◇◇◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ □□□□         □□□□  ■■■■ 吟醸酒ニュース ■■■■    最近飲んだ吟醸酒の報告   □□□□         □□□□                        月刊誌Vol.48  2004/3月号 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◇◇   毎月1回吟醸酒を会で飲んでいます。有名無名の吟醸酒をリポートします。  ■■リポート■■    ■2004年3月27日(土)  例会 ■ ■1.竹鶴酒造(広島県竹原市) 純米 「小笹屋竹鶴 大和雄町」 生原酒 原料米;広島県竹原市大和町産雄町、 精米歩合;60%  【アルコール分】 17.9度【日本酒度】+9 【酸度】2.1 【酵母】協会701号【栽培者】 松田 香、土居 進  1.8L \3,200 (税込)  A;味4+、B;香り4、C;コストパーホーマンス4、D;総合評価4+ E寸評;これは契約栽培者の名前入りのお酒ですが、だからその違いが、酒質 に出ているかと言えば、疑問です。それを求める蔵側の熱意や誠意は分かりま すが、それが酒となって製品になった時、どれだけの人がそれに気づくでしょ うか。また雄町の旨味が出し切れていなかった。1年貯蔵酒で酒に色が出てい ます。辛口でひね香は出ていません。 ■2.竹鶴酒造(広島県竹原市) 純米 「竹鶴 合鴨農法米」 原酒 原料米;広島県加茂郡福富町 契約栽培(福富)合鴨農法雄町、 精米歩合; 65%   【アルコール分】15.8度【日本酒度】+5【酸度】 1.5  【酵母】協会601号   1.8L \3,200 (税込)  A;味4、B;香り4、C;コストパーホーマンス4、D;総合評価4 E寸評; このお酒は竹鶴酒造さんが広島県加茂郡福富町の篤農家 門藤温三 さん、藤永京子さんに契約栽培をお願いしております合鴨農法米・雄町を使っ た酒です。(酒販店談)  これも合鴨農法米の原料を使っていますが、こなれ切れていません。精米歩 合65%では原料米が可哀相です。上記「大和雄町」の精米歩合と比べても落 ちます。その分欠点が大きく出てしまいました。これだけの上質米なら50% 台で醸してあげたらその真価が発揮されたでしょうに残念です。1年貯蔵酒で 酒に色が出ています。この辺がピークです。 ■3.富士高砂酒造(静岡県富士宮市) 純米吟醸「高砂 槽掛中取り」  無濾過生酒  原料米;兵庫県産山田錦、精米歩合;55% 【アルコール分】16〜17度 【日本酒度】+6 【酸度】1.4  【使用酵母】静岡酵母NEW5 1.8L \3,150 (税込)  A;味5、B;香り5、C;コストパーホーマンス5、D;総合評価5 E寸評;山田錦の長所を充分引き出し、申し分ない出来です。柔らかい味わい でありながら、しっかりとした個性を身につけ、どんな相手をも納得させる力 を持っています。酒の神と山田錦に感謝しつつ、蔵元の姿勢に敬意を表します。 深くお付き合いを求めたいのですが、それは私だけではなく、何処からも指名 される人気者です。欠点は空瓶になって戻って来たぐらいでしょう。 ■4.英君酒造(静岡県由比町) 吟醸  「特別袋吊り雫」  原料米;五百万石、 精米歩合;50%(自家精米)   【アルコール分】 17.5度【日本酒度】+6 【酸度】1.2 【酵母】静岡酵母NEW−5 1.8L \3,675 (税込)  A;味4、B;香り4、C;コストパーホーマンス4、D;総合評価4 E寸評;五味は充分醸し出されてはいます。しかしそのバランスが悪く、いつ までも口中に雑味が残ります。  今回は秀才揃いでしたので、割を食っていたのはやむを得ない事です。 ■5.旭酒造(山口県周東町) 純米大吟醸 遠心分離 「獺祭(だつさい) 磨き三割九分」 おりがらみ 生酒 原料米;山田錦、 精米歩合;39%   【アルコール分】15〜16度  【日本酒度】+6 【酸度】1.1 1.8L \4,935 (税込)  A;味5、B;香り5、C;コストパーホーマンス5、D;総合評価5 E寸評;機械が良いとか、テクニックが良いとか、山田錦が良いとか言う問題 ではありません。素材の扱い方、蔵元の取り組み方、水から始まって綿密な計 算が真に上手く機能しているのでしょう。出来上がった製品が全てで、裏目に 出る事もあるでしょうが、今回ははずせない最上級の逸品です。 ■6.神沢川酒造場(静岡県由比町)  純米大吟醸  「正雪 備前雄町」  火入れ 原料米;備前雄町、 精米歩合;45%   【アルコール分】15〜16度 【日本酒度】+1 【酸度】1.3 【酵母】:静岡HD-1 10号系 1.8L \4,200 (税込)  A;味5、B;香り4、C;コストパーホーマンス4、D;総合評価4+ E寸評;この蔵の酒のまとめ方の上手さには毎回脱帽です。雄町の重厚さ深み が今回は無く、山田錦の軽快さ研ぎ澄まされさに近い印象を受けました。酒と すれば欠点はなくバランスされた旨さに舌を巻きますが、出来過ぎて雄町がど こかに行ってしまった。  ■■精米歩合でだいたいの味のバランスが分かります。 一般的に精米歩合が上がってくる(数字は小さくなる。糠(ヌカ)として捨てる所 が多くなる)と雑味や糠臭が少なくなり品性が高くなってきます。 俗にあか抜けした酒になります。 蔵元側からすればそれだけコストが掛かります。コストを下げて良い酒を造る のが最良の方法なのでしょうが、その様な方法は未だ見つかっていません。 だから、吟醸酒は贅沢なお酒なのです。 これは一般論ですから、当然例外も有りますが、だいたいの目安にはなります。 良い酒造米を使うならば精米歩合をケチってはいけません。最上級の酒米を使 う意味が無くなってしまいますから。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ◆いつもご購読いただいている読者の方は、次枠まで読み飛ばしてください◆   ◆吟醸酒について、消費者(飲み手)という立場で毎月1回書いています。 評論家や蔵元、酒屋の立場では見ていません。また、音楽とか味覚とかいう物 は大変抽象的で表現が難しいのですが、平易に書きたいと思っています。  よく、食べ物店の紹介記事で絶賛している物を食べると、首を傾げたくなる 時が多々ありますし、テレビでリポーターが口に入れたとたん「うまい」と発 言しているウソ等はここでは、しないように心がけています。旨いものは旨い と、不味いものにはハッキリ不味いと言います。   ◆月に一度の例会で飲んだ吟醸酒について、ズバリ、どういう酒か皆様への 判断基準を書きます。   A;味、B;香り、C;コストパーホーマンス、D;総合評価を、各5点評 価(5;最上 4;良 3;まあまあ 2;まだまだ 1;評価外)で表しま す。 総合評価3−(マイナス)以下ではもう一度買うかと言えば、考えてし まうレベル。2ではタダで贈られても困ってしまうレベル。   私の独断で辛口評価し、E;寸評も入れます。なお、会での評価も、判断基 準の参考にしています。また、評価はこの日に飲んだ吟醸酒の味で、次回も酒 の性格上、ロットや時間が変れば同じとは言切れませんが、傾向としては、間 違ってはいないと思います。  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−             ★最後までお付き合い下さり、ありがとうございました。 次回も又よろしく、ご購読の程お願いします。  次回4月末に発行予定です。 ホームページで、もっと詳しいことを書いています。また、呑んだ吟醸酒の 写真も掲載しています。お立ち寄りの上、足跡を残して下さい。 http://www2.ttcn.ne.jp/~ginjo/ です。 Eメール:ginjo@mx4.ttcn.ne.jp   ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー    =編集後記=  美酒礼賛、吟醸酒って美味しいですよね、良き友と良き会話と良き肴で、 最高です。 (^o^)     桜の開花宣言が出てから、急に寒くなって、花が咲ききらずにいます。 今日、暖かさが戻ったのと日曜日が重なったので、花見客がどっと花見の名所 にくりだしました。しかし、まだ早く東京・隅田公園では5分咲きです。 桜の寿命は短いので、これくらいの方が良いのかも知れません。                              編者 吟醸 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー このメールマガジンは、インターネットの本屋さん 『まぐまぐ』 http://www.mag2.com/ (マガジンID:0000093635) と 『melma!』 http://www.melma.com/ (マガジンID:m00010538) を利用して発行しています。 購読停止は上記購読申し込みした所から出来ます。