◇◇◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ □□□□         □□□□  ■■■■ 吟醸酒ニュース ■■■■    最近飲んだ吟醸酒についての報告   □□□□         □□□□                           月刊誌Vol.05  2000/8/28発行 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◇◇   毎月1回吟醸酒を会で飲んでいます。有名無名の吟醸酒をリポートします。   吟醸酒について、これからの話は消費者(飲み手)という立場で毎月1回書いて いきます。評論家や蔵元、酒屋の立場では見ていません。また、音楽とか味覚とか いう物は大変抽象的で表現が難しいのですが、平易に書きたいと思います。 よく、 食べ物店の紹介記事で絶賛している物を食べると、首を傾げたくなる時が多々あり ますし、テレビでリポーターが口に入れたとたん「うまい」と発言しているウソ等 はここでは、しないように心がけています。旨いものは旨いと、不味いものには ハッキリ不味いと言います。   ◆月に一度の例会で飲んだ吟醸酒について、ズバリ、どういう酒か皆様への判断 基準を書きます。   A;味、B;香り、C;コストパーホーマンス、D;総合評価を、各5点評価 (5;最上 4;良 3;まあまあ 2;まだまだ 1;評価外)で表します。  総合評価3−(マイナス)以下ではもう一度買うかと言えば、考えてしまうレベ ル。2ではタダで贈られても困ってしまうレベル。   私の独断で辛口評価し、E;寸評も入れます。なお、会での評価も、判断基準の 参考にしています。また、評価はこの日に飲んだ吟醸酒の味で、次回も酒の性格上、 ロットや時間が変れば同じとは言切れませんが、傾向としては、間違ってはいない と思います。  >>ここで飲まれている吟醸酒の購入元をお知りになりたい方は、メールをいただ ければ、早い時期なら、販売店をご紹介出来ます。(忘れない内なら)<<         ■■リポート■■  2000年8月26日(土)例会          ■1.佐久の花酒造(長野県南佐久) 特本無ろ過生原酒「佐久乃花」 原料米; 新美山錦  精米歩合;55%   【アルコール分】18〜19度  1.8L   2,300円(税別) A;味5、B;香り4+、C;コストパーホーマンス5、D;総合評価4+ E寸評;前月の純米酒が良かったので、それと違い今回はアルテン酒を呑む。 旨いの一言。この値段で最高。吟醸酒とうたわず、特別本醸造酒としているとこ ろが、なんとも奥ゆかしい。辛口傾向の吟醸酒が多い中、甘口のゆったりした旨 さと、喉ごしの切れは抜群である。香りもシャンとしており申し分ない。しかし、 200本の少量しか在庫が無いというものだが、今後大いに、この値段で増産し てほしい。             ■2.福田酒造(山形県酒田市) 上喜元 吟醸「八反錦」 原料米;八反錦   精米歩合;50%   【酵母】AK−1  1.8L 3,000円(税別) A;味4+、B;香り4+、C;コストパーホーマンス4+、D;総合評価4+ E寸評;これも雑味も無く素直なたたずまいをした佳酒である。一口目の軽くう ごめく酸味が快く口中を駆け回るが、収まった後で旨みと、戻り香がジワ〜と押 し寄せてくる。この酸味は新酒の暴れているときによく見られるもので、この吟 醸酒はあと半年または1年寝かせたら、深い味わいとなる、素質を秘めた吟醸酒 である。         ■3.司菊酒造(徳島県) 司菊 吟醸「生貯蔵酒」 新酒鑑評会出品酒   原料米 精米歩合;不明  【アルコール分】14〜15度  720ml   1,380円(税別) A;味3、B;香り3、C;コストパーホーマンス3、D;総合評価3 E寸評;新酒鑑評会入賞酒と言う、肩書きからするとホント?と言いたくなる、 ごく普通の特徴のない吟醸酒である。アルコール度数が低くシャバシャバ感が拭 いきれず、全ての旨み成分も香りも薄まってしまったようだ。アルコール臭もす る。            ■4.丸世酒造店(長野県中野市) 勢正宗 原酒「大吟醸」 関東信越国税局 新酒鑑評会優秀賞酒  原料米;精米歩合;不明  【アルコール分】17〜 18度  720ml 2,381円(税別) A;味4+、B;香り4、C;コストパーホーマンス4+、D;総合評価4+ E寸評;YK35でないかと思われる。味香り共にバランスが取れた辛口吟醸酒 で、呑んでいても杯が重なる。軽快な旨みと爽やかな吟醸香が安心して付き合え る佳酒。                ■5.田邊酒造(山梨県塩山市) 菊星「大吟醸」 関東信越国税局新酒鑑評会 優秀賞酒  原料米;精米歩合;不明   【アルコール分】16〜17度 720ml 2,427円(税別) A;味4+、B;香り3、C;コストパーホーマンス4−、D;総合評価3+ E寸評;派手すぎる吟醸香が酒の旨みを減価している。着香しているのではない かと思われるほどの、強い香りが特徴の吟醸酒で、旨い不味いより、厚化粧で強 い香水をタップり振りかけたご婦人とエレベーターに一緒に乗り合わせてしまっ た、不運を嘆いている状態を思い浮かべるのは悲しい ■6.藤本酒造(滋賀県)神開 「大吟醸」 平成12年全国新酒鑑評会入賞酒  原料米;精米歩合;不明   【アルコール分】16〜17度  720ml   2,200円(税別) A;味4+、B;香り4+、C;コストパーホーマンス4+、D;総合評価4+ E寸評;YK35でないかと思われる。香り立ちの爽やかさ、飲み口の穏やかで  まろやかさ、どこも背伸びせずごく自然に品の良さが醸し出されている。太す ぎず、細すぎず、シェイプアップされた若奥様のように、若さと色気と品性が伺 える。     ■7.鯉川酒造(山形県余目町) 大吟醸「鯉川」  平成12年全国新酒鑑評 会金賞受賞酒   原料米;山田錦  精米歩合;40%   【アルコール分】 16.6度 【日本酒度】+6 【酸度】1.5 1.8L A;味5、B;香り4+、C;コストパーホーマンス会員持ち込み酒、D;総合 評価5 E寸評;冷やしても、常温でもいける、素晴らしい佳酒である。控えめでありな がら十分すぎる戻り香が、品良く口中から鼻に抜けていく。長い余韻と共に。味 わいも、論評を差し挟むスキを与えぬ位い、”イイ”。 私の言うところの「淡 麗な吟醸酒」とはこの事か。見事にバランスされた肉付きと、骨組みは素晴らし い。「横たわるマヤ」または「裸のマヤ」(ゴヤ)の様で、濃艶、清楚で飲み手 から視線を外さない。手を差し出せば其処にある。 甘露甘露。 ◆河野合名(会津若松市) 吟醸・熟成酒「春高楼」をまた呑む。1月に呑んだ ものがいいので、今月まで自家貯蔵しておいたもの。  いいとこの”熟女”に 再会できたことを感謝する。 会では、参考として最後に出したが、アッという間に嫁に行ってしまった。 ◆今回も、ピンキリの吟醸酒の世界で遊ぶ。人間と同じようにいろいろな個性と 主張が見られ、それぞれの美女の人間模様が楽しめた。 -------------------------------------------------------------------- 番外2000年8月6日 ■1.ニュージーランド産ワイン 「キウイフルーツ ワイン」 A;味3、B;香り3、C;コストパーホーマンス・ニュージーランド旅行のお土 産、D;総合評価3− E寸評;どの国でも、どの地方でも、自慢の農産物で酒やワインなどを造ることが 多いが、これもこの例のひとつ。 ワイングラスの中で薄くグリーン色に染まったワインはまさしく、キウイ。香りも まさしくキウイ。一口目はまさしくキウイ。ウー・・甘ったるいキウイジュース。 ニュージーランドはイイ所だっただろーなー。南のアイランドが目に浮かぶ。 ■2.緑川酒造(新潟県北魚沼) 純米吟醸 雪洞貯蔵 「緑」 原料米;美山錦   精米歩合;55%  A;味4、B;香り4、C;コストパーホーマンス・いただき物、D;総合評価4 E寸評;うっすらと琥珀色が見る目にいい。日本酒らしい色合いの中、爽やかに喉 元を通り抜け、少しの迷いもケレンみもない。香りは少ない方だが、いえいえ戻り 香が口中に広がり、多いに質の高さを主張する。雑味が無く、肴を選ばず2杯3杯 と付き合いのイイ吟醸酒である。気が付くと飲み過ぎている。 ---------------------------------------------------------------------  日本酒の賞味期限について、知っていますか?  白鶴さんでは清酒は1年と言っていますが、樽酒は? 毎日新聞2000.8.19.夕刊から  関西の大手清酒会社「剣菱酒造」(神戸市東灘区)が東京都港区の飲食店に出荷し た酒樽に虫が発生し、飲食店の抗議を受けてこの樽を回収していたことが19日、 分かった。  同社によると、虫が見つかったのは杉材で作られた「黒松剣菱36リットル樽詰 (裸)」の樽(2斗入り)。7月11日に酒を入れて出荷され、複数の問屋を経て 8月11日、飲食店に納められた。飲食店が樽から別の容器に移し替えようとした ところ、樽の外側上部にうじのような白い虫が数匹付着していたという。客に出す 前で混乱はなかった。  同社が樽を回収して調べたところ、樽自体は問題はなかった。同社は「東京都内 の問屋の倉庫に1カ月間置かれているうちに酒が樽にしみ込み、虫が寄ったのでは ないか」と推測している。  同社はこの商品に賞味期限は設けていないが、樽の包装部分に「夏場は5日から 7日以内で飲むか別の容器に移すように」との注意書きを付けていた。倉庫で預 かっていた卸業者は「注意書きがあったとは知らなかった」と話している。  剣菱酒造の上野英洋営業部長は「樽詰めの酒は言わば『なまもの』で、樽には接 着材や殺虫剤を使っていない。できるだけ早く飲むようお願いしてきたが、末端ま で指示が行き届かなかった。今後は注意書きを樽に直接張るなど商品管理を徹底し たい」と話している。 答え、 樽詰めの酒は言わば『なまもの』で、夏場は5日から7日以内が寿命。 以外と短いことが分かります。  日本酒には賞味期限が厳然とあり、正しい保存管理がなされていないと、出荷 時の品質を維持することが出来ない。といういい例だと思います。  都内のある酒販店のホームページ質問コーナーで、日本酒には賞味期限は無い と回答しているのがありますが、情けなくなります。これが平均的実状だとは思 いたくありません。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−            ★最後までお付き合い下さり、ありがとうございました。 次回も又よろしく、お願いします。  次回9/25頃発行予定 ホームページで、もっと詳しいことを書いています。また、呑んだ吟醸酒の写真 も掲載しています。お立ち寄りの上、足跡を残して下さい。 http://www2.ttcn.ne.jp/~ginjo/ です。 E−メール:ginjo@mx4.ttcn.ne.jp ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー    =編集後記=  吟醸酒て美味しいですよね、良き友と良き会話と良き肴で、最高です。(^o^)    ホームページが5MBのリミットを越えて、UPが出来なくなり、3日間原因 が分からず悩んだあげく、10MBに増量して解決が付き一安心しているところ です。                                編者:吟醸 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー