◇◇◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ □□□□         □□□□  ■■■■ 吟醸酒ニュース ■■■■    最近飲んだ吟醸酒の報告   □□□□         □□□□                        月刊誌Vol.12  2001/3/27発行 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◇◇   毎月1回吟醸酒を会で飲んでいます。有名無名の吟醸酒をリポートします。   吟醸酒について、これからの話は消費者(飲み手)という立場で毎月1回書 いていきます。評論家や蔵元、酒屋の立場では見ていません。また、音楽とか 味覚とかいう物は大変抽象的で表現が難しいのですが、平易に書きたいと思い ます。  よく、食べ物店の紹介記事で絶賛している物を食べると、首を傾げたくなる 時が多々ありますし、テレビでリポーターが口に入れたとたん「うまい」と発 言しているウソ等はここでは、しないように心がけています。旨いものは旨い と、不味いものにはハッキリ不味いと言います。   ◆月に一度の例会で飲んだ吟醸酒について、ズバリ、どういう酒か皆様への 判断基準を書きます。   A;味、B;香り、C;コストパーホーマンス、D;総合評価を、各5点評 価(5;最上 4;良 3;まあまあ 2;まだまだ 1;評価外)で表しま す。 総合評価3−(マイナス)以下ではもう一度買うかと言えば、考えてし まうレベル。2ではタダで贈られても困ってしまうレベル。   私の独断で辛口評価し、E;寸評も入れます。なお、会での評価も、判断基 準の参考にしています。また、評価はこの日に飲んだ吟醸酒の味で、次回も酒 の性格上、ロットや時間が変れば同じとは言切れませんが、傾向としては、間 違ってはいないと思います。        ■■リポート■■   2001年3月24日(土)例会   ■1.旭酒造(山口県周東町) 本生「獺祭(だっさい) 初心 」 原料米;山田錦・日本晴等 精米歩合;58% 【アルコール度数】15〜16%  【日本酒度】+6 【酸度】1.3  1.8L \2,100(税込)  A;味4、B;香り4、C;コストパーホーマンス5、D;総合評価4 E寸評;本醸造と言えば可哀想です。黙って呑めば吟醸酒そのもので、香りも 味わいも、正真正銘吟醸酒です。値段からは想像できないほど、よくできたお 酒です。 澱が混ざってわずかに淡く白く濁っています。新酒独特の炭酸味が口の中で暴 れますが、酸味が薄くなると、旨みが表面に出てきます。こんなに安くて旨い 酒が有ったノダ。開栓した時に、派手にシャンパンまがいの音と栓が天井まで 飛んで、跳ね返ってきたのには驚いた。 ■2.旭酒造(山口県周東町) 純米大吟醸  「獺祭(だっさい) 」  寒造早槽(はやふね) 原料米;山田錦・日本晴等 精米歩合;48% 【アルコール度数】16〜17%  1.8L  \3,150(税込)  A;味4、B;香り4、C;コストパーホーマンス4、D;総合評価4 E寸評;本当によく似た姉妹である。上記「初心」と双子かと思わせる程、よ く似ている。澱もなければ、その酸味も無いが、ベースの味合いは全く同じ、 気を許すと、どっちが姐でどっちが妹か分からなくなる。呑む(買う)なら 「初心」で充分。  獺祭の”獺”は”カワウソ=川獺”のことで地名の1字から来ているが、こ こでは俳句の春の季語にもなっている言葉。カワウソが獲物を川岸に並べて、 さも神の祭壇に供物を列べている様子をいう、こりにこったネーミング。 ■3.竹鶴酒造(広島県竹原市)  純米生原酒「無濾過 竹鶴」 ”タンク番号二十二” 原料米;八反錦 精米歩合;65% 【アルコール分】18.9  【日本酒度】+10 【酸度】1.8 【酵母】6号酵母  1.8L \2,480(税込)   A;味4+、B;香り4、C;コストパーホーマンス4+、D;総合評価4 寸評;何の花の香りであろうか、薄学の私にはこの香りが何の花か思い浮かば ないが、まさしく清涼感のある香りと味わいは独特の味付けになっている。酸 味が何時までも口中に残り、バター飴のようなとろりとした口当たりは非常に 個性的である。アルコール分が高いので、純米独特の切れのなさが、この酒に は見あたらない。油っぽい料理にも負けずに付いて来る。 ■4.府中酒造(茨城県石岡市) 純米吟醸ふなしぼり 「渡舟」  ”無濾過原酒”生詰  原料米;茨城県産「渡舟」 精米歩合;50%  【アルコール度】16〜17 【日本酒度】+2前後 【酸度】1.7   【使用酵母】協会9号系酵母  1.8L \4,830(税込)  A;味4+、B;香り4+、C;コストパーホーマンス4、D;総合評価4+ E寸評;佳くできた吟醸酒。欠点のない生意気な奴だが、当たり前のように吟 醸酒の味わいと質感をもっている。今更何を言えばいいのだろう。そうそう、 遮光を考えて、新聞紙でパッケージされて居るが、あまりにもわざとらしい。 買う身になればイヤミである、特に贈り物には使えない。真っ赤なハトロン紙 や黒の包装紙でパックして有れば、最高なのにナ〜。この値段ならできるはず。 ■5.銀盤酒造(富山県黒部市) 純米大吟醸 「銀盤50」 山田錦 原料米;山田錦 精米歩合;50%  【アルコール度数】15〜16%  【日本酒度】+5 【酸度】1.2  1.8L \2,420(税込)  A;味4+、B;香り4+、C;コストパーホーマンス5、D;総合評価4+ E寸評;銀盤酒造の酒はどの酒を取ってもコストパーホーマンスは高い。山田 錦を50%磨いて、この値段で出してくるセンスには圧倒される。高くて旨い 吟醸酒は沢山あるし、当たり前だが、この値段でこれだけの味わいを提供する 蔵元に何時も敬意を表してしまう。味香りは山田の50%で分かって貰えると 思う。 ■6.武内酒造店(石川県金沢市) 純米酒 大吟醸酒「古都のいずみ」 原料米、精米歩合;− 【アルコール度数】15〜16% (1.8L \6000)  A;味5、B;香り4、C;コストパーホーマンス賞品、D;総合評価4+ E寸評;甘く優しく迎え入れてくれる。何ら闘争心もなく、穏和で爽やかに春 の清涼感がある、暖かい春風のごとく吹き抜けていく。決して濃厚芳醇な吟醸 酒ではなく、その対極にある吟醸酒である。 ☆お酒って面白いもので、今回は平均点以上の吟醸酒が並んだにもかかわらず、 感動の酒がなかった。最上級で感動する酒やガッカリして感動(?)する酒も 無かった。どちらに転んでも、一つ変わり種があるとそれにつられて、他の酒 が生き生きと語りかけてくるのが分かる。ガッカリする酒は遠慮していただき たいが、それが他の酒を陰から支えているのかと思うと、何か健気な気がして くる。しかしそれは会での複数本の中の話で、それだけセレクトして呑むとな ると、やはりゴメンなさい。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−             ★最後までお付き合い下さり、ありがとうございました。 次回も又よろしく、ご購読の程お願いします。  次回4月末頃発行予定 ホームページで、もっと詳しいことを書いています。また、呑んだ吟醸酒の 写真も掲載しています。お立ち寄りの上、足跡を残して下さい。 http://www2.ttcn.ne.jp/~ginjo/ です。 E−メール:ginjo@mx4.ttcn.ne.jp ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー    =編集後記=  吟醸酒って美味しいですよね、良き友と良き会話と良き肴で、 最高です。 (^o^)  新しいアサヒの発泡酒が新発売になりましたが、みなさんはもう呑みましたか。 味の優劣はここではしませんが、発泡酒が俄然賑やかになってきたのが、面白 いところです。1−2ヶ月後の番付は如何様になっているでしょう。                              編者:吟醸        ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー