◇◇◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ □□□□         □□□□  ■■■■ 吟醸酒ニュース ■■■■   近飲んだ吟醸酒についての報告   □□□□         □□□□                         月刊誌Vol.02  2000/5/29発行 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◇◇   毎月1回吟醸酒を会で飲んでいます。有名無名の吟醸酒をリポートします。   吟醸酒について、これからの話は消費者(飲み手)という立場で毎月1回書 いていきます。評論家や蔵元、酒屋の立場では見ていません。また、音楽とか 味覚とかいう物は大変抽象的で表現が難しいのですが、平易に書きたいと思い ます。 よく、食べ物店の紹介記事で絶賛している物を食べると、首を傾げた くなる時が多々ありますし、テレビでリポーターが口に入れたとたん「うまい」 と発言しているウソ等はここでは、しないように心がけています。旨いものは 旨いと、不味いものにはハッキリ不味いと言います。   ◆月に一度の例会で飲んだ吟醸酒について、ズバリ、どういう酒か皆様への 判断基準を書きます。   A;味、B;香り、C;コストパーホーマンス、D;総合評価を、各5点評 価(5;最上 4;良 3;まあまあ 2;まだまだ 1;評価外)で表しま す。 総合評価3−(マイナス)以下ではもう一度買うかと言えば、考えてし まうレベル。2ではタダで贈られても困ってしまうレベル。   私の独断で辛口評価し、E;寸評も入れます。なお、会での評価も、判断基 準の参考にしています。また、評価はこの日に飲んだ吟醸酒の味で、次回も酒 の性格上、ロットや時間が変れば同じとは言切れませんが、傾向としては、間 違ってはいないと思います。  >>ここで飲まれている吟醸酒の購入元をお知りになりたい方は、メールをい ただければ、早い時期なら、販売店をご紹介出来ます。(忘れない内に)<<         ■■リポート■■  2000年5月27日(土)飲酒           ■1. 神沢川酒造場 (静岡県庵原郡由比町)  純米大吟醸 「正雪」  雄町   原料米;備前雄町  精米歩合;45% 【日本酒度】-1【酸度】1.3  【使用酵母】静岡HD-1 10号系 【アルコール分】15〜16度 1.8L \4,200(税込) A;味4、B;香り3+、C;コストパーホーマンス4、D;総合評価4 E寸評;純米酒独特の大きな欠点がなく、また純米独特の喉ごしの切れはない が、ふんわり感、言い換えれば純米を飲んでいるという実感がある。香りは微 少。 次に出てくる”喜久酔”ともどもこれだけ飲んでいれば大変イイ造りの優等生 に仕上がった吟醸酒であるが、不幸かな利き酒での飲み比べの場では個性が少 ないものは損をする。            ■2.青島酒造(静岡県藤枝市)  喜久酔(きくよい) 吟醸「生」    【原料米】 山田錦50%(麹)・豊錦57%(掛)  【アルコール分】 15〜 16度  【日本酒度】 +2〜+5  【酸度】 1.1〜1.4 【使用酵母】静岡 酵母   1.8L  \3,110   A;味3+、B;香り4、C;コストパーホーマンス4、D;総合評価4 E寸評;香りの奥ゆかしさが、味へのアプローチを手引きする。アルコール臭 が若干する中、辛口のサラリ感が米の旨みを引き立て、肴を選り好みせず何に でも良く合う味わいを持っている。アルミの瓶カバーに入ったディスプレーは 保存を考えると好感が持てる。 使用酵母の静岡酵母の影響か”正雪”ともども、蔵元や酒造米が違うのに香り、 味共に非常によく似ている。                   ■3.酒田酒造(山形県酒田市) 特別純米ひやおろし 「上喜元(じょうき げん)」   原料米;雄町  精米歩合;60% 1.8L  \2,900     A;味4+、B;香り4、C;コストパーホーマンス4+、D;総合評価4 E寸評;新緑の青葉の中に寝ころび青空の中の白い雲を見ているような、自然 の中の恵みを一つ飲み込んだ様な気持ちになれる。新緑の青葉の香りと爽やか なナチュラルな味わいは透明感があって気分を良くする。後で純米と気付く程 造りや能書きとは関係なく味わいある吟醸酒に仕上がっている。                      ■4.銀盤酒造(富山県黒部市) 山田錦大吟醸酒 「ゆとり」    原料米;山田錦 精米歩合;45%  【日本酒度】+5 【酸度】1.3  【アルコール分】15〜16度1.8L \2,400 A;味4+、B;香り4、C;コストパーホーマンス5、D;総合評価4+ E寸評;雑味が無くさわやか端麗清楚。喉ごしの良さと口中に残る酒の旨みが 戻り香に増幅されて素晴らしい。  2月に飲んだ「しぼりたて」が素晴らしかったので、再度同蔵元の吟醸酒を 飲むが、裏切られず幸せである。当日後から出したにもかかわらず最初に空に なったもの(人気1番)。原料米;山田錦 精米歩合を見てもこの値段で出し てくる蔵元に拍手、拍手。                ■5.白鶴酒造(神戸市東灘区)  白鶴「大吟醸酒 原酒」 原料米;山田錦 精米歩合;50%  【日本酒度】+3 【酸度】1.5  【アルコール分】17〜18度 720ml  \2,000 A;味3、B;香り3−、C;コストパーホーマンス3−、D;総合評価3− E寸評;99/11月のゴム印がありひね香が出ていて味が腰砕けになって劣 悪な状況を呈している。しかし味は山田錦の貫禄と重厚な深みはさすが腐って も鯛とはこの事か。出荷日に飲みたかった。  この吟醸酒に対して味の変化が起こった原因がこれではないかと言う事があ ります。酒販店の販売までの在庫日数からして約半年、その間棚に陳列されて いて保冷庫の中ではなかった為、陳列上目立つ日当たりの良いところで温度管 理もされず最悪のパターンになったと思われる。販売店の管理が最悪だからと いって、蔵元が免責されるものでは無く、缶ビールはちゃんと大きな保冷庫に 鎮座しているところを見ればビール会社の販売店への商品管理の教育が行き届 いている様子が良く判る(自分の商品がかわいければ当然消費者に渡るまで気 心を使うもの)。蔵元も出荷してしまえばお終いではなく、消費者に冷蔵庫に 入れてと言う前に酒販店に充分管理方法を責任を持って教育してほしいと思う。 簡単には落下注意とか破損注意のラベルと同様「冷蔵庫保管必須」等のラベル や赤紙の注意書きを添付するなど、簡単なことから始められると思う。いかが ですか? こんないい加減な管理の酒を、次回も消費者は買うと思いますか? 蔵元さん。日本の酒を牽引する白鶴酒造さんなら出来ると思うのですが。 ◆吟醸酒でも造りの良いもの悪いもの、商品管理の良いもの悪いもの、まちま ちです。この違いをオモシロイというか、悲しむべきかによって、今後の日本 酒のシェアーに大きく影響が出るでしょう。 ★最後までご購読ありがとうございました。次回も又よろしく、お願いします。  次回6/26頃発行予定 ホームページで、もっと詳しいことを書いています。 http://www2.ttcn.ne.jp/~ginjo/ です。 E−メール:ginjo@mx4.ttcn.ne.jp ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー   =編集後記=  この号が2号で、まだヨチヨチ歩きです。  みなさまの暖かいご叱責で、良き紙面に末永く発展させて行きたいと願って います。                               編者:吟醸 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー