◇◇◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ □□□□         □□□□  ■■■■ 吟醸酒ニュース ■■■■    最近飲んだ吟醸酒の報告   □□□□         □□□□                        月刊誌Vol.98  2008/5月号 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◇◇   毎月1回吟醸酒を会で飲んでいます。有名無名の吟醸酒をリポートします。  ■■リポート■■     ■ 2008年5月31日(土) 例会 ■ ■1.天寶一(広島県福山市) 純米大吟醸四〇 「天寶一 せめ 裏ラベル」 原料米;兵庫特A山田錦、 精米歩合;40%   【アルコール分】17度 1.8L \3,150 A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4 E寸評; 責めすぎたのでしょうか、渋味が口中を刺し、手が止まります。 燗をしてみました。ぬるめや人肌ではこの渋味が取れません。家庭でやる熱め の燗にしたら、カドが取れ優しさがが出て、日本酒の旨さが出た。冷やで飲む より熱めの燗で楽しみましょう。   ■2.秋田木村酒造工場(秋田県湯沢市)大吟醸「福小町 押切 裏ラベル」生酒 原料米;山田錦、 精米歩合;40%   【アルコール分】17〜18度 1.8L \3,150 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5 E寸評; 甘く柔らかく大吟醸の風格十分。せめの感無く、コストパフォーマ ンス最高な買い得の逸品。   ■3.酒田酒造(山形県酒田市)  大吟醸  「上喜元 押切 裏ラベル」 原料米;山田錦、 精米歩合;35% 【アルコール分】17度  1.8L \3,150 A;味4+、B;香り4、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価4+ E寸評; 美味い、旨いが渋味が口中を刺す。カタクチに入れて空気と結婚させ ると柔らかく、旨味が出た。開封したてより2〜3日過ぎてからの方が旨味が 上がってくるでしょう。   ■4.富美菊酒造(富山県富山市)  大吟醸  「羽根屋 押切」  原料米;山田錦、 精米歩合;40%   【アルコール分】16〜17度 【日本酒度】+ 5 【酸度】1.2  1.8L \3,500 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5 E寸評; 味わい豊で雑味も感じられず、旨味が十分詰まっている。五味が バランスしこの液体の中に溢れている。   ■5.月桂冠(京都市伏見区)  純米吟醸  「月桂冠」  原料米;山田錦、 精米歩合;60%   【アルコール分】16.5度 【日本酒度】+ 3 【酸度】1.6  1.8L \3,500 A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4 E寸評; 君!こんな大メーカーで、吟味されたはずなのに、この味? ざらついた感触と嫌な渋味と味わいのバランス感がない。いま一歩、 いえいま二歩。     ■6.美冨久酒造(滋賀県甲賀市)  大吟醸 「美冨久 大吟極醸」 原料米;山田錦、 精米歩合;45%   【アルコール分】17度 【日本酒度】+ 5 【酸度】1.1  720mL \2,520 A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス3、D;総合評価4+ E寸評; 吟醸酒の標準ですが、個性もなく、また感動もなく、この値段では リピーターはないでしょう。日本酒造協同組合連合会・酒プラザ(新橋)で購 入。いつもガッカリする品揃え、もう少し吟味してよ。     ■7.旭酒造(山口県岩国市)   純米大吟醸  「獺祭 磨き三割九分 遠心分離」 おりがらみ 原料米;山田錦、 精米歩合;39%   【アルコール分】15〜16度 【日本酒度】+4 【酸度】1.4   1.8L \5,985 A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス3、D;総合評価4 E寸評; 白濁した中からきつめの酸味と硬い味わいが伝わってくる。開封し て時間が経っても味わいに変化なし。酸味きつくバランス悪し。   ■今回飲んだ1〜4番の吟醸酒は「せめ」(=押切)の酒です。モロミ(発酵 が終わって白濁した液体)を絞る時、最初にしたたり落ちてくるのは「はなた れ」とか「初取り」とか言われ、自重で袋からほとばしり出てきます。雑味が 無く清楚で贅沢な酒質になります。続いて「中取り」が万遍なく五味を含んで いて、その酒本来の味わいを持っています。最後の絞り部分を「せめ」と言い ます。  せめは味わいが濃いのですが、えてして雑味が多く単品では商品になりにく く、通常蔵元では下級の酒に混ぜて商品としています。美味しい吟醸酒を造っ ている蔵元の普通酒が美味くなるのはこのせいもあります。  今回、この「せめ」を単品の商品として販売されたもので、蔵元としてはお 客さんに見せたくない舞台裏を露見させてしまうので、商品にしたくない部分 です。でもそれが分かって飲む分には最高のコストパフォーマンスと勉強にな ります。杉浦酒店(葛飾区)では表道を歩く酒達に対して、裏街道と言うこと で、ラベルの文字を裏焼きしています。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ◆いつもご購読いただいている読者の方は、次枠まで読み飛ばしてください◆   ◆吟醸酒について、消費者(飲み手)という立場で毎月1回書いています。 評論家や蔵元、酒屋の立場では見ていません。また、音楽とか味覚とかいう物 は大変抽象的で表現が難しいのですが、平易に書きたいと思っています。  よく、食べ物店の紹介記事で絶賛している物を食べると、首を傾げたくなる 時が多々ありますし、テレビでリポーターが口に入れたとたん「うまい」と発 言しているウソ等はここでは、しないように心がけています。旨いものは旨い と、不味いものにはハッキリ不味いと言います。   ◆月に一度の例会で飲んだ吟醸酒について、ズバリ、どういう酒か皆様への 判断基準を書きます。   A;味、B;香り、C;コストパーフォーマンス、D;総合評価を、各5点 評価(5;最上 4;良 3;まあまあ 2;まだまだ 1;評価外)で表し ます。 総合評価3−(マイナス)以下ではもう一度買うかと言えば、考えて しまうレベル。2ではタダで贈られても困ってしまうレベル。   私の独断で辛口評価し、E;寸評も入れます。なお、会での評価も、判断基 準の参考にしています。また、評価はこの日に飲んだ吟醸酒の味で、次回も酒 の性格上、ロットや時間が変れば同じとは言切れませんが、傾向としては、間 違ってはいないと思います。  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−             ★最後までお付き合い下さり、ありがとうございました。 次回も又よろしく、ご購読の程お願いします。  次回6月例会は28日ですので、メルマガは6月下旬に発行予定です。 ホームページで、もっと詳しいことを書いています。また、呑んだ吟醸酒の 写真も掲載しています。お立ち寄りの上、足跡を残して下さい。 http://www2.ttcn.ne.jp/ginjo/ です。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー    =編集後記=  美酒礼賛、吟醸酒って美味しいですよね、良き友と良き会話と良き肴で、 最高です。  東京地方はまだ梅雨入り宣言が出ていません。しかし連日雨模様で、梅雨の 真っ最中の感がします。気象庁では後日遡って、あの日から梅雨に入っていた と、宣言するのではないかと思っています。庭先にはアジサイが素敵な表情を 見せています。                              編者 吟醸 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー このメールマガジンは、インターネットの本屋さん 『まぐまぐ』 http://www.mag2.com/ (マガジンID:0000093635) と 『melma!』 http://www.melma.com/ (マガジンID:m00010538) を利用して発行しています。 購読停止は上記購読申し込みした所から出来ます。