舞台「アジアの女」シアター・トークの模様

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平成18年10月1日(日)15時30分頃〜

新国立劇場・小劇場

      

司会 : NHK堀尾アナウンサー

出演 : 長塚圭史 富田靖子 近藤芳正 菅原永二 峯村リエ 岩松 了


(司会)
 シアタートークは両面でやらせていただくの初めてなんですよ。足掛け司会4年くらいやっててこういうのは初めてなんで、お尻の方見せたりしますので、申し訳ありません(笑い)よろしくお願いします
 こんなにお残りいただきましてありがとうございました。今日の公演を見ずに、以前にご覧になって、今日わざわざシアタートークだけのために来しになった方、拍手お願いします。(パラパラ拍手)9人くらいですね、ありがとうございます(会場笑い)

 それでは、まだこの公演をご覧になってなくて、シアタートークを聞こうと思って来られた方どうぞ。手を上げてください。(パラパラ拍手)3人ですか、わかりました。ということはですね、お芝居というのはストーリーとかあって、なるだけ
3人のために、最後の方にどうなるかというのはぼかしながら、3人のためだけにその辺の配慮をしながら質問をして行こうと思います。

 シアタートークはいつも
1時間ほどやらしていただいてます。30分は私がリードでいろんなお話を伺い、あとの30分はみなさんからの忌憚の無いご意見、ご質問をしていただければと思います。原則、1人の方に1つの質問ということですね。例えば今回の一番苦労した点はどんなところですか、というのを全員に聞くんじゃなくて、どなたかに聞くということで、時間に限りがありますのでね。お約束をよろしくお願いします。

 それではここで年齢ごとの拍手をさせていただきます。
10代の方、・・・・・
 (20〜50代ほぼまんべんなく拍手あり)

 他の公演と比べて世代がまんべんなくお入りいただいている印象でございますね。
それでは、出演者と、作・演出の長塚さんの全員の方に出ていただきますので、質問をいろいろ考えておいてくださいね。

 さ、それでは、作・演出の長塚圭史に登場していただきましょう、どうぞ!(拍手)
富田さん、峰村さん、岩松さん、菅原さん、近藤さん。
座られるところは判ります?富田さん?

(富田)
 はい。


(司会)
 マイクは菅原さんと・・・いいですか富田さんで・・・。

(富田)
 いいです、あとで、もらいに行きまーす。


(司会)
 あのー、時間もありますので、ぐるーと回りたいと思います、よろしいですか。
では、まず、この作品に、みなさん、2つどちらかに拍手してください。面白かったという方、それから、よくわからなかったなという方、2つどちらかいきますよ。ご本人を前に叩きにくいと思いますが・・・(会場笑い)
(7:3くらいで面白かったの方が拍手多いが・・・)
(よくわからなかったの方が)決して少なくないということも頭に入れて、いろいろトークをしていきたいと思いますけど、まず、このお芝居「アジアの女」というタイトルですけど、東京の2010年を描かれたと・・・

(長塚)
 2010年とは明確にはしてないんですけど・・・

(司会)
 あ、してないんですか。まず、この芝居への取り組みへの気持ちから伺いたいと思います。

(長塚)
 いろんなもの全てを失ったところで、どうやって人が生きていくのかなというところを、いろいろ考える機会があったので、これを代作しようと思って始めました。それと昨年、三好十郎さんの「胎内」という舞台に出演しまして・・・・・いろんなものを失っていく中でどういうふうに力みたいなのを感じて、今それがおこったらどうなのかなと、その想像から始まっています。

(司会)
 絶望的な大震災の後、阪神大震災のイメージも中にあるんですか。

(長塚)
 まあ、いろんな資料を調べたのは阪神大震災の資料もですが、作っていくうちに関東大震災にイメージしていきました。

(司会)
 ん〜、そうですか、今まではどちらかというと暴力的なものとか、虐待をテーマにしたものとか、すごく動きの激しいエキセントリックな舞台の多い長塚さんのイメージがあるんですけども、今回ガーと変えてみようという、自分の中で何かありましたか。

(長塚)
 いや、最初はいろんなものを失った被災者達というのを言っていたとき、まあ、静かに暮らしている兄弟と、そこに訪れる男というとても静かな風景が頭の中に浮かんでいたので、そこは、初めから変えようと思っていたわけではなく、自然とそうなっていったわけなんですね。

(司会)
 テーマが「アジアの女」というタイトルなんですけど、最後の方のセリフで「アジアの女だった・・・」という近藤さんのセリフですよね。あそこで初めて出てくるんですよね。この「アジアの女」というタイトルにしたのは・・・

(長塚)
 これ、大丈夫なんですか・・・
3人の方が心配で・・・(出演者、会場笑い)いや、「アジアの女」という・・・まあ、すべてを失って最底に向かっていくというところで、強い人間は誰かというと、女性が強いんじゃないかと思っていたんですね。それで、あの、・・・・作家の男が現れて、その物語を作る、その物語のタイトルになるんじゃないかなって思ってタイトルを付けました。そのタイトルを付けたときはまだ本が出来ていませんでした。

