◇◇◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ □□□□         □□□□  ■■■■ 吟醸酒ニュース ■■■■    最近飲んだ吟醸酒の報告   □□□□         □□□□                        月刊誌Vol.22  2002/1/27発行 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◇◇   毎月1回吟醸酒を会で飲んでいます。有名無名の吟醸酒をリポートします。  ■■リポート■■    ■2002年1月26日(土) 例会■ ■1.英君酒造(静岡県庵原郡由比町)  英君大吟醸 「秘蔵おり酒」  (綿袋吊し搾り雫酒)斗瓶囲い 原料米;兵庫県山田錦、精米歩合;40%  【アルコール分】16〜17度  【日本酒度】+7  【酸度】1.2  1.8L \7,350円(税込) A;味3+、B;香り3、C;コストパーホーマンス3−、D;総合評価3+ E寸評;☆2001年、大吟醸鑑評会出品酒です(酒販店談)。しかし、入選した わけではなくエントリーしただけでしょう(酒名も違い酒質からすると想像で きない)。  おり酒ですから当然白濁していますが、瓶の色がでたのかと思うほどグレー に近い酒色をしています(初めて見る色です)。口に入れた瞬間はまろやかな 旨味が パーッと広がりますが、すぐに品のない強い酸味が舌を刺し旨味の感 覚を帳消しにしてしまいます。新酒の時のさわやかな酸味とは異なり、酒質が 変化したのではないかと思われます。香りはわずかに吟醸酒を思わせる程度に しか付いていません。  今飲む酒ではなく、エントリーした5月頃に飲むべき酒でしょう。英君の上 質酒を知っていますが、出荷時期の間違いでは無いでしょうか。辛い評価をし たのは蔵元の何故この時期まで寝かせておいたのか問いたいからです。 秘蔵 してはいけません。 ■2.弥彦酒造(新潟県西蒲原郡弥彦村)  純米吟醸原酒”無濾過”  「泉流 越乃白雪」 びん火入れ【11BY】 原料米;兵庫山田錦特A 精米歩合;50%   【アルコール分】16.5度   【日本酒度】+5  【酸度】1.3  1.8L \3,990 (税込)  A;味3、B;香り3+、C;コストパーホーマンス3、D;総合評価3+ E寸評;雑味が多く、純米酒なのにアルコール臭がする。  これもいやな酸 味が立ちすぎて味のバランスを崩している。いつまでもこの酸味が口中から離 れない。人肌に燗をしてみたが変わらなかった。ひね香はしないが、これも蔵 で寝か せすぎでしょう。 ■3.府中酒造(茨城県石岡市) 吟醸 無加圧あらばしり 「太平海」    原料米;五百万石 精米歩合;55%   【アルコール分】16.9度  【日本酒度】+4 【酸度】1.5    1.8L  \3,100 (税込)  A;味5、B;香り5、C;コストパーホーマンス5、D;総合評価5 E寸評;堂々とした貫禄と風格。他を圧倒して寄せ付けない旨さ香り、どれを とっても秀逸です。安心して付き合える暖かい友の一人でしょう。    会で空になったのはこの酒だけでした。 ■4.神沢川酒造場(静岡県由比町) 吟醸 「正雪」 吟醸うすにごり 原料米;兵庫山田錦  精米歩合;50% 【アルコール分】16.3度   【日本酒度】+7   【酸度】1.3  1.8L \2,960(税込) A;味3、B;香り3、C;コストパーホーマンス3、D;総合評価3 E寸評;おりが瓶の下に沈んでいました。正雪独特の味わいと香りでしたが、 瓶を振っておりを絡ませ再度飲むと、いけません。普通おりを絡ませると甘み と米の旨味が口中に広がるのですが、この白濁した正雪にはがっかりです。な お飲みにくくなったのです。人肌に燗をしても取れず、やはり寝かしすぎが原 因ではないかと思われます。おりを絡ませる難しさが出たようです。 ■5.大澤酒造(長野県望月町) 純米吟醸  「明鏡止水」  原料米;− 精米歩合;−%   【アルコール分】16〜17度  【日本酒度】+2 【酸度】1.6  1.8L @2,755(税込)  A;味4+、B;香り4+、C;コストパーホーマンス4+、D;総合評価 4+ E寸評;「明鏡止水 」ネーミングが秀逸で期待をして飲んだのですが、裏切 られず楽しく飲むことが出来ました。良い意味で、これといった特徴はありま せんが、濃厚ふっくらで味も香りも一級品でアル添酒なみの華やかさがありま す。  この蔵元の吟醸酒にはこの価格帯の酒が集中しています。今度上級価格帯の 吟醸酒にもお相手を願いたいと思います。 ◆ここで、会で話題になったことがあります。ラベルの「純米吟醸原酒”無濾 過”」について  ◇純米吟醸は当然混ぜものがない事の証ですよね、ところがアルコール臭が するというのは何故でしょう。本当に純米?  ◇原酒とは加水もせずに出来たままを提供する酒のことですよね。通常原酒 であればアルコール度数が20度前後まで行っているものです。その原酒に加 水してバランスを整えて製品にします。それがこの吟醸酒では16.5度、一 般的に飲みやすい度数で仕上がっています。こんな低い度数で仕込みを終わら せるものでしょうか。本当に原酒?  ◇無濾過、通常絞った後タンクに貯蔵すると、フィルターから浸み出たごく わずかなもろみ成分”おり”が沈殿します。タンクの上部から瓶詰めすれば清 澄な酒が取れます。下から取れば当然おり酒になります。どちらも濾過してい ないので、無濾過になるのでしょう。だとすれば清澄な酒とフィルターを通し た清澄な酒とはどう違うのでしょうか。蔵元からすれば1行程省けるしフィル ター臭が付かないので良いでしょうが、消費者からすると”無濾過”に対する 意味付けをどの様に考えればいいのでしょうか。  この吟醸酒を振って猪口に注いでも全く清澄です。本当に無濾過?  雪印○○のように表示に?が付くようではいかがなものでしょうか。私達消 費者はラベルを信じて買うことしかできません。もし私の薄学が間違って指摘 しているとすれば、どうぞ反論、ご教唆ください。 その時はこのメルマガで訂正して謝罪します。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ◆いつもご購読いただいている読者の方は読み飛ばしてください◆   ◆吟醸酒について、今までの話は消費者(飲み手)という立場で毎月1回書 いています。評論家や蔵元、酒屋の立場では見ていません。また、音楽とか 味覚とかいう物は大変抽象的で表現が難しいのですが、平易に書きたいと思っ ています。  よく、食べ物店の紹介記事で絶賛している物を食べると、首を傾げたくなる 時が多々ありますし、テレビでリポーターが口に入れたとたん「うまい」と発 言しているウソ等はここでは、しないように心がけています。旨いものは旨い と、不味いものにはハッキリ不味いと言います。   ◆月に一度の例会で飲んだ吟醸酒について、ズバリ、どういう酒か皆様への 判断基準を書きます。   A;味、B;香り、C;コストパーホーマンス、D;総合評価を、各5点評 価(5;最上 4;良 3;まあまあ 2;まだまだ 1;評価外)で表しま す。 総合評価3−(マイナス)以下ではもう一度買うかと言えば、考えてし まうレベル。2ではタダで贈られても困ってしまうレベル。   私の独断で辛口評価し、E;寸評も入れます。なお、会での評価も、判断基 準の参考にしています。また、評価はこの日に飲んだ吟醸酒の味で、次回も酒 の性格上、ロットや時間が変れば同じとは言切れませんが、傾向としては、間 違ってはいないと思います。  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−             ★最後までお付き合い下さり、ありがとうございました。 次回も又よろしく、ご購読の程お願いします。  次回2月末頃発行予定 ホームページで、もっと詳しいことを書いています。また、呑んだ吟醸酒の 写真も掲載しています。お立ち寄りの上、足跡を残して下さい。 http://www2.ttcn.ne.jp/~ginjo/ です。 Eメール:ginjo@mx4.ttcn.ne.jp ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー    =編集後記=  吟醸酒って美味しいですよね、良き友と良き会話と良き肴で、 最高です。 (^o^)                               編者 吟醸 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー