◇◇◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ □□□□         □□□□  ■■■■ 吟醸酒ニュース ■■■■    最近飲んだ吟醸酒の報告   □□□□         □□□□                        月刊誌Vol.36  2003/3/30発行 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◇◇   毎月1回吟醸酒を会で飲んでいます。有名無名の吟醸酒をリポートします。  ■■リポート■■    ■ 2003年3月29日(土) 例会 ■ ■1.英君酒造(静岡県由比町) 英君 吟醸 「特別袋吊り」 雫酒  原料米;五百万石、 精米歩合;50%(自家精米) 【アルコール分】 17.5度 【日本酒度】+7 【酸度】1.2   【酵母】静岡酵母NEW−5 1.8L  \3,675(税込) A;味5、B;香り4、C;コストパーホーマンス4+、D;総合評価4+ E寸評; 決して薄くはないのですが、さらりとしています。バランスされて 品性豊か、いくら飲んでもサラサラのどを通りすぎ、飲み飽きしません。香り はミント系のさわやかな吟醸香です。 会で飲みきったのはこの英君が最初です。それだけモテタのです。 2.八百新酒造(山口県岩国市) ”槽出あらばしり”純米 「雁木・生」 無濾過原酒 原料米・精米歩合;山田錦60%(麹)、五百万石 58%(掛)、【アルコール 分】17〜18度 【日本酒度】+2.5 【酸度】1.8 【使用酵母】協会15号   1.8L 2,780円(税込) A;味5、B;香り5、C;コストパーホーマンス5、D;総合評価5 E寸評; 香り高く、濃厚な味わいながら爽やかさがあります。純米にしては 突出した華やかで上品な香りに包まれ、切れ味の鋭さとバランスされた芳醇な 旨味が頂点で融合している。 新酒にしては熟成された貫禄を早くも持ち合わせています。 3.喜多の華酒造場(福島県喜多市) 特別純米 「星自慢」生・無濾過原酒 原料米・精米歩合;五百万石50%(麹)、たかねみどり55%(掛)、  【アルコール分】18〜19度 【日本酒度】+4 【酸度】1.5   【酵母】 協会901号  1.8L  \2,400(税別) A;味4、B;香り5、C;コストパーホーマンス5、D;総合評価4+ E寸評; 喉ごしの切れは抜群、柔らかい味わいなのでつい手がでますが、ア ルコール度数が高いので酔います。また、戻り香がすばらしいので、味わい を引き立てます。純米酒の欠点をアルコール度数を上げて、切れと香りを引 き出す手法は一つのいき方でしょう。 晩酌酒にしては贅沢すぎる酒です。 4.富士高砂酒造(静岡県富士宮市) 純米吟醸 「高砂 雄町」  原料米;雄町、 精米歩合;50% 【アルコール分】15〜16度 【日本 酒度】+4 【酸度】1.2 【使用酵母】協会15号 1.8L 3,200円(税 別) A;味4、B;香り4、C;コストパーホーマンス4、D;総合評価4 E寸評; 丸く優しくバランスはとれていますがパンチがありません。雄町特 有の懐の深さを感じさせません。雑味が無く柔らかいので、どんな料理にも合 うでしょうし、肴をいじめません。  「星自慢」がちゃきちゃきの江戸っ娘(子)とすれば「高砂」は引っ込み思 案な思慮深い娘さんでしょう。 5.若林醸造(長野県上田市) 大吟醸 「月吉野」  原料米;美山錦・山田錦、 精米歩合;40%【アルコール分】15〜16度 720ml  1,812円(税別) A;味3+、B;香り3、C;コストパーホーマンス3、D;総合評価3+ E寸評;新酒。まだまだレベルが低いようです。もう少し勉強が必要です。 6.天領誉酒造(長野県中野市) 純米吟醸「天領誉 雄町」無加水生原酒 原料米;雄町、 精米歩合;49% 【アルコール分】17〜18度 【日本 酒度】−5【酸度】1.8 【使用酵母】協会15号  720ml 2,500円(税別) A;味4+、B;香り4+、C;コストパーホーマンス4、D;総合評価4+ E寸評;新酒 。充分な吟醸香と濃厚な味わいの吟醸酒で、良くバランスして ます。ラッピングのアルミ箔の袋は気が利いています。商品価値も高めますが、 直射日光を避けるためには最高の方法でしょう。蔵本の配慮に敬意を表します。  ■今回の飲み比べでおもしろい組み合わせに遭遇しました。「英君特別袋吊 り」と「雁木・生」 の取り合わせです。雁木の濃厚な個性と英君の春風のご とく柔らかい個性がうまくマッチして、熟成された漫才師のコンビのような ”ボケとツッコミ”、円熟した夫婦の阿吽の呼吸のような、お互いの個性を伸 ばし欠点を補い合うような関係がそこにありました。濃厚な雁木はやはり疲れ ます。その後で英君を飲むと心安らかになります。どちらか片方だけだと何か 物足りなさを感じますが、雁木と英君を交互に飲むとお終いが無くなります。 こういう組み合わせは初めての出会いですが、良いコンビだと思いました。  また、酔いたい時やお酒を味わいたい時は濃厚なお酒が合いますが、TVを 観ながらや本を読んだり、書き物をしながらの時は柔らかめのお酒の方がぴっ たりします。恋人同士でも逢いたい時はベタベタしてても楽しいでしょうが、 自分の世界に入っている時や、思慮にふけっている時は静かにしていて欲しい のによく似ていると思います。お酒にもTPOが有ります。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ◆いつもご購読いただいている読者の方は、次枠まで読み飛ばしてください◆   ◆吟醸酒について、消費者(飲み手)という立場で毎月1回書いています。 評論家や蔵元、酒屋の立場では見ていません。また、音楽とか味覚とかいう物 は大変抽象的で表現が難しいのですが、平易に書きたいと思っています。  よく、食べ物店の紹介記事で絶賛している物を食べると、首を傾げたくなる 時が多々ありますし、テレビでリポーターが口に入れたとたん「うまい」と発 言しているウソ等はここでは、しないように心がけています。旨いものは旨い と、不味いものにはハッキリ不味いと言います。   ◆月に一度の例会で飲んだ吟醸酒について、ズバリ、どういう酒か皆様への 判断基準を書きます。   A;味、B;香り、C;コストパーホーマンス、D;総合評価を、各5点評 価(5;最上 4;良 3;まあまあ 2;まだまだ 1;評価外)で表しま す。 総合評価3−(マイナス)以下ではもう一度買うかと言えば、考えてし まうレベル。2ではタダで贈られても困ってしまうレベル。   私の独断で辛口評価し、E;寸評も入れます。なお、会での評価も、判断基 準の参考にしています。また、評価はこの日に飲んだ吟醸酒の味で、次回も酒 の性格上、ロットや時間が変れば同じとは言切れませんが、傾向としては、間 違ってはいないと思います。  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−             ★最後までお付き合い下さり、ありがとうございました。 次回も又よろしく、ご購読の程お願いします。  次回4月下旬頃発行予定 ホームページで、もっと詳しいことを書いています。また、呑んだ吟醸酒の 写真も掲載しています。お立ち寄りの上、足跡を残して下さい。 http://www2.ttcn.ne.jp/~ginjo/ です。 Eメール:ginjo@mx4.ttcn.ne.jp   ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー    =編集後記=  美酒礼賛、吟醸酒って美味しいですよね、良き友と良き会話と良き肴で、 最高です。 (^o^)     東京では例年より1日早い開花ですが、その後連日の暖かさで急激に花開き 8分通りの咲き方になっています。最近の暗い話ばかりだったからでしょうか、 満開を待ちきれずお花見の場所へドット繰り出しています。満開になるのには 後3〜4日必要でしょうが、ウキウキした気持ちを抑える事が出来ません。                              編者 吟醸 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー このメールマガジンは、インターネットの本屋さん 『まぐまぐ』 http://www.mag2.com/ (マガジンID:0000093635) と 『melma!』 http://www.melma.com/ (マガジンID:m00010538)及び 『Pubzine』 http://www.pubzine.com/(マガジンID:6094) を利用して発行しています。 購読停止は上記購読申し込みした所から出来ます。