◇◇◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ □□□         □□□  ■■■ 吟醸酒ニュース ■■■最近飲んだ吟醸酒についての報告・創刊号   □□□         □□□                         月刊誌Vol.001  2000/5/6発行 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◇◇   毎月1回吟醸酒を会で飲んでいます。有名無名の吟醸酒をリポートします。   吟醸酒について、これからの話は消費者(飲み手)という立場で毎月1回書 いていきます。評論家や蔵元、酒屋の立場では見ていません。また、音楽とか 味覚とかいう物は大変抽象的で表現が難しいのですが、平易に書きたいと思い ます。 よく、食べ物店の紹介記事で絶賛している物を食べると、首を傾げた くなる時が多々ありますし、テレビでリポーターが口に入れたとたん「うまい」 と発言しているウソ等はここでは、しないように心がけています。   ◆月に一度の例会で飲んだ吟醸酒について、ズバリ、どういう酒か皆様への 判断基準を書きます。   A;味、B;香り、C;コストパーホーマンス、D;総合評価を、各5点評 価(5;最上 4;良 3;まあまあ 2;まだまだ 1;評価外)で表しま す。 総合評価3−(マイナス)以下ではもう一度買うかと言えば、考えてし まうレベル。2ではタダで贈られても困ってしまうレベル。   私の独断で辛口評価し、E;寸評も入れます。なお、会での評価も、判断基 準の参考にしています。また、評価はこの日に飲んだ吟醸酒の味で、次回も酒 の性格上、ロットや時間が変れば同じとは言切れませんが、傾向としては、間 違ってはいないと思います。  >>ここで飲まれている吟醸酒の購入元をお知りになりたい方は、メールをい ただければ、早い時期なら、販売店をご紹介出来ます。(忘れない内に)<<         ■■リポート■■ 4/29飲酒 ■1.泉金酒造(岩手県) 龍泉八重桜 「大吟醸」   原料米;山田錦 精歩合;40%  【日本酒度】+4 【酸度】1.4  【使用酵母】協会9号 720ml  \3,000(税込み) A;味4+、B;香り4+、C;コストパーホーマンス4、D;総合評価4 E寸評;今年度(平成11酒造年度)の全国新酒鑑評会金賞受賞酒。  肩書きからすると、期待するなと言われても無理な話で有るが、先入観無し に飲むと、香りは9号らしく華やかフルーティーで、味は山田錦の典型的な軽 快爽やかで申し分ないが、若干の雑味と品性の無さが寂しい。絵画で言うと大 変上手に描かれているのだが、教科書的でそこに感動や作者の意気込み気迫が 感じられ無い。         ■2.小林酒造(栃木県小山市) しずく絞り純米吟醸 無濾過生原酒「鳳凰 美田」   原料米;美田地区産若水米 【アルコール分】19.0〜20.0度 1.8L  \3,000 A;味4、B;香り4、C;コストパーホーマンス4、D;総合評価4 E寸評;2月に飲んだものとは違い、原料米も違う原酒である。  確かに美味しい、本当に美味しいがどこか物足りない風情がある。味わいの 豊かさ香りの華やかさどれを取っても申し分ないのだが、奪い合うような魅力 や最後の一押しがない。       ■3.河野合名(会津若松市) 山廃純米原酒「春高楼」    原料米;五百万石 精米歩合;60% 【日本酒度】+2.0【酸度】1.9 【アルコール分】17.5度   1.8L @2,800       A;味3(4)、B;香り3(4)、C;コストパーホーマンス3(4)、 D;総合評価3+(4) E寸評;1月に飲んだ古酒とは違い、原料米も違う純米原酒である。  前回の古酒の品の良さ、清楚さからすると、純米酒の欠点が出ていて純米酒 らしさの鈍重な味が浮き彫りになったようで、一段落ちる。精米歩合の60% が吟醸酒の爽やかさ飲み易さを殺していると思われる。  しかし、翌日改めて飲むと、前日の評価がウソのように、変身しているのに 驚く。良いワインが開栓されて直ぐの味はパットしないが、時間が過ぎて”空 気と結婚”すると良いワインに変身するように、この吟醸酒も良い方に変化し た模様だ。ここまで変化する吟醸酒も滅多にない。カッコ内が翌日の評価。味 は酸味が少々口中に残るが、旨味成分を完全に絞り出し、フルーティーな香り は申し分ない。      ■4.土田本店(群馬県利根郡) 熟成(1997年度製造)純米吟醸 原酒 「隠し扉」   原料米;華吹雪 精米歩合;55%  1.8L \2,000  A;味3、B;香り3、C;コストパーホーマンス3、D;総合評価3 E寸評;3年古酒で、ピークを正に超そうとしている状態の酒である。 味は昔から有る普通酒に近く、香りはひね香が出始めているし、色も古酒です というような色を呈している。普通酒を飲み成れた人からすれば、大変飲みや すい優れた酒に感じるが、吟醸酒を飲み成れた人からすると、感心はしない。           ■5.本江酒造(富山県魚津市) 純米吟醸生 「花夕月」  原料米;山田錦 精米歩合;50%  1.8L  \3,200 A;味4+、B;香り5、C;コストパーホーマンス4+、D;総合評価4+ E寸評;当会のハイレベルな吟醸酒の基準酒として今回も飲む。  いつ飲んでも味香り共に安定しており安心して飲める佳酒である。が、今回 は少々趣が違っていた。今までは、熟成芳醇な吟醸酒であったが、この瓶は新 酒であろうか、ベースの味わいは同じであるが、新酒独特の炭酸性の軽快な酸 味と品性豊かな味わいは群を抜いている。またフルーティーな吟醸香がたまら ない。      以上5品、内3品が原酒です。 ★最後までご購読ありがとうございました。次回も又よろしく、お願いします。  次回5/28発行予定 ホームページで、もっと詳しいことを書いています。 http://www2.ttcn.ne.jp/~ginjo/ です。 E−メール:ginjo@mx4.ttcn.ne.jp ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー   =編集後記=  この号が創刊号で、ヨチヨチ歩きです。  みなさまの暖かいご叱責で、良き紙面に末永く発展させて行きたいと願って います。                               編者:吟醸 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー