◇◇◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ □□□□         □□□□  ■■■■ 吟醸酒ニュース ■■■■    最近飲んだ吟醸酒の報告   □□□□         □□□□                        月刊誌Vol.70  2006/1月号 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◇◇   毎月1回吟醸酒を会で飲んでいます。有名無名の吟醸酒をリポートします。  ■■リポート■■    ■2006年1月28日(土) 例会 ■ ■1.福光屋(金沢市石引)  純米  「風よ水よ人よ」   原料米;−、精米歩合;70% 【アルコール分】12.9度【日本酒度】+3 【酸度】1.4 300ml \357 (税込) A;味3−、B;香り2、C;コストパーホーマンス2、D;総合評価3− E寸評; 「グルメタイプ(*下記注)」。老香(ひねか=古くなった酒が出す 匂い)がする。寸評する以前の酒質。   ■2.あさ開(岩手県盛岡市)  純米  「あさ開(あさびらき)」   原料米;−、精米歩合;65% 【アルコール分】15.4度【日本酒度】+2  【酸度】1.4 300ml \389 (税込) A;味3−、B;香り2、C;コストパーホーマンス2、D;総合評価3− E寸評; 「グルメタイプ」。上記に同じ。   ■3.大関(兵庫県西宮市)  大吟醸  「花笛(ka-fue)」   原料米;−、精米歩合;50% 【アルコール分】15度 【日本酒度】+4  【酸度】1.3  250ml \525 (税込) A;味3−、B;香り2、C;コストパーホーマンス2、D;総合評価3− E寸評; 「グルメタイプ」。上記に同じ。   ■4.丸竹酒造店(青森県弘前市)  大吟醸  「白神ロマンの宴」   原料米;華想い、 精米歩合;40%   【アルコール分】15〜16度 【日本酒度】+3〜4 【酸度】1.5〜1.6  720ml \2,100(税込) A;味3、B;香り3−、C;コストパーホーマンス2、D;総合評価3 E寸評; 薄くシャバシャバ、味わい無し、腰が抜けていただけない。 ■5.新澤醸造店(宮城県三本木町) 純米大吟醸 「伯楽星」 生詰 原料米;雄町  精米歩合;−%  【アルコール分】16〜17度 1.8L @5,145 (税込) A;味4+、B;香り4、C;コストパーホーマンス3、D;総合評価4 E寸評; 前回(03年8月)の濃厚で味わい深く品性豊で感動した酒とは考え られない。さっぱり、薄味で残念。がっかり二乗で5000円台は高すぎる。 ■6.大和川酒造店(県喜多方市) 純米大吟醸 「すえながく」火入れ 原料米;麹米・山田錦、掛米・雄町、 精米歩合;50% 【アルコール分】 16〜17度 【日本酒度】+1【酵母】1401系 1.8L \3,000(税込) A;味4、B;香り4、C;コストパーホーマンス4、D;総合評価4 E寸評;杜氏、白澤芳秀氏(41歳)が酒質設計から造り、販売までの一切の 責任を負うという条件の下、大和川酒造店様の機械設備をお借りし、仕込ん だ入魂の作がこの「すえながく純米大吟醸」です。(酒販店談)  春先(05.5月)に飲んだ生は素晴らしかったので、再度熟成されたであ ろう「君」と逢う事になった。 生との味わいの差が有ろうが、夏を越して限界になっている。夏やせして元気 がない。   ■7.三和酒造(静岡県静岡市) 純米吟醸 「臥龍梅 袋吊り」  生原酒 原料米;五百万石、 精米歩合;55%   【アルコール分】16〜17度 【日本酒度】+5 【酸度】1.1  1.8L \3,000 (税込) A;味4、B;香り4、C;コストパーホーマンス4、D;総合評価4 E寸評; 酸味、えぐ味が強くて、いつまでも口中に残り飲みにくい。それを 除けば素敵なお酒なのにな〜。燗をすると、欠点が希薄になる。   ■8.神沢川酒造場(静岡県由比町)純米大吟醸「正雪 備前雄町」生貯蔵酒 原料米;備前雄町、 精米歩合;45%   【アルコール分】15〜16度 【日本酒度】+1〜+3 【酸度】1.3   1.8L \4,200 (税込) A;味4+、B;香り4、C;コストパーホーマンス4、D;総合評価4+ E寸評;正雪らしからぬ、えぐ味が口中に残りそれが消えない。ピークを通り 越して残念な出会いであった。   ---------------------------------------------------------------------- *注 「グルメタイプ」とは、日本酒業界では「Osake テラピー」キャン ペーンの一環として、普段の生活気分に合わせて選びやすい3タイプ「のどご し」「ぐるめ」「いやし」を提案しています。 ■のどごしタイプ;食事の前や、お風呂上がりに、のどの渇きを癒す、さわや かな口当たりのお酒です。 ■ぐるめタイプ;いつもの食卓に、ホームバーに、食事が進む、味わいあるお 酒です。 ■いやしタイプ;くつろぐ時や、一日の終わりに、まろやかな余韻がほっとし た気分にさせるお酒です。 とのコンセプトで作られたお酒達です。全て小瓶に詰められ、一口で飲み干せ て、若い人達に、特に女性に歓迎されるパッケージになっています。今回はぐ るめタイプの一部を取り上げています。新橋・日本酒造組合中央会にて買い求 めています。  総評;「グルメタイプ」このタイプ3品とも普通酒以下のレベル。老香はす るし、コメントする気力も失せる。パッケージは良いので、新しい顧客はデザ インに釣られて買い求めるが、酒も当然中身が重要。大事な中身が台無しでは 意味がない。意味が無いどころか、新しい顧客は一度は手にするが、日本酒っ てこんな味だからと、二度と買わないだろう。最低な企画である。日本酒の衰 退に輪を掛ける日本酒造組合中央会である。中央会は造られたものを本当に試 飲してそのラベルを配っているのであろうか、最後まで面倒を見て企画を成功 に導かなければ、中央会の本来の職務が達成されたとは言えない。蔵元を牽引 する力もなければ、中央会の意義もないであろう。日本酒衰退の原点がここに あった事を発見する残念な夜であった。  今月のお酒達の元気無さには正直がっかりします。春先や秋口にはあんなに 元気だった酒達が丸一年して、次の新酒に役者交代がされるであろうこの時期、 1年過ぎた酒達が息切れしてアップアップしているのは残念です。酒の端境期 でやむを得ないのでしょうか。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ◆いつもご購読いただいている読者の方は、次枠まで読み飛ばしてください◆   ◆吟醸酒について、消費者(飲み手)という立場で毎月1回書いています。 評論家や蔵元、酒屋の立場では見ていません。また、音楽とか味覚とかいう物 は大変抽象的で表現が難しいのですが、平易に書きたいと思っています。  よく、食べ物店の紹介記事で絶賛している物を食べると、首を傾げたくなる 時が多々ありますし、テレビでリポーターが口に入れたとたん「うまい」と発 言しているウソ等はここでは、しないように心がけています。旨いものは旨い と、不味いものにはハッキリ不味いと言います。   ◆月に一度の例会で飲んだ吟醸酒について、ズバリ、どういう酒か皆様への 判断基準を書きます。   A;味、B;香り、C;コストパーホーマンス、D;総合評価を、各5点評 価(5;最上 4;良 3;まあまあ 2;まだまだ 1;評価外)で表しま す。 総合評価3−(マイナス)以下ではもう一度買うかと言えば、考えてし まうレベル。2ではタダで贈られても困ってしまうレベル。   私の独断で辛口評価し、E;寸評も入れます。なお、会での評価も、判断基 準の参考にしています。また、評価はこの日に飲んだ吟醸酒の味で、次回も酒 の性格上、ロットや時間が変れば同じとは言切れませんが、傾向としては、間 違ってはいないと思います。  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−             ★最後までお付き合い下さり、ありがとうございました。 次回も又よろしく、ご購読の程お願いします。  次回2月下旬に発行予定です。 ホームページで、もっと詳しいことを書いています。また、呑んだ吟醸酒の 写真も掲載しています。お立ち寄りの上、足跡を残して下さい。 http://www2.ttcn.ne.jp/ginjo/ です。 Eメール:ginjo@mx4.ttcn.ne.jp   ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー    =編集後記=  美酒礼賛、吟醸酒って美味しいですよね、良き友と良き会話と良き肴で、 最高です。 (^o^) ニューフェースも加わって楽しい会になっています。  暦の寒の真っ只中で、寒さが続いています。日本海側は豪雪で被害も出て います。早い回復をお祈り申し上げます。  この時期、酒蔵では急ピッチで吟醸酒の仕込みに追われています。美味しい お酒を造るにはこの寒い時期が大切なのですが、寒すぎていつものデータが役 に立たないとこぼしている杜氏さんも居るくらいです。でも、今年の吟醸酒は 期待が出来そうです。  吟醸酒のコーディネーター、東京・上野の関矢健二氏が1/24亡くなりました。 享年60歳。20年近く前、吟醸酒を世の中に紹介し、普及させた本人です。 オリジナル酒80種を越え、今の日本酒の発展に寄与した功績は多大なもので した。合掌。                              編者 吟醸 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー このメールマガジンは、インターネットの本屋さん 『まぐまぐ』 http://www.mag2.com/ (マガジンID:0000093635) と 『melma!』 http://www.melma.com/ (マガジンID:m00010538) を利用して発行しています。 購読停止は上記購読申し込みした所から出来ます。