最近呑んだ吟醸酒について
   

 

 

2020年1−3月分

 

   

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  これからの話は消費者(飲み手)という立場で書いていきます。評論家や蔵元、酒屋の立場では見ていません。と言う事は、売りたいための宣伝はしませんし、太鼓持ちのような感想も書きません。また、音楽とか味覚とかいう物は大変抽象的で表現が難しいのですが、平易に書きたいと思います。

 よく、食べ物店の紹介記事で絶賛している物を食べると、首を傾げたくなる時が多々ありますし、テレビでリポーターが口に入れたとたん「うまい」と発言しているウソ等はここでは、しないように心がけています。 
  

◆月に一度の例会で飲んだ吟醸酒について、ズバリ、どういう酒か、皆様への判断基準を書きます。

 A;味、B;香り、C;コストパフォーマンス、D;総合評価を、各5点評価(5;最上 4;良 3;まあまあ 2;まだまだ 1;評価外)で表します。 総合評価3−(マイナス)以下ではもう一度買うかと言えば、考えてしまうレベル。2ではタダで贈られても困ってしまうレベル。 

 私の独断と偏見なしで評価し、E;寸評も入れます。なお、会での評価も、判断基準の参考にしています。また、評価はこの日に飲んだ吟醸酒の味で、次回も酒の性格上、ロットや時間が変れば同じとは言切れませんが、傾向としては、間違ってはいないと思います。

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◇イイお酒を、イイ友と、イイ肴と、イイ会話で月1回楽しむ会です。◇

 


2020年次回4月例会は、25日(土)です。

 

 

 

 


 

 

2020年3月28日(土)例会


 

1.府中誉酒造(茨城県石岡市)  純米吟醸  「渡舟」 無濾過生酒
原料米;短稈渡船、 精米歩合;55%  【アルコール分】 15度  1.8L \3,278
 A;味4+、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5

E寸評;味わい豊かで旨い。雑味も無くバランス良く旨みがぎっしりと詰まっているが、旨いだろうという気持ちが全面に覗かれる。これだけ飲んでいれば満点でしょう。



2.英君酒造(静岡市清水区)  特別純米  「英君」 袋吊りしずく
原料米;静岡産誉富士、 精米歩合;60%  【アルコール分】 16度 【日本酒度】+3 【酸度】1.5 【酵母】静岡NEW-5 1.8L \3,300
 A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4

E寸評;味わいは古酒で色濃くざらつく。決して老成香はしないが、ラベルに有るように燗をしてみた。常温の方が旨みを感じるが、ザラツキは取れたが味わいあまり変わらず、東京の冷え込んだ夜には、温かさが身体と心を温める。


3.旭酒造(山口県岩国市)  純米大吟醸  「獺祭」 
原料米;−、 精米歩合;45%  【アルコール分】 16度  1.8L \3,421
 A;味4+、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5

E寸評;清楚で品性良く味わい深い。しかしここまで磨いてしまうと、米の旨み、酒の旨みが感じられず、何か旨みを濾し取ってしてしまったような淡泊な味わいで残念。個性が無いだけ、万人受けし贈答には良いのでしょう。



4.八百新酒造(山口県岩国市)  純米吟醸  「雁木」 無濾過生原酒
原料米;−、 精米歩合;50%  【アルコール分】 17度  1.8L \3,630
 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5

E寸評;新酒で、味わい清楚で、酒の中に旨さのハーモニーが有る。蔵元が獺祭と同じ市に有りながら別の生き方をしていて、好感が持てる。



5.神沢川酒造場(静岡市清水区)  純米吟醸  「正雪・山影純悦」 
原料米;山田錦、 精米歩合;50%  【アルコール分】 16〜17度 【日本酒度】+3 【酸度】1.3  1.8L \3,666
 A;味3+、B;香り3、C;コストパフォーマンス3、D;総合評価3+

E寸評;3年前の古酒。正雪としては考えられないような力の無い味わいで、どうしたことでしょう。華やぎも活力も無い、在庫整理でしょうか、ここまでの大年増な酒では、二度目は買わない。

 

 

 


 

 

2020年2月29日(土)例会


 

1.松井酒造店(栃木県塩屋町)  純米  「まつのことぶき」 燗酒
原料米;とちぎ酒14、 
精米歩合;88%  【アルコール分】 16度 【日本酒度】+2.5 【酸度】1.8 【酵母】K601  1.8L \2,530
 A;味4、B;香り3、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4

E寸評;一年物の燗酒なので上燗(45℃近辺)にして呑んだ。燗酒の旨さが伝わってこない。常温で飲んだ方が味わいバランスして飲みやすいが、昔ながらの味わいで、垢抜けはしていない。


2.浅舞酒造(秋田県横手市)  純米大吟醸  「天の戸」 無濾過生酒
原料米;秋田県酒造米、 精米歩合;45%  【アルコール分】 16度 【日本酒度】+2 【酸度】1.5 【酵母】蔵酵母 1.8L \3,245
 A;味4、B;香り5、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4

E寸評;ラベルの肩書きを信じてはいけない。コストは掛かっているのでしょうが、酸味がきつく味わいのバランスを崩し、次の一杯に手が出ない。


3.大納川(秋田県横手市)  純米吟醸  「天花(てんか)」 無濾過生原酒
原料米;酒こまち、 精米歩合;55%  【アルコール分】 17度  1.8L \3,300
 A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4

E寸評;渋みがキツく酒のバランスを崩し旨みが犠牲になっている。デカンターに入れて空気と合わせたが味わい変わらず。「天の戸」、「天花」共に造りを変えない限り、時代から取り残されてしまうでしょう。


4.九重雑賀(和歌山県紀の川市)  純米吟醸  「雑賀」 ひやおろし
原料米;雄町、 
精米歩合;55%  【アルコール分】 16度  1.8L \3,300
 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5

E寸評;雄町の旨さと、バランスした旨さの中に、オーケストラの様に味わいの一つ一つが節度を持って全体の旨さを引き上げている。雑賀はいつでも買うことが出来、いつでも外れることが無い安心して呑める佳酒。


5.三浦酒造(青森県弘前市)  純米吟醸  「豊盃」 生酒
原料米;豊盃米、 
精米歩合;55%  【アルコール分】 15度  1.8L \3,575
 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5

E寸評;バランスした旨さ。清楚で深みの中に上品さが見える。マスコミでも取り上げられ、なかなか買えない酒になってしまった、それがこの酒最大の欠点。

 

 


 

 

2020年1月25日(土)例会


 

1.五十嵐酒造(埼玉県飯能市)  純米  「風翠(かざみどり)」 無濾過生原酒
原料米;−、 精米歩合;65%  【アルコール分】 17度  1.8L \2,970
 A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4

E寸評;酸味がきつく、旨みが口中に広がる前に、旨みに蓋をしてしまう。また、この酸味が口中から離れない。

2.花の香酒造(熊本県和水町)  純米大吟醸  「花の香・桜花」 
原料米;山田錦、 精米歩合;50%  【アルコール分】 16度  1.8L \3,000
 A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価4+

E寸評;五味それぞれ際立って、それが主張しあって譲らず、旨みのバランスが取れない。

3.大塚酒造(岐阜県池田町)  純米  「竹雀」 無濾過生原酒
原料米;山田錦/五百万石、 精米歩合;60%  【アルコール分】 17〜18度 【日本酒度】+5 【酸度】2.0 【酵母】協会7号  1.8L \3,080
 A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価4+

E寸評;色濃く、香り高いが、味わいバランスせず旨みから酸味までがそれぞれの個性を主張して、一つになれない。


4.天領盃酒造(新潟県佐渡市)  純米吟醸  「雅楽代(うたしろ)」 生原酒
原料米;五百万石、 
精米歩合;60%  【アルコール分】 16度  1.8L \3,300
 A;味5、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価5

E寸評;バランスした中に旨さが有る。五味それぞれが相手を立て、旨さが倍加している。ラベルの表示に、純米吟醸と精米歩合の表示が無かったので、蔵元に電話して確認した。堂々と自信を持って表示して欲しい。


5.富美菊酒造(富山市百塚)  純米吟醸  「富美菊・プロトタイプ炎」 生酒
原料米;−、 精米歩合;60%  【アルコール分】 15度  1.8L \3,462
 A;味4、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4

E寸評;味わいバランスしているが、酒に力が無い。仕込みの違いか、アルコール度数の低さか、精米歩合の低さか。

 

 


 

 

 

 

 


 

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