◇◇◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ □□□□         □□□□  ■■■■ 吟醸酒ニュース ■■■■    最近飲んだ吟醸酒の報告   □□□□         □□□□                        月刊誌Vol.84  2007/3月号 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◇◇   毎月1回吟醸酒を会で飲んでいます。有名無名の吟醸酒をリポートします。  ■■リポート■■    ■ 2007年3月31日(土) 例会 ■   ■1.八戸酒造(青森県八戸市)吟醸「陸奥八仙 あらばしり」無濾過生原酒 原料米;麹米/華吹雪 掛米/むつほまれ、 精米歩合;55%・60%    【アルコール分】18〜19度  【日本酒度】+2 【酸度】1.6   1.8L ¥2,572 (税込) A;味5、B;香り5、C;コストパホォーマンス5、D;総合評価5 E寸評; 封を切ると吟醸香がただよう。しかし、口に入れても強い香りはなく、 ほのぼのとした香りが嬉しい。味わい深く濃厚で新酒らしからぬおませな娘です。 この値段でこの酒質の酒が手にはいるなんて奇跡に近い。   ■2.今田酒造本店(広島県東広島市)純米吟醸「富久長 槽しぼり」生原酒 原料米;八反35号、 精米歩合;58%  【アルコール分】17.2度   1.8L  ¥2,835 (税込) A;味4+、B;香り4、C;コストパホォーマンス5、D;総合評価4+ E寸評;若干の酸味と渋味は新酒の味わいか。新酒のさわやかさと戻り香が素 敵。基本の優しさが飲み手に伝わり、夏過ぎには大化けするかもしれません。   ■3.高橋酒造店(山形県遊佐町)  特別純米  「東北泉」  生酒 原料米;美山錦、 精米歩合;50%   【アルコール分】15〜16度 【日本酒度】+2.0【酸度】1.3【酵母】山形酵母 1.8L ¥3,045(税込) A;味4、B;香り4、C;コストパホォーマンス4、D;総合評価4 E寸評; 酒の酒らしい酒です。香り控えめ、味わい控えめ。控えめな娘です。   ■4.桃川(青森県百石町)  純米吟醸  「桃川 寒造り」  生原酒 原料米;五百万石、美山錦、 精米歩合;58%   【アルコール分】 17〜18度 【日本酒度】+3【酸度】1.5  1.8L ¥3,360(税込) A;味4、B;香り4、C;コストパホォーマンス4、D;総合評価4 E寸評; 寒造りはあたりまえ、夏には造りませんからね(冗談)。今年の寒も 大寒も暖かい冬だったので造り手も困ったことでしょう。ごく普通の純吟です。   ■5.廣田酒造(岩手県紫波町)純米吟醸「廣喜 しぼりたて」無濾過生原酒 原料米;吟ぎんが、 精米歩合;55%   【アルコール分】16〜17度 【日本酒度】±0 【酵母】岩手2号  1.8L ¥3,600 (税込) A;味4、B;香り4、C;コストパホォーマンス4−、D;総合評価4 E寸評; 五味がバランスして旨いが、後味が重く杯が進まない。紫外線の影響 が大きい透明ビンはいただけない。   ■6.磯自慢酒造(静岡県焼津市) 特別本醸造「磯自慢」 無濾過生原酒 原料米;山田錦、 精米歩合;麹55%、掛60%   【アルコール分】 18〜19度  【日本酒度】+6 【酸度】1.2  【酵母】NEW−5(静岡)  1.8L ¥3,240 (税込) A;味5、B;香り5、C;コストパホォーマンス5、D;総合評価5 E寸評; 本醸造と肩書きにはありますが、吟醸酒が裸足で逃げ出します。 五味がバランスして旨味充分。香りも充分。値段や肩書きだけでは中身の善し 悪しは分からない典型です。   ■付録;来福酒造(茨城県筑西市)  純米大吟醸  「来福」  生原酒 原料米;ひたち錦、 精米歩合;15%   【アルコール分】17〜18度 【日本酒度】+ 4 【酸度】1.2   1.8L 会員持ち込み(10,500) A;味5、B;香り5、D;総合評価5 E寸評; このお酒の最大の特徴は精米歩合15%(85%をヌカとして捨てる) と言うことです。米粒一つが磨かれて粟かヒエの大きさしかありません。それ で醸した酒ですので、雑味は一切無く、水のようにサラサラとしていますが、 旨味は充分伝わってきます。究極の吟醸酒の一つで、蔵元のお遊び(?、研究) で造られた酒です。自分のご褒美の為に飲む美酒です。   ■■安価アルコールを添加した「三増酒」は清酒と呼べなくなります。  酒にトウモロコシなどコメ以外から造ったアルコールを加えて量を3倍程度 まで増やす「三倍増醸造酒(三増酒)が10月から「清酒」として販売出来な くなる。昨年5月の酒税法改正で、コメから造った酒を上回る量のアルコール を加えると、清酒として認められなくなったためだ。日本酒の消費量が20年 で半減する中、歴史的な役割を終えようとしている。  三増酒は戦後のコメ不足の中、国が酒税を確保するため、安価なアルコール を加えた酒を清酒と認めたのが始まり。コメ不足解消後も「アルコールを添加 した方が品質が安定しやすい」などの理由で清酒扱いが続き、ラベルの清酒表 示にも区別はなかった。ただアルコール添加が悪酔いの原因。日本酒の評価を 落としている」との批判があり、日本酒造組合中央会なども「コメで造ったお 酒が半分以下しかないものを日本酒と認めるのはおかしい」と見直しを求めて いた。  10月以降は「リキュール」扱いとなり、アルコール度数15度で1.8 リットルあたり216円だった税額が270円に上がる。  「三増酒の味を好む人も多い」(大手酒類卸)と製造を続けるメーカーもあ るが、大半は添加アルコールを減らす方向。山田聡昭・酒文化研究所第1研究 室長は、「三増酒を否定する必要はないが、低い税率は必要なくなった。『日 本酒はコメを醸酒したもの』という本来の姿に戻るだろ」と話している。 【毎日新聞4/1朝刊より】  やっと正常な日本酒=清酒に戻ることになりました。三増酒の味を好む人も 多いと言うことを問屋筋は言っていますが、それが日本酒の衰退を招いたので す。それを造り続ける蔵元(メーカー)は生き残れなくなるでしょう。決して 私はそれが悲しいことだとは思っていません。全ての商品、サービスは品質で 競争するのが当たり前の世界ですから。特定名称酒(本醸造酒、純米酒、吟醸 酒、純米吟醸酒、大純米吟醸酒など)は消費が落ちていません。落ちているの は三増酒だけです。消費者はバカではありません。逆に消費者をバカにしては いけません。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ◆いつもご購読いただいている読者の方は、次枠まで読み飛ばしてください◆   ◆吟醸酒について、消費者(飲み手)という立場で毎月1回書いています。 評論家や蔵元、酒屋の立場では見ていません。また、音楽とか味覚とかいう物 は大変抽象的で表現が難しいのですが、平易に書きたいと思っています。  よく、食べ物店の紹介記事で絶賛している物を食べると、首を傾げたくなる 時が多々ありますし、テレビでリポーターが口に入れたとたん「うまい」と発 言しているウソ等はここでは、しないように心がけています。旨いものは旨い と、不味いものにはハッキリ不味いと言います。   ◆月に一度の例会で飲んだ吟醸酒について、ズバリ、どういう酒か皆様への 判断基準を書きます。   A;味、B;香り、C;コストパーホーマンス、D;総合評価を、各5点評 価(5;最上 4;良 3;まあまあ 2;まだまだ 1;評価外)で表しま す。 総合評価3−(マイナス)以下ではもう一度買うかと言えば、考えてし まうレベル。2ではタダで贈られても困ってしまうレベル。   私の独断で辛口評価し、E;寸評も入れます。なお、会での評価も、判断基 準の参考にしています。また、評価はこの日に飲んだ吟醸酒の味で、次回も酒 の性格上、ロットや時間が変れば同じとは言切れませんが、傾向としては、間 違ってはいないと思います。  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−             ★最後までお付き合い下さり、ありがとうございました。 次回も又よろしく、ご購読の程お願いします。  次回4月例会は28日ですので、4月下旬に発行予定です。 ホームページで、もっと詳しいことを書いています。また、呑んだ吟醸酒の 写真も掲載しています。お立ち寄りの上、足跡を残して下さい。 http://www2.ttcn.ne.jp/ginjo/ です。 Eメール:ginjo-kawa@mx4.ttcn.ne.jp   ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー    =編集後記=  美酒礼賛、吟醸酒って美味しいですよね、良き友と良き会話と良き肴で、 最高です。  桜が満開になりました。東京は全国で一番に開花し、満開を3月下旬に迎え ています。私も東京で桜の名所と言われる九段・千鳥ヶ淵に花見に3/30に行っ て来ました。素晴らしい眺めを満喫してきました。その時の写真をご覧下さい。 http://ginjoaruku.web.fc2.com/07-04/sakura.htm 日本酒党の私でも、この時は花よりビールを片手に散歩となりました。 皆様の地方ではお花見はいつ頃になりますか。                              編者 吟醸 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー このメールマガジンは、インターネットの本屋さん 『まぐまぐ』 http://www.mag2.com/ (マガジンID:0000093635) と 『melma!』 http://www.melma.com/ (マガジンID:m00010538) を利用して発行しています。 購読停止は上記購読申し込みした所から出来ます。