(司会)
 そのアジアの女を富田さん、強調する役でありましたけども、この中では唯一精神的に病んでいる役どころですよね。

(富田)
 ありそうな発病をするのは私ですけど、どこか、みんな壊れているようなところもあるので、何となく自分だけっていう感じが・・・

(司会)
 っていうか、一番まともなんじゃないかというところも見えますよね(会場笑い)

(富田)
 多分そういう演出をされたんだと・・・

(司会)
 富田さんは数々の舞台に出てらっしゃいますが、今回の「アジアの女」ご苦労された点はどんなところですか。役作りも含めて。

(富田)
 あの、「てにおは」が難しかった・・・です、最初。(?)を覚える段階で長塚さんの「てにおは」、セリフの「を」とか「も」とかっていうのが覚えるのが、最初少し手間取りました。独特の、わからないけどリズムがあるような気がして・・・

(長塚)
 あ、そうですか・・・。自分で意識して変えてるわけじゃないですけど、音にして書いてるんで。

(司会)
 どういう演出をさる方ですか、長塚さんは。

(富田)
 学校の先生みたいな・・・、なんかこう、いつもアドバイスを受ける時は職員室に呼ばれた生徒みたいな・・・
(富田さん、会場笑い)

(司会)
 そうなんですか。怒られることなんかもあるんですが、学校の先生みたいということは。

(富田)
 きっと怒るってるんだろうな・・・って思ってます。
(富田さん、会場笑い)

(司会)
 そうですか・・・。さあ、岩松さん、岩松さんは作家として活躍されて、演出家でもあり、こんなにフル出場される舞台というのも、他の方の演出される舞台では、あんまりないんじゃないですか。

(岩松)
 えーと2回目ですね。

(司会)
 やっぱり少ないんですね。それで、作家の役ですよね・・・(会場笑い)いや、1つ聞きたいんですけど、峯村さんの背中を思いっきり叩いていましたね・・・(会場笑い)あれは本気で叩いてらしたんですか。

(岩松)
 本気ですね(会場笑い)

(峯村)
 岩松さんの顔がすごく嬉しそうなんです。(会場笑い)

(司会)
 痛くないんですか?

(峯村)
 痛くは無いんです。

(司会)
 毎日腫れ上がってるわけじゃない?

(峯村)
 笑い

(司会)
 いろいろ作品も作っておられるし、今回の役の一ノ瀬については?

(岩松)
 ん〜(しばらく沈黙)あんまり考えてない・・・

(司会)
 役作りみたいなのは一所懸命・・・

(岩松)
 いや、あの、演出家に言われるままに・・・普段は自分が言う方だから、言われる快感というのがあって(会場笑い)ハイ、ハイ、ハイ、という感じで・・・声鏡みたいに、役者の快感ですね。(会場笑い)

(司会)
 いや、違うなー、俺だったらこうするなぁーっていうのは常に思うものなんですか?

(岩松)
 最初はね、ちょっと稽古は始まらない段階は、形になってないから、本しかないじゃないですか。そうすると本を客観的に利用するような感じがあったんですけど、やっぱり、稽古始まってしばらくすると、みんなセリフを早く覚えて、僕は走って追いつくしかないみたいな感じだったので 役者に徹したみたいな感じです。

(司会)
 長塚さんにとっては、岩松さんを起用するというのは、ある意味では、先輩の作家なわけですよね。やりにくさみたいなのは、あったりしないですか。「ここは岩松さんは違うこと考えてるんだろうな」と思いながら演出するとか。

(長塚)
 いや、もう、最初の頃に岩松さんがかついでくる(?)人だっていう風に思っていたんで、それは直感でなんですけど・・・。もちろん岩松さんは他人だろうと。ひょっとすると大変かも知れないけど、他人ていうのは、要するに僕にとってもプレッシャーがかかるし、恥かしいまねは出来ないし、また違う意味で、先輩としてという意味では、いろいろ多くの考えはあるだろうとなとは思ってはいたのですけど、それは覚悟の上だったので。元々いろんなお芝居を見に来てくれて、いろいろと指摘をしてくださってて、それも含めて楽しみに演出してました。

(司会)
 役者・岩松了として今回はいろいろ難しかったと思うんですけど、ハエを追う払うところとかね、意外に体力を使ってるようなね。

(岩松)
 体力というか、あんまり汗かかない人間なのに、汗かくから、楽屋に来た人に最初に必ず言うのは「やせないんだよ」(会場笑い)って言うんですよ。確かに出番が多いんで、最初からずっと引っ込まないんじゃないのかな。倒されて寝る場面で、やっと休めるんですよ。(会場笑い)稽古のときからずっと休み時間が無いんで、それ結構しんどかったですね。でも、演じることに関しては、・・・・なるべく僕はちゃんとできるようにしようと、素直な気持ちでやっていけば、なおいいですね。(岩松さん、司会笑い)

