◇◇◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ □□□□         □□□□  ■■■■ 吟醸酒ニュース ■■■■    最近飲んだ吟醸酒の報告   □□□□         □□□□                        月刊誌Vol.92  2007/11月号 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◇◇   毎月1回吟醸酒を会で飲んでいます。有名無名の吟醸酒をリポートします。  ■■リポート■■     ■ 2007年11月24日(土) 例会 ■ ■1.酒田酒造(山形県酒田市)  「上喜元 翁」  生詰  原料米;−、 精米歩合;57% 【アルコール分】16度    1.8L \2,100 (税込) A;味4+、B;香り4、C;コストパホォーマンス5、D;総合評価4+ E寸評; 甘く柔らかく、吟醸酒のおもむき十分。それもそのはず、大吟醸が 20%ブレンドされている。いい蔵元の酒が旨いのは、そのせいかもしれませ ん。ぐるりと飲み比べてきて、振り出しにもどると、清楚で、純真な乙女に心 ほだされる。コストパホォーマンス最高。   ■2.今田酒造本店(広島県東広島市)  吟醸 「富久長 秋桜」 ひやおろし 原料米;−、 精米歩合;60%   【アルコール分】15.3度    1.8L \2,310 (税込) A;味4、B;香り4、C;コストパホォーマンス5、D;総合評価4 E寸評; 旨味充分だが渋味が夏を越えてもまだ消えず、口中に残る。来春でも 十分に元気な素顔を見せるでしょう。いえいえ、来年のひやおろしでも旨さが 乗ってくる気配を感じます。   ■3.鍋店(千葉県成田市)  大吟醸  「裏 不動」   吊し無濾過生原酒 原料米;山田錦、 精米歩合;50%   【アルコール分】17〜18度   1.8L \3,150 (税込) A;味4、B;香り4、C;コストパホォーマンス4、D;総合評価4 E寸評; 仁勇(鍋店)の蔵元でもこれだけの酒が出来るようになったのかと、 感慨深い心持ちです。濃い味わいだが重くキレ悪く、飲み終わった後に雑味が 残る。現代的な軽快感がない。   ■4.富久千代酒造(佐賀県鹿島市)  純米吟醸  「鍋島 三十六萬石」   原料米;山田錦、 精米歩合;50%   【アルコール分】16〜17度    1.8L \3,360 (税込) A;味4+、B;香り4+、C;コストパホォーマンス4、D;総合評価4+ E寸評; 濃厚で甘く酸味が立ち、各々の五味が自己を主張し交わることを知ら ない。強い味わいの個性が、油っぽい料理に負けず、際立っている。     ■5.佐久の花酒造(長野県佐久市)  大吟醸  「佐久の花」   原料米;ひとごこち(新美山錦)、 精米歩合;39%   【アルコール分】 16〜17度  1.8L \3,470 (税込) A;味4+、B;香り4+、C;コストパホォーマンス4、D;総合評価4+ E寸評; 香りがキツイ銘柄の酒ですが、今回の君は香り控えめで、酒の旨さ が伝わってくる。鈍重ではない落ち着きのある味わいで、旨さを感じさせる。 アル添臭さがあったが、空気に触れて時間が経ったらバランスしてきた。   ■6.福美菊酒造(富山県富山市)  大吟醸  「羽根屋」   原料米;山田錦、 精米歩合;40%   【アルコール分】16〜17度 【日本酒度】+5 【酸度】1.2  1.8L \3,500 (税込) A;味5、B;香り4+、C;コストパホォーマンス4+、D;総合評価4+ E寸評; 味わいバランスして雑味無く旨い。ほうじ茶のような香ばしい香気 と、五味がザワザワと押し寄せてくる。渋味とアク味が、弱いが口中に残り、 ”ウラを返す”のが危ぶまれる。 ■■吟醸酒の表示について  酒造好適米「亀の尾」を使って醸した吟醸酒が出ていますが、瓶ラベルにこ の様に表示されています。 『吟醸酒 米、米麹』 吟醸酒といえば、米、米麹、醸造用アルコールで造られた酒を意味します。 純米酒と言えば、米、米麹だけで醸された酒を意味します。 私はこの様に思っていますので、蔵元に聞きました。この酒は純米なのか吟醸 なのかと。 蔵元さんの答えは 純米酒だと言います。返信をそのまま書きます。 「当社では、本来、日本酒(清酒)は『米と米麹と水で醸造した酒』であるべ き、と考えております。 つまり、”純米・大吟醸”といった表示をすることは、よく例え話にある”昔 の武士の侍が、馬から落ちて落馬して”と同じ表現になってしまうのではない でしょうか。」 ご理解くださいと言うものです。  これっておかしくありませんか。  純米酒に対してのこだわりは分かります。是非その信念を貫き通してください。  次の、言葉が重なるというのは如何なものでしょうか。言葉の定義の問題です。 先にも言いましたが、吟醸とは、純米とは言葉が定義付けられたものです。一 介の酒蔵の言葉遊びではありません。藏の方針はそうであっても、社会一般の 言葉の使い方に反したら、迷うのは消費者だけです。藏の意向で言葉をゆがめ てはいけないと思います。   国税庁の酒のしおりに「特定名称の清酒の表示」がありますが、これを読ん で勉強し直してください。 http://www.nta.go.jp/shiraberu/senmonjoho/sake/hyoji/seishu/kokuji891122/03.htm  インターネットではこの言葉とは裏腹に、純米大吟醸と肩書きをうたってい ます。この矛盾はどうしたことでしょう。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ◆いつもご購読いただいている読者の方は、次枠まで読み飛ばしてください◆   ◆吟醸酒について、消費者(飲み手)という立場で毎月1回書いています。 評論家や蔵元、酒屋の立場では見ていません。また、音楽とか味覚とかいう物 は大変抽象的で表現が難しいのですが、平易に書きたいと思っています。  よく、食べ物店の紹介記事で絶賛している物を食べると、首を傾げたくなる 時が多々ありますし、テレビでリポーターが口に入れたとたん「うまい」と発 言しているウソ等はここでは、しないように心がけています。旨いものは旨い と、不味いものにはハッキリ不味いと言います。   ◆月に一度の例会で飲んだ吟醸酒について、ズバリ、どういう酒か皆様への 判断基準を書きます。   A;味、B;香り、C;コストパーホーマンス、D;総合評価を、各5点評 価(5;最上 4;良 3;まあまあ 2;まだまだ 1;評価外)で表しま す。 総合評価3−(マイナス)以下ではもう一度買うかと言えば、考えてし まうレベル。2ではタダで贈られても困ってしまうレベル。   私の独断で辛口評価し、E;寸評も入れます。なお、会での評価も、判断基 準の参考にしています。また、評価はこの日に飲んだ吟醸酒の味で、次回も酒 の性格上、ロットや時間が変れば同じとは言切れませんが、傾向としては、間 違ってはいないと思います。  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−             ★最後までお付き合い下さり、ありがとうございました。 次回も又よろしく、ご購読の程お願いします。  次回12月例会は22日ですので、12月下旬に発行予定です。 ホームページで、もっと詳しいことを書いています。また、呑んだ吟醸酒の 写真も掲載しています。お立ち寄りの上、足跡を残して下さい。 http://www2.ttcn.ne.jp/ginjo/ です。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー    =編集後記=  美酒礼賛、吟醸酒って美味しいですよね、良き友と良き会話と良き肴で、 最高です。  秋も深まってきました。東京でも桜が葉を落としています。銀杏の黄金色の 紅葉にはまだ少し早いようです。  新しい酒の仕込が始まっています。今年のお米の作具合は良かったので、新 酒の出来ぐわいは期待が持てそうです。                              編者 吟醸 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー このメールマガジンは、インターネットの本屋さん 『まぐまぐ』 http://www.mag2.com/ (マガジンID:0000093635) と 『melma!』 http://www.melma.com/ (マガジンID:m00010538) を利用して発行しています。 購読停止は上記購読申し込みした所から出来ます。