◇◇◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ □□□□         □□□□  ■■■■ 吟醸酒ニュース ■■■■    最近飲んだ吟醸酒の報告   □□□□         □□□□                        月刊誌Vol.20  2001/11/25発行 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◇◇   毎月1回吟醸酒を会で飲んでいます。有名無名の吟醸酒をリポートします。   吟醸酒について、これからの話は消費者(飲み手)という立場で毎月1回書 いていきます。評論家や蔵元、酒屋の立場では見ていません。また、音楽とか 味覚とかいう物は大変抽象的で表現が難しいのですが、平易に書きたいと思い ます。  よく、食べ物店の紹介記事で絶賛している物を食べると、首を傾げたくなる 時が多々ありますし、テレビでリポーターが口に入れたとたん「うまい」と発 言しているウソ等はここでは、しないように心がけています。旨いものは旨い と、不味いものにはハッキリ不味いと言います。   ◆月に一度の例会で飲んだ吟醸酒について、ズバリ、どういう酒か皆様への 判断基準を書きます。   A;味、B;香り、C;コストパーホーマンス、D;総合評価を、各5点評 価(5;最上 4;良 3;まあまあ 2;まだまだ 1;評価外)で表しま す。 総合評価3−(マイナス)以下ではもう一度買うかと言えば、考えてし まうレベル。2ではタダで贈られても困ってしまうレベル。   私の独断で辛口評価し、E;寸評も入れます。なお、会での評価も、判断基 準の参考にしています。また、評価はこの日に飲んだ吟醸酒の味で、次回も酒 の性格上、ロットや時間が変れば同じとは言切れませんが、傾向としては、間 違ってはいないと思います。   ■■リポート■■    ■2001年11月24日(土) 例会■ ■1.黒龍酒造(福井県松岡町) 吟醸 「黒龍 いっちょうらい」  原料米;五百万石  精米歩合;55%  【アルコール分】15.5度   【日本酒度】+4.0 【酸度】1.3  【使用酵母】蔵内保存酵母使用  1.8L \2,450(税込) A;味3+、B;香り3+、C;コストパーホーマンス3+、D;総合評価3+ E寸評; 料理屋で出される吟醸酒だとすると肴を選ばず、自身の個性を殺し て相手の肴の持ち味を引き出すのには優れている。反面個性が無く旨味もしゃ ばしゃば。黒龍の上級酒とはレベルが違う。 ■2.神沢川酒造場(静岡県由比町) 純米吟醸 「正雪」 生 原料米;山田錦  精米歩合;50% 【アルコール分】17〜18度   【日本酒度】+2〜+4【酸度】1.2〜1.4  1.8L \3,150(税込) A;味4、B;香り4、C;コストパーホーマンス4+、D;総合評価4+ E寸評; 口の中でまとわりつくような旨味。独特な清涼感のある酸味、のど ごしの爽やかな香り、協会9号のような派手さは無いが十分な香りを持ってい る。飲み終わった後になんの跡形も残らない。安心して飲める吟醸酒。 ■3.瀧自慢酒造(三重県名張市) 純米吟醸 本生 「瀧自慢」  槽(ふね)搾り中汲み 原料米;山田錦 掛米 五百万石 精米歩合;50%   【アルコール分】 15〜16度 【日本酒度】+3 【酸度】1.4  1.8L \3,150(税込) A;味4+、B;香り4、C;コストパーホーマンス4+、D;総合評価4+ E寸評; 旨味がバランス良く、まろやか。純米独特の欠点が無く切れ味が素 晴らしい。香りも品良く付いているが、料理をじゃまするほどではない。安心 して飲める吟醸酒。この会で一番手が伸びた吟醸酒。 ■4.井上(福岡県大刀洗町) 純米吟醸 「美田 とろあわ」 原料米;山田錦  精米歩合;−% 【アルコール分】15〜16度   【使用酵母】協会7号 1.8L \3,150(税込) A;味3+、B;香り4、C;コストパーホーマンス4、D;総合評価4 E寸評; 山廃仕込みで一番良い状態を”とろあわ”といい、五味の調和され た旨味と切れ味が秘められている(裏ラベルより)  山廃独特の臭さと、切れのなさと泥臭さが鼻につく。この山廃独特の味を楽 しみたい方には答えられ無いでしょうが、知らずに口にすると「なんだ!これ は」となる。 ■5.初亀醸造(静岡県岡部町) 純米吟醸 「初亀 べっぴん」 原料米;山田錦  精米歩合;50% 【アルコール分】15〜16度   【日本酒度】+3   【酸度】1.4 【使用酵母】静岡HD1、協会14 1.8L \3,605(税込) A;味4、B;香り4、C;コストパーホーマンス3+、D;総合評価4 E寸評; ごく標準的に作られた優等生の吟醸酒。なにも欠点はないが、長所 を見つけるのもなかなか苦労が居る。 ■6.濱川商店(高知県田野町) 純米大吟醸 「美丈夫(びじょうふ)雅」 平成10年度醸造 原料米;山田錦  精米歩合;45% 【アルコール分】16〜17度   【日本酒度】+3   【酸度】1.4 【使用酵母】KA−1  1.8L  \4,515(税込) A;味5、B;香り4、C;コストパーホーマンス4、D;総合評価4+ E寸評; さらっとしたラベルからは想像出来ない個性が詰まっている。3年 以上寝かせた古酒であるが、古酒のいやらしさが微塵もなく、「ひやおろしで すよ」と云われたら、「そうですか」と言うぐらい清涼感と熟成感がある。色 は淡い琥珀色、適度な品の良い吟醸香と、清楚な熟成感が出しゃばらず奥の深 さを感じさす。女性に例えると?と言う問いが聞こえてきますがズバリ「良い とこの熟女でしょう」、付き合いが深くなっても深追いしませんよ。 ◇山本 益博氏のエッセイから抜き書き◇ 『世界のトップシェフの仕事にわたしが魅かれるのは、選び抜いた食材に考え の尽くされた調理がしてある料理というものに、栄養ばかりでなく教養も一緒 に詰まっているからなのですね。この教養は、料理人の感性、技量、経験、生 活信条などによって培われたものだと思うのですが、料理を食べて「おいしい !」と声を上げるだけで終わらない感動があるわけです。』 (秋田県 小玉醸造発行、蔵元通信「蔵」拾弐の巻 冬号より ”リレーエッ セイ”から抜粋)  この文の料理人(シェフ)を杜氏、料理を日本酒と言い換えて読み直してく ださい。私の日本酒に対してのこだわりが、全て言い尽くされているように思 われ、料理も酒も全く変わらないことが分かります。  お酒も最後は感動出来るか出来ないかに掛かっていると思っています。旨い のは当たりまえ、飲み手にどれだけの感動を与えられるかがその酒の価値に繋 がるのです。  その感動を求めて、今宵も一献! −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−             ★最後までお付き合い下さり、ありがとうございました。 次回も又よろしく、ご購読の程お願いします。  次回11月末頃発行予定 ホームページで、もっと詳しいことを書いています。また、呑んだ吟醸酒の 写真も掲載しています。お立ち寄りの上、足跡を残して下さい。 http://www2.ttcn.ne.jp/~ginjo/ です。 Eメール:ginjo@mx4.ttcn.ne.jp ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー    =編集後記=  吟醸酒って美味しいですよね、良き友と良き会話と良き肴で、 最高です。 (^o^)                               編者 吟醸 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー