◇◇◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ □□□□         □□□□  ■■■■ 吟醸酒ニュース ■■■■    最近飲んだ吟醸酒の報告   □□□□         □□□□                        月刊誌Vol.18  2001/9/23発行 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◇◇   毎月1回吟醸酒を会で飲んでいます。有名無名の吟醸酒をリポートします。   吟醸酒について、これからの話は消費者(飲み手)という立場で毎月1回書 いていきます。評論家や蔵元、酒屋の立場では見ていません。また、音楽とか 味覚とかいう物は大変抽象的で表現が難しいのですが、平易に書きたいと思い ます。  よく、食べ物店の紹介記事で絶賛している物を食べると、首を傾げたくなる 時が多々ありますし、テレビでリポーターが口に入れたとたん「うまい」と発 言しているウソ等はここでは、しないように心がけています。旨いものは旨い と、不味いものにはハッキリ不味いと言います。   ◆月に一度の例会で飲んだ吟醸酒について、ズバリ、どういう酒か皆様への 判断基準を書きます。   A;味、B;香り、C;コストパーホーマンス、D;総合評価を、各5点評 価(5;最上 4;良 3;まあまあ 2;まだまだ 1;評価外)で表しま す。 総合評価3−(マイナス)以下ではもう一度買うかと言えば、考えてし まうレベル。2ではタダで贈られても困ってしまうレベル。   私の独断で辛口評価し、E;寸評も入れます。なお、会での評価も、判断基 準の参考にしています。また、評価はこの日に飲んだ吟醸酒の味で、次回も酒 の性格上、ロットや時間が変れば同じとは言切れませんが、傾向としては、間 違ってはいないと思います。   ■■リポート■■    ■2001年9月22日(土) 例会■ ■1.廣木酒造本店(福島県会津坂下町) 特別本醸造 生酒 「飛露喜(ひ ろき)」 原料米;− 精米歩合;−%   【アルコール分】16〜17度   1.8L @2,100(税別)  A;味4、B;香り4、C;コストパーホーマンス5、D;総合評価4 E寸評;本醸造でありながら、雑味も無く品性もあり、吟醸酒を喰うレベルを 持っている。これだけで飲んでいれば、何にも過不足はない。強い個性で料理 をいじめないし、肴にもよく合うし、八方美人的に付き合いが良い。晩酌酒に すれば値段も手頃で最高。 ■2.佐久の花酒造(長野県南佐久) 純吟 無濾過生酒 「佐久の花」 原料米;新美山錦 精米歩合;55%   【アルコール分】17〜18度  1.8L @2,500(税別)  A;味4+、B;香り5、C;コストパーホーマンス5、D;総合評価4+ E寸評;相変わらず「佐久の花」は美味い。味も香りも申し分ない。純米酒の 欠点は何一つ見あたらないどころか、アルテン酒を足下に見ている。特に香り の良さは最高。立ち上る香りは強すぎず、弱すぎず、品よく甘く香る。この香 りが酒質を引き立てている。呑み疲れしない佳酒。 ■3.正義櫻(岡山県倉敷市) 純米吟醸 原酒 「備前雄町」 原料米;備前雄町 精米歩合;60%   【アルコール分】18〜19度  【日本酒度】+9  【酸度】1.8  1.8L @2,900(税別)  A;味3+、B;香り3、C;コストパーホーマンス3、D;総合評価3+ E寸評;残念ながら老年期に入ったようで、力も品位も香りもない。うす茶色 の酒にヒネ香が混じり、だらけた酒質が雄町を悲しませる。歳をとっても色気 があれば、老いらくの恋も良いでしょうが、それが無ければ、若い娘とお付き 合いをしたい。 ■4.正義櫻(岡山県倉敷市) 吟醸生原酒 「備前山田錦」 原料米;備前山田錦 精米歩合;58%   【アルコール分】19〜20度 【日本酒度】+7  【酸度】1.8  【使用酵母】協会9号  1.8L @3,000(税別)  A;味4、B;香り4、C;コストパーホーマンス4、D;総合評価4 E寸評;蔵元の「正義櫻」の水のせいであろうか、「雄町」もこの「山田錦」 も、ベースの味はきわめて似通っている。米も使用酵母も仕込みも違うのに、 その差が見受けられない。  この山田は現役のバリバリ。山田の旨みと戻り香が良い。しかし高い辛口の おかげで、口中にいつまでも酸味が残る。 ■5.中尾醸造(広島県竹原市) 吟醸 「誠鏡 まぼろし」 原料米;− 精米歩合;−%   【アルコール分】16〜17度 180ml 缶 入り @お土産  A;味3、B;香り3、C;コストパーホーマンス・お土産、D;総合評価3 E寸評;広島土産をいただいた。 酸味の強い辛口の吟醸酒です。新幹線の中で地元の肴をつまみながら飲むのに は十分な吟醸酒でしょう。 ■6.河野合名(会津若松市) 吟醸・熟成酒 「春高楼」    原料米;八反錦 精米歩合;50%   【アルコール分】15〜16度   【日本酒度】+2 【酸度】1.5    1.8L @3,000(税別)  A;味5、B;香り4、C;コストパーホーマンス5、D;総合評価4+ E寸評;今年の1月にも飲んでいるが、またのお付き合い。 熟女に再会したが、裏切られず堪能させてもらった。いつ飲んでも変わらない コク、品位と旨み。蔵元バンザイ。 所感;「古酒について」 (苦言ですので、嫌な方はここまでにしてください)  古酒には濃厚になって旨さをまして、新酒にはない落ち着きと貫禄が出て来 ます。安心して飲める、懐の深さを古酒に感じます。  これは人間の世界でも同じ事だと思います。若いときははつらつとして勢い と、うぶさがあります。歳をとるに従い、よく言えば角が取れて丸くなってき ます。また、人のピーク時は人それぞれ。早く老け込む人もいれば、歳をいつ までも感じさせない人もいます。  酒も全く同じで、半年でピークを迎える物もあれば、数年後にピークを迎え る物もあります。酒の旨さはそのピークの時で、それを味わいたいが為に指を くわえて待つのです。 お酒は生もので、通常呑むのであればピークになる少し前からピーク時までで す。  そのピークを過ぎた物は下り坂一方です。決して元には若返りません。酒の 顔色はよどんだ老酒(らおちゅう)の色、茶色くなってきます(最初から付い ている綺麗な琥珀色ではありません)。香りはご存じ”ヒネ香”がしてきます。  日本酒フアンとしては、そのようなお酒をビン詰めして、出荷しないでいた だきたいのです。 売れるお酒はピークになる前に売り切れてしまうでしょう。私が思うに、どう しても売れないお酒が、このように出荷されてしまうのではないかと・・。 ビン詰めの日付を見ると分かって出荷されています。  その訳の一つ目はそれを意図して、言い換えると、そのようなお酒を造りた かったから。?(ヒネ香の好きなお客さんがたくさん居るからと、言います) 二つ目は売れ残って在庫整理。  どちらにしても、マズイ酒!です。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−             ★最後までお付き合い下さり、ありがとうございました。 次回も又よろしく、ご購読の程お願いします。  次回10月末頃発行予定 ホームページで、もっと詳しいことを書いています。また、呑んだ吟醸酒の 写真も掲載しています。お立ち寄りの上、足跡を残して下さい。 http://www2.ttcn.ne.jp/~ginjo/ です。 Eメール:ginjo@mx4.ttcn.ne.jp ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー    =編集後記=  吟醸酒って美味しいですよね、良き友と良き会話と良き肴で、 最高です。 (^o^)                               編者 吟醸 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー