◇◇◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ □□□□         □□□□  ■■■■ 吟醸酒ニュース ■■■■  最近飲んだ吟醸酒についての報告   □□□□         □□□□                         月刊誌Vol.03  2000/6/26発行 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◇◇   毎月1回吟醸酒を会で飲んでいます。有名無名の吟醸酒をリポートします。   吟醸酒について、これからの話は消費者(飲み手)という立場で毎月1回書 いていきます。評論家や蔵元、酒屋の立場では見ていません。また、音楽とか 味覚とかいう物は大変抽象的で表現が難しいのですが、平易に書きたいと思い ます。 よく、食べ物店の紹介記事で絶賛している物を食べると、首を傾げた くなる時が多々ありますし、テレビでリポーターが口に入れたとたん「うまい」 と発言しているウソ等はここでは、しないように心がけています。旨いものは 旨いと、不味いものにはハッキリ不味いと言います。   ◆月に一度の例会で飲んだ吟醸酒について、ズバリ、どういう酒か皆様への 判断基準を書きます。   A;味、B;香り、C;コストパーホーマンス、D;総合評価を、各5点評 価(5;最上 4;良 3;まあまあ 2;まだまだ 1;評価外)で表しま す。 総合評価3−(マイナス)以下ではもう一度買うかと言えば、考えてし まうレベル。2ではタダで贈られても困ってしまうレベル。   私の独断で辛口評価し、E;寸評も入れます。なお、会での評価も、判断基 準の参考にしています。また、評価はこの日に飲んだ吟醸酒の味で、次回も酒 の性格上、ロットや時間が変れば同じとは言切れませんが、傾向としては、間 違ってはいないと思います。  >>ここで飲まれている吟醸酒の購入元をお知りになりたい方は、メールをい ただければ、早い時期なら、販売店をご紹介出来ます。(忘れない内なら)<<         ■■リポート■■  2000年6月24日(土)飲酒           ■1.府中酒造 (茨城県石岡市) 太平海 ”濾過前取り” 「純米吟醸 40日もろみ」生詰     原料米;五百万石  精米歩合;50%  【日本酒度】+2 【酸度】1.4  【使用酵母】 協会9号系 【アルコール分】15〜16度  1.8L \3,420(税込・送料別) A;味5、B;香り4+、C;コストパーホーマンス5、D;総合評価5 E寸評;低温11度で41日にわたり、ゆっくりと発酵させた吟醸もろみをア ルコール添加することなく、昔ながらの酒槽(ふね)にてじっくりと搾った純 米吟醸酒です。(説明文より)  米の味が充分引き出され柔らかくふくいくとした旨み、奥行きと華やかでは あるが押しつけがましく無い香り、どこをとっても申し分ない品質に仕上がっ ている。その上品性豊かで飲みやすく、こんなに人当たりが良く、世間のアカ にまみれて居ないご婦人に会えたら幸せであろう。しかし既にこの酒で出会え ている。幸せ〜。もう一献。後に出てくる金賞受賞酒 に負けない力を持ってい る。           ■2.國香酒造  (静岡県袋井市) 國香(=こっこう)大吟醸「中汲み」 2000年限定  原料米;兵庫県播州小野市産山田錦  精米歩合;40%   【日本酒度】+9.0 【酸度】1.3 【使用酵母】静岡酵母HD−1 【アルコ ール分】16.5度  1.8L \5,980(税込) 限定30本 A;味5、B;香り5、C;コストパーホーマンス4+、D;総合評価5 E寸評; 「中汲み」とは醪(もろみ)を汲み出して、昔ながらの酒槽(ふね) (大きな四角い箱のような物)による搾りの方法を言います。 國香の場合、約2,000Lのもろみを10Lくらいずつ酒袋に詰めて、酒槽に交互に 積み重ねていきます。