◇◇◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ □□□□         □□□□  ■■■■ 吟醸酒ニュース ■■■■    最近飲んだ吟醸酒の報告   □□□□         □□□□                        月刊誌Vol.121  2010/4月号 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◇◇   毎月1回吟醸酒を会で飲んでいます。有名無名の吟醸酒をリポートします。  ■■リポート■■     ■2010年4月24日(土)例会■ ■1.小黒酒造(新潟市北区)   純米吟醸  「嘉山」 無濾過生原酒 原料米;越淡麗1等米、 精米歩合;55%   【アルコール分】 18度 1.8L \2,790 A;味4、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価4+ E寸評;香り華やかで若い娘の力強さを感じさせます。炭酸味が口中で暴れま すが、まだまだ新酒のオボコなのでしょう。 ■2.早川酒造(三重県菰野町) 純米吟醸「田光(たびか)責め」袋吊り生 原料米;雄町、 精米歩合;50%  【アルコール分】17度 1.8L \2,730 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5 E寸評;日光と呼びそうになって、あわてて「たひかり」と読んで、正解は 「たびか」?どんな意味なのでしょうか。それよりもこの味が責め? 雑味が なく、旨味が厚く、充分すぎる旨さが弾けます。データからしても、ラベルや 瓶のコストを考えてもマズい訳はありません。 ■3.早川酒造(三重県菰野町) 純米吟醸「田光(たびか)中取り」袋吊り生 原料米;雄町、 精米歩合;50%  【アルコール分】 17度 1.8L \3,250 A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価4+ E寸評;上記田光の中取りバージョンです。常識から言えばこちらの方が旨いん でしょうね。でも、実際は上記の方が旨いんです。味わいは責めとくらべ爽やか で淡麗。純真無垢のお嬢様タイプ。悪く言えば人生の深い厚みがまだありません。 ■4.佐久の花酒造(長野県佐久市)大吟醸「佐久の花おりがらみ」無濾過原酒 原料米;長野県産ひとごこち、 精米歩合;29%   【アルコール分】 17〜18度  1.8L \3,150 A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価4+ E寸評;この酒も責めです。おりがらみで白濁した液体の中から旨味が上がって きます。雑味は感じず、厚みのある旨さに酔いしれます。この蔵元さんの同銘柄 の酒は香りが強く華やかですが、落ち着いた香りに安心感がただよいます。 ■5.富久千代酒造(佐賀県鹿島市)   純米吟醸  「鍋島」 生酒 原料米;山田錦、 精米歩合;50%   【アルコール分】 16〜17度   1.8L \3,360 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価5 E寸評;旨味が口中で爆発せず、一拍してからその味わいが楽しめます。微妙 に五味のバランスが崩れているのですが、そこがチョイワル親父の良いところ なのでしょう。 ■6.八戸酒造(青森県八戸市) 純米大吟醸 「陸奥八仙隠し酒」生酒 原料米;華吹雪、 精米歩合;50%   【アルコール分】 17〜18度 1.8L \3,465 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5 E寸評;ラベルは八仙ですが裏焼きになっています。濃い色合いの液体の中か ら濃縮された旨味が立ち上がります。これも隠し酒(責め)ですが、旨味がいっ ぱい詰まった佳酒です。 ★今回は、初取りや中取りの通常バージョンではなく、3本が責めです。この 責めは酒を絞る時に最初に出てくる初取り、初たれや、中間で取れる中取り、 これらは澄んだ味と雑味がなく品性が良いとされています。最後に絞られて出 てくる酒は責めと言います。この責めは、強引(?)に最後の一滴まで絞り込 みますので、雑味が多く品の悪い、言い換えれば飲めるような酒質の酒ではな く、販売はされないのが通常です。では必ず出来るこの部分の酒はどうすると 言えば、普通酒や地元向けの酒に混ぜ込まれます。良い吟醸酒が出来る蔵元の 普通酒が旨いのはこの辺の事情もあります。  話戻って、責めってそんなにマズいの? 今までの一般常識からすると旨く ないと言われ、販売もされませんでしたが、実際呑んでみると、こんなにも旨 いのかと逆に驚かされます。そう、旨いんです。それに今のところ蔵元さんも 普通酒に混ぜ込むような値段で出していますので、中取りなどから比べと安価 で、コストパフォーマンスは最高です。その味を自分の口で見付け低価格で商 品化した酒屋さんに感謝です。  珈琲でもそうなのですが、ドリップで立てると最初にしたたり落ちる珈琲は さらっとして物足りなさを感じます。中間の味はその珈琲の味わい、最後は渋 さを伴った重さがあります。でも、これを全部混ぜると、全ての味が渾然一体 となってバランスされるのです。  お酒でも同じなのではないでしょうか。何処か一ヶ所取り出しては酒の一面 しか味わう事が出来ません。人間と同じように長所も短所も合わせて、初めて その人を評価できるのと同じような気がします。  責め、この旨さは、コロンブスの卵なのでしょう。  有るビール会社で出している「一番搾り」の、残りの二番三番絞りはどこに 行ってしまうのでしょうね。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ◆いつもご購読いただいている読者の方は、次枠まで読み飛ばしてください◆   ◆吟醸酒について、消費者(飲み手)という立場で毎月1回書いています。 評論家や蔵元、酒屋の立場では見ていません。また、音楽とか味覚とかいう物 は大変抽象的で表現が難しいのですが、平易に書きたいと思っています。  よく、食べ物店の紹介記事で絶賛している物を食べると、首を傾げたくなる 時が多々ありますし、テレビでリポーターが口に入れたとたん「うまい」と発 言しているウソ等はここでは、しないように心がけています。旨いものは旨い と、不味いものにはハッキリ不味いと言います。   ◆月に一度の例会で飲んだ吟醸酒について、ズバリ、どういう酒か皆様への 判断基準を書きます。   A;味、B;香り、C;コストパーフォーマンス、D;総合評価を、各5点 評価(5;最上 4;良 3;まあまあ 2;まだまだ 1;評価外)で表し ます。 総合評価3−(マイナス)以下ではもう一度買うかと言えば、考えて しまうレベル。2ではタダで贈られても困ってしまうレベル。   私の独断で辛口評価し、E;寸評も入れます。なお、会での評価も、判断基 準の参考にしています。また、評価はこの日に飲んだ吟醸酒の味で、次回も酒 の性格上、ロットや時間が変れば同じとは言切れませんが、傾向としては、間 違ってはいないと思います。  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−             ★最後までお付き合い下さり、ありがとうございました。 次回も又よろしく、ご購読の程お願いします。  次回5月例会は29日です。メルマガは5月下旬に発行予定です。 ホームページで、もっと詳しいことを書いています。また、呑んだ吟醸酒の 写真も掲載しています。お立ち寄りの上、足跡を残して下さい。 http://www2.ttcn.ne.jp/ginjo/ です。 メールは ginjo-one★mx4.ttcn.ne.jp です。 ★の所は@に変更してください。スパムメールが多いので、申し訳アリマセン。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー    =編集後記=  美酒礼賛、吟醸酒って美味しいですよね、良き友と良き会話と良き肴で、 最高です。  この季節の気候が不順です。寒さが異常に永く、未だ冬物が売れていますし、 春物への着るものが切り替われません。桜も長い間咲いていましたし、最後の 八重桜も終盤を迎えています。花の命は短くて・・・、と言われますが、長かっ た。この短い期間に卒業式、入学式、入社式と人生の区切りになる事が多くあ りました。新社会人の皆様、社会に巣立ってそろそろ、魔の5月がやってきま す。ダウンしてきたら酒の王様・吟醸酒を呑んで大きな心で乗り切りましょう。                              編者 吟醸 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー このメールマガジンは、インターネットの本屋さん 『まぐまぐ』 http://www.mag2.com/ (マガジンID:0000093635) と 『melma!』 http://www.melma.com/ (マガジンID:m00010538)を 利用して発行しています。 購読停止は上記購読申し込みした所から出来ます。