が無くひ弱で、合わせる料理に負けてしまう。いつもの鳳凰美田らしさが無い。


6.仙頭酒造場(高知県芸西村)   純米吟醸  「美潮(みしお)」 
原料米;高知県産吟の夢、 精米歩合;50%  【アルコール分】 15〜16度   1.8L \3,780
 A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価4+
E寸評;バランスした味わいで奥深さを感じるが、雑味があってさわやかさが無く、今ひとつ訴える力にとぼしい。

 

 



 

2017年5月27日(土)例会


 

1.木村酒造(秋田県湯沢市)  特別純米  「福小町・号外編」 生原酒 
原料米;吟の精/めんこいな、 精米歩合;55%  【アルコール分】 17.5度 【日本酒度】+1 【酸度】1.5 【酵母】協会1801号  1.8L \2,916
 A;味5、B;香り4+、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;旨味充分でバランスしふくよか。この値段ではベストだが、やんちゃ娘の域を脱していない。毎年同じ味わいで、この季節の風物詩になっている。


2.来福酒造(茨城県筑西市)  純米吟醸  「来福」 生酒
原料米;北海道産吟風、 精米歩合;50%  【アルコール分】 16度 【日本酒度】0 【酸度】1.5 【酵母】東農短醸分離株  1.8L \2,961
 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;”ボン”と言う音と共に栓が天井まで飛んでいった。誰も誕生日ではなかったのに(笑)。シャンペンのように泡は出ず酒は静まりかえっていた。若干の酸味が感じられたが、酸味が抜けると旨さが立ち上がって、安心して手元に置いて呑める。


3.廣田酒造店(岩手県紫波町)  純米吟醸  「廣喜(ひろき)しぼりたて」 無濾過生原酒
原料米;吟ぎんが、 精米歩合;55%  【アルコール分】 16度  【酵母岩手2号
1.8L \ 3,292
 A;味4+、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価4+
E寸評;廣喜独特の酸味が口中に広がる。決して老香とは違う懐かしい味わいがある。その渋味というか酸味を除けば、旨さが広がり、味わい深いが、垢抜けしない。


4.八百新酒造(山口県岩国市)  純米吟醸  「雁木ノ弐」 無濾過生原酒
原料米;山田錦、 精米歩合;50%  【アルコール分】 17度   1.8L \3,456
 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;旨さ充分で清楚、味わいのバランスが取れていて室内楽を聞くよう。味わい過不足無く鼻の高さも、鼻の低さもない。


5.九重雑賀(和歌山県紀の川市)  純米大吟醸  「雑賀」 生原酒
原料米;山田錦、 精米歩合;麹米45/掛米50%  【アルコール分】 16度  1.8L \4,752
 A;味5、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価5
E寸評;旨い。旨いが甘い吟醸香と違って、春の青葉のような香り立つ青さがある。その香りが飲み手の好みを分ける。それぞれの味わいが強い個性を主張して落ち着きがない。


 

 



 

2017年4月29日(土)例会


 

1.林酒造(富山県朝日町)  純米吟醸  「」 生酒
原料米;五百万石、 精米歩合;55%  【アルコール分】 16度   1.8L \2,931
 A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4
E寸評;渋味と酸味が口中に残り、雑味がからまりさわやかさが無いのが残念。


2.飯沼本家(千葉県酒々井町)  純米吟醸  「一喜」  吊し搾り
原料米;−、 精米歩合;55%  【アルコール分】 17度 1.8L \3,024
 A;味4、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4
E寸評;ひとつ一つの味わいが立っていて、お互いに自己主張が激しくハーモニーが取れていない。しかし、一口含むと口中で初めて香りが立ち、これぞ吟醸という衣装をまとっている。


3.米鶴酒造(山形県高畠町)  吟醸  「吟醸三十四号」 生酒
原料米;美山錦、 精米歩合;50%  【アルコール分】 16度 【日本酒度】+2.0 【酸度】1.4 【酵母】山形酵母  1.8L \3,024
 A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス5+、D;総合評価4+
E寸評;甘く柔らかくのど元を過ぎていく。味わいバランスして旨味がある。ラベルは、この酒の規格というか素性がビッシリと書き込まれています。


4.米鶴酒造(山形県高畠町)  山廃純米大吟醸  「米鶴」 中取り生酒
原料米;出羽燦々、 精米歩合;50%  【アルコール分】 16度 1.8L \3,240
 A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価4+
E寸評;山廃の味わいなく、普通吞む速醸系の旨さがある。もろみを搾った酒の出端と最後の押切を除き、旨い部分(中取り)だけ瓶詰めしているからでしょう。しかし、唸らせるほどの旨さがいまいち伝わってこない。上記3で吞んだ「吟醸三十四号」と同じ蔵の酒です。


5.中島屋酒造場(山口県周南市)  純米吟醸  「中島屋」 
原料米;山田錦、 精米歩合;50%  【アルコール分】 15〜16度  1.8L \3,240
 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価4+
E寸評;1年物の熟成酒。古酒のイヤらしさが何処にも無く、三十路女の優しさがある。


6.中島屋酒造場(山口県周南市)  純米  「かね中」 
原料米;山田錦、 精米歩合;60%  【アルコール分】 15〜16度 1.8L \3,240
 A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4+
E寸評;びんのなかからこちらを覗く目があり(?)、心を開いてくれない。ではこちらから温かい目で見たら少しはこちらの意を介してくれるかとお燗をした。ぬる燗では、まだ意に沿わないのか、ごく普通の燗にしたら、心を開いて旨さが飛びだしてきた。何と燗酒の旨いことか。
上記5で吞んだ「中島屋」と同じ蔵の酒です。二人の個性の違いが現れている姉妹です。


 

 



 

 

 


 

  §酒のトップページに戻る§      <2016年10−12月に移動>   <2017年1−3月に移動>