この間に最初に出てくる白く濁った清酒を「荒走り(あ らばしり)」といいます。さらに酒袋を積み上げていきますと自らの重さで、 清酒が自然の圧力によって出てきます。このお酒を中汲み・中取り・中垂れ (なかだれ)と言います。(酒販店談)  旨い。これも前項「太平海」と同じように旨い。違いとすれば辛口でアル添 された分だけ度数が高く、香り立ちも華やかで、喉ごしの切れはさすがである。 雑味も無く品性豊かで、申し分のない出来に仕上がっている。  がぶがぶ飲 む酒ではなく、1日の幸せをかみしめながら飲む吟醸酒である。限定30本とは 何事か?いつも飲める状態で供給してほしい。が、もう一献。これも後に出て くる金賞受賞酒に決して負けない力を持っている。             ■3.長谷川酒造  (新潟県長岡市) 大吟醸 越後「雪紅梅」金賞受賞酒  原料米;麹米・掛米 山田錦  精米歩合;40%  【日本酒度】+5  【酸度】1.3 【使用酵母】 試験場 吟醸酵母 【アルコール分】17.4度 720ml 3,000円(税別) 全国限定 1200本 A;味5、B;香り5、C;コストパーホーマンス4+、D;総合評価5 E寸評; 5月の全国新酒鑑評会に金賞受賞の栄誉に輝いた金賞受賞酒。   肩書きに騙されない本物の吟醸酒である。能書きはいらない。ただ黙って飲む のみ。今、幸せの極致にいる。美人て徳だよな〜、側にいるだけで幸せになれ る。でもここで、それを飲んでる〜。(・o・) 目が点になっています。             ■4.吉田酒造店 (石川県松任市)  酒魂大吟醸 「手取川正宗」  生酒  全国新酒鑑評会金賞受賞酒  原料米;麹米・掛米 山田錦 精米歩合;35% 【日本酒度】+6【酸度】 1.3 【使用酵母】協会14号  【アルコール分】17.5度 モロミ 日数 32日  仕込水 中硬水(手取川伏流水) 720ml 2,913円(税別) A;味5、B;香り5、C;コストパーホーマンス4+、D;総合評価5 E寸評;?前記「雪紅梅」と比べると香り立ちが華やかであるがひつこくない。 これも前記同様肩書きに騙されない本物の吟醸酒である。能書きはいらない。 ただ黙って飲むのみ。幸せの極致にいる。美人て徳だよな〜、側にいるだけで 幸せになれる。でもここで、それを飲んでる〜。(・o・) 目が点になっています。                      ■5.岩村醸造(岐阜県岩村町) 大吟醸 「女城主」 酒鑑評会金賞受賞酒 原料米; 山田錦  精米歩合;35%  【酸度】1.2 【使用酵母】 FIA−U  【アルコール分】17.9度 モロミ日数 42日  720ml 1,667円(税別) A;味5、B;香り5、C;コストパーホーマンス5、D;総合評価5 E寸評;これも前記同様肩書きに騙されない本物の吟醸酒である。能書きはい らない。ただ黙って飲むのみ。幸せの極致にいる。美人て徳だよな〜、側にい るだけで幸せになれる。でもここで、それを飲んでる〜。(・o・)目が点になっ ています。ウフィ・ウハ!。  ここで前記2本と違うところがあります。販売店で40種ぐらい並んでいる 中で価格が他社の金賞受賞酒は平均3000円クラス、\6000〜\2000の幅の中で1 番安い吟醸酒を求めたのです。でも当たりです。蔵元の熱意を感じます。蔵元 バンザイ ヽ(^o^)丿  ラベルはワープロでコピーした物、見てくれで損をし ている。でもいいじゃないか、安くて旨ければ。           ■6.稲森酒造(三重県) 大吟醸 「出世鶴」 酒鑑評会金賞受賞酒  原料米;・精米歩合;不明【アルコール分】17〜18度? 500ml 1,333円 (税別) A;味5、B;香り5、C;コストパーホーマンス5、D;総合評価5 E寸評;これも前記同様肩書きに騙されない本物の吟醸酒である。能書きはい らない。ただ黙って飲むのみ。幸せの極致にいる。美人て徳だよな〜、側にい るだけで幸せになれる。でもここで、それを飲んでる〜。(・o・)目が点になっ ています。一同、ほっぺたが落ちて、無くなっています。  ここでも、販売店で1番安い吟醸酒を求めたのです。でも金賞受賞酒ですか ら当然当たりです。蔵元の熱意を感じます。蔵元バンザイ ヽ(^o^)丿その上、 箱付きです。やれば出来るのです。                  ■7.本江酒造(富山県魚津市) 吟醸生酒「かげろうの花」   原料米; 山田錦60% 五百万石40%  精米歩合;50% 【日本酒度】 +3 【酸度】1.2 【使用酵母】協会9号 【アルコール分】15.5度  モロミ日数 25日  1.8L 2,720円(税別) A;味4、B;香り4、C;コストパーホーマンス4+、D;総合評価4 E寸評;1年ぶりに再会する。いつものように決まった味と香り不安無く飲め る唯一の吟醸酒。今回は、すさまじいばかりの美女連に囲まれ影の薄くなると ころがあり可哀想だが、今月は異常である。この私もびっくりである。家に帰 りゆっくり味わえばやっぱり美女である。                     ◆今回飲んだ吟醸酒4本(No.3〜6)はどれも今年度・全国新酒鑑評会出 品酒、金賞受賞酒でYK35、すなわち山田錦・協会9号酵母・35%精米歩 合の典型的な吟醸酒で味は甲乙付けがたく、当然みんな似た様な味わいを持っ ていた、最高級ランクの吟醸酒であった。ブラインドテストでは蔵元の差は見 受けられないほど似通っていた。  品質は同じなのに、価格は蔵元によりまちまちであったが、そこに蔵元の姿 勢が感じられた。    鑑評会で言う旨い酒(金賞受賞酒)とはどういう物かが判ったような気がす る。酒質は皆似ており、4本とも”クローン”ではないかと思われるほどであっ た。酒質も個性も全て同じ。かえって金賞を逃した入賞酒の中に個性的で面白 い吟醸酒が有ったのではないか?と思われた。欲張った話?! −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−              ◆5月に飲んだ白鶴「大吟醸酒 原酒」について蔵元との話し合いの中で、分 かってきたことがあります。それは、  日本酒業界の生産者と流通業者とがばらばらで、生産者は流通業者に任せて しまえばその後は分からず、また流通業者は簡単で利益の高い物に偏向して、 日本酒の置かれている大変な現実をまだ認識できていないようだ。または、見 て見ぬ振りをしているのかも知れない。「だめならビールでも焼酎でもワイン でも有るさ」とでも思っているように見える。両者とも目先のことで手一杯で、 真の日本酒の有るべき姿がどうあるべきか、これからの日本酒の展望が見えて いない。結果、ここ5年間で生産量言い換えれば消費量を約2割も落とすとい う、大変なことになって表れている。 ★最後までご購読ありがとうございました。次回も又よろしく、お願いします。  次回7/25頃発行予定 ホームページで、もっと詳しいことを書いています。お立ち寄りの上、足跡 を残して下さい。 http://www2.ttcn.ne.jp/~ginjo/ です。 E−メール:ginjo@mx4.ttcn.ne.jp ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー   =編集後記=  鑑評会で言う旨い酒(金賞受賞酒)に囲まれ、澄まし顔の美女連との幸せな 反面、近所のおねえさん的な吟醸酒とゆっくり飲みたいとは、私も贅沢すぎる?  日本酒業界の低迷はまだまだ続くものと確信した、悲しい現実を見ました。  みなさまの暖かいご叱責で、良き紙面に末永く発展させて行きたいと願って います。                               編者:吟醸 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー