◇◇◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ □□□□         □□□□  ■■■■ 吟醸酒ニュース ■■■■    最近飲んだ吟醸酒の報告   □□□□         □□□□                        月刊誌Vol.39  2003/6/30発行 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◇◇   毎月1回吟醸酒を会で飲んでいます。有名無名の吟醸酒をリポートします。  ■■リポート■■    ■ 2003年6月28日(土) 例会 ■ ■1.英君酒造(静岡県由比町)  大吟醸 「英君 秘蔵滓(かす)酒」   原料米;山田錦、 精米歩合;40% 【アルコール分】16.5度 【日本 酒度】+5 【酸度】1.4   【酵母】M310  1.8L  \7,350(税込) A;味5、B;香り4、C;コストパーホーマンス3+、D;総合評価4+ E寸評; 真っ白に白濁した吟醸酒です。もろみの成分が酒の中に溶け込んで います。白濁した部分は米粒の一部ですので、甘く柔らかな味わいが有るもの ですが、今ひとつ滓酒にした意味合いが飲み手に伝わってきません。飲み始め る時には”滓”はビン底に沈殿していました、上澄みのところと、攪拌して真 っ白になった酒が同じ味で大差ないのです。で、あったら、もう少し無濾過の 上澄みだけを瓶詰めしたら如何でしょうか。酒滓の旨みを酒の中に取り入れる 工夫は無いものでしょうか、高級酒だけに一考を呈します。佳酒ではあります が、この値段にしたら深み、コクがいま一歩足りなく、光がない。 ■2.三和酒造(静岡県清水市) 大吟醸 「臥龍梅(がりゅうばい)」  無濾過原酒 原料米;山田錦、 精米歩合;40%   【アルコール分】18〜19度  【日本酒度】+5 【酸度】1.6  1.8L  \5,250( 税込) A;味5、B;香り5、C;コストパーホーマンス5、D;総合評価5 E寸評; 「全国新酒鑑評会・金賞受賞酒」。山田錦の旨さが存分に醸し出さ れた佳酒です。このお酒を飲んで吟醸酒の原点を、見直すには最適な1本で す。ここまでの出来の良いお酒は肴を選びます。通常な肴では負けてしまう でしょう。この様なお酒は、料理が終わって、デザートのアイスクリームか コーヒーを頂く時に替わりにこのお酒を一口頂きます。食後酒ですが、この 旨さが今まで頂いた料理を完璧に仕上げるのです。この時の心持ちが至福な 時というのでしょう。 ■3.廣木酒造本店(福島県会津坂下町) 吟醸「飛露喜(ひろき)」生詰 原料米;− 精米歩合;−%   【アルコール分】16〜17度   1.8L  @2,880(税別) A;味4+、B;香り4+、C;コストパーホーマンス5、D;総合評価4+ E寸評;旨い酒です。口当たりはさらりとしていますが、コクも香りもバラン スして必要充分です。料理の肴に邪魔にならず、肴に媚びず、肴を立てて酒本 来の領域を自覚していながら、旨さを発散させています。晩酌酒にしては勿体 ないくらい上質な佳酒です。 ■4.楯の川酒造(山形県平田町) 純米吟醸 「一雫入魂 楯野川 雄町」  2003 原料米;雄町、 精米歩合;50% 【使用酵母】山形酵母 【アルコール分】 16〜17度 【日本酒度】+1 【酸度】1.5  1.8L \3,000(税 別) A;味4+、B;香り4、C;コストパーホーマンス4、D;総合評価4 E寸評;柔らかく甘ったるく丸い。今回のただ1本の純米酒です。純米酒の鈍 重な欠点は無くアル添酒と互角に競っていますが、それでも純米酒のマイナス がどうしても比較されてしまいます。雄町の懐の深さとキレが見いだせません。 ■5.酒田酒造(山形県酒田市) 大吟醸 「上喜元 山田錦」 中取り 原料米;山田錦  精米歩合;40%  【アルコール分】16〜17度    1.8L @5,000 (税別) A;味5、B;香り5、C;コストパーホーマンス4+、D;総合評価5 E寸評; 強い酸味が口中に残りますが、嫌な酸味ではなく、一夏過ぎには一皮 むけた良い娘になるでしょう。味わいが深く、濃く、キレもあります。後から の含み香に上品さが伺えます。 ◆毎回言いますが、純米だから純粋で美味いか、アル添して本当の旨さをだす かは、蔵元の政策ですが、どちらも旨い物は美味い。言いたいのは、造り方だ けに目を向けると間違った選択をしてしまいます。私は世論に反してアル添酒 の方が旨い(のが多い)と言い続けています。  今回、平成14酒造年度 全国新酒鑑評会 入賞酒が発表されましたが、そ れを見ると山田錦を使ってアル添した酒がトップを独占しています。(先月に 続いて同じ事を書いています) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ◆いつもご購読いただいている読者の方は、次枠まで読み飛ばしてください◆   ◆吟醸酒について、消費者(飲み手)という立場で毎月1回書いています。 評論家や蔵元、酒屋の立場では見ていません。また、音楽とか味覚とかいう物 は大変抽象的で表現が難しいのですが、平易に書きたいと思っています。  よく、食べ物店の紹介記事で絶賛している物を食べると、首を傾げたくなる 時が多々ありますし、テレビでリポーターが口に入れたとたん「うまい」と発 言しているウソ等はここでは、しないように心がけています。旨いものは旨い と、不味いものにはハッキリ不味いと言います。   ◆月に一度の例会で飲んだ吟醸酒について、ズバリ、どういう酒か皆様への 判断基準を書きます。   A;味、B;香り、C;コストパーホーマンス、D;総合評価を、各5点評 価(5;最上 4;良 3;まあまあ 2;まだまだ 1;評価外)で表しま す。 総合評価3−(マイナス)以下ではもう一度買うかと言えば、考えてし まうレベル。2ではタダで贈られても困ってしまうレベル。   私の独断で辛口評価し、E;寸評も入れます。なお、会での評価も、判断基 準の参考にしています。また、評価はこの日に飲んだ吟醸酒の味で、次回も酒 の性格上、ロットや時間が変れば同じとは言切れませんが、傾向としては、間 違ってはいないと思います。  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−             ★最後までお付き合い下さり、ありがとうございました。 次回も又よろしく、ご購読の程お願いします。  次回7月下旬頃発行予定 ホームページで、もっと詳しいことを書いています。また、呑んだ吟醸酒の 写真も掲載しています。お立ち寄りの上、足跡を残して下さい。 http://www2.ttcn.ne.jp/~ginjo/ です。 Eメール:ginjo@mx4.ttcn.ne.jp   ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー    =編集後記=  美酒礼賛、吟醸酒って美味しいですよね、良き友と良き会話と良き肴で、 最高です。 (^o^)     梅雨空の真っ只中にいます。今年は何時も雨が降っているようですが、例年 の雨量から見ると半分以下だそうです。ドッカと降らずにショボショボと年が ら年中細かい雨が降っている事になります。喜ぶのは花菖蒲と紫陽花ぐらいで しょうか。  梅雨空には吟醸酒が一番!ですよね。                              編者 吟醸 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー このメールマガジンは、インターネットの本屋さん 『まぐまぐ』 http://www.mag2.com/ (マガジンID:0000093635) と 『melma!』 http://www.melma.com/ (マガジンID:m00010538)及び 『Pubzine』 http://www.pubzine.com/(マガジンID:6094) を利用して発行しています。 購読停止は上記購読申し込みした所から出来ます。