(司会)
 はい、それでは近藤さん、この芝居いかがですか。

(近藤)
 芝居ですか?(何故か、司会者、会場大笑い)手ごたえですか、どうなんですかね。案外にやっててわかんないんですよね。でも、ほんと何ていうのかな・・・まあ、言葉でいうと「自然体」ていうかな・・・体が柔らかいっていわれるんですけども、柔らかくないんですよ。そこら辺の役はいつも憂鬱だと思うんですけども・・・。

(司会)
近藤さんは役者として魅力的だと思うんですけども、今回の舞台への意気込みについては。

(近藤)
 僕、2回目で「ピローマン」に出たんですけども、その場所にすごく馴染むんです。

(司会)
 ですよね。本当にこういう所に昔から住んでたような・・・(会場笑い)本当に思えるんですよね、近藤さんは。(?)の時もそうでしたよね。聞くところによると、昔「夕鶴」がこの世界に入るきっかけだったんですよね。

(近藤)
 ああ、そうですね、小学校の学芸会でね、「夕鶴」の与ひょう役で。

(司会)
 与ひょう役をやって、この世界に入ったんですよね。入ったと言うか・・・(会場笑い) 意外にこれ難しい舞台じゃないですか。

(近藤)
 難しいですね。

(司会
 これについては、ご苦労を伺えれば・・・

(近藤)
 本読んだとき、結構わからない所がいっぱいあったんで、これを圭史君に質問しながら、これはこういう事なのか、こういう事なのかと、ずっとやっていった感じですね。

(司会)
 そうゆうものなんですか。例えばどういう所がわかんなかったとかは・・・

(近藤)
 えー、一ノ瀬と僕の関係性とか、再会する前にどんな感じだったのかとか、あるいは麻希子がどのくらいの病気だったのか、お母さんはどうして死んだんだとか、そういったことが全く書いてないんで・・・。父親は生きてるんですよね・・・?(会場笑い)

(?)
 生きてますねえ、食事がなくなりますからね。

(富田)
 はい。

(司会)
 近藤さん、それで時々言葉が・・・時間がありますよね。

(近藤)
 そうなんですね、意外と出ずっぱりなんですよ。最初待って出てくるところから、実はラストまで一度も引っ込んでないんですよ。結構寝てるときが多いんですけど(会場笑い)

(司会)
 役者さんにとっては厳しい舞台、出ずっぱりというのはね。では、菅原さん。今回の舞台の苦労をしたところとか。

(菅原)
 いや、自転車が・・・(菅原、会場笑い)自転車が、サドルがすごく高くて非常に危ないんですよ。(会場笑い)こんなこと言ったら何ですけど、1度壁と舞台の隙間に落ちたことがあるんですよ。初日に。(会場笑い)

(司会)
 本当にガレキみたいなところでやるわけですからね。

(菅原)
 足がそんなに長くないんで、下につかないんです。(会場笑い)

(長塚)
 変えようかって何回も言ってたんですけども。

(菅原)
 そうゆのはあったんですけども、あの自転車がいいんじゃないかと思って・・・自分の責任なんですけども・・・(会場笑い)

(司会)
 本当に芝居は面白いんですよね、菅原さんは・・・。それで、富田さんに求愛するんですよね。

(菅原)
 求愛、そう、常に求愛していますね。結局うまくいってないんですけど、悲しいですね・・・(菅原、会場笑い)

(司会)
 好意は受けてるんですよね。

(菅原)
 好意っていうか、すごく、だって届け物も受け取るし・・・。

(富田)
 どうなんですか・・・?
(会場笑い)

(菅原)
 違うの?僕はもう、かなり相思相愛な感じと・・・(会場笑い)

(富田)
 これは・・・あの、お話では・・・どうですか?

(長塚)
 まあ、これは、見た方がご自由に受け取ればいいみたいな感じだと思いますけども・・・。

(司会)
 それでいいです・・・?(会場笑い)
さ、峯村さん。峯村さんの存在感も大きいでよすね。

(峯村)
 大きいですかね(会場笑い)

(司会)
 「大きい女は嫌いだから」っていう・・・

(峯村)
 ひどいですよね・・・(会場笑い)

(司会)
 あのセリフは岩松さんが言うと説得力があるんですが・・・(会場笑い)

(峯村)
 ほんと、笑うお客さんもお客さんだなと・・・(会場笑い)

(司会)
 今回、「アジアの女」、なかなか深いテーマなんですけども、ご自分はその中にどういう形で演じていこうというのは、心がけってありましたか。

(峯村)
 ん〜

(司会)
 あるいは、長塚さんからこういうオファーがあって、こういう女性像でというのはありましたか。

(峯村)
 いや、ないですね。あんまりなくって、本を読んで、?さんの感じでやっていったんですけども・・・(小声で)困ったことあったかなぁ・・・(会場笑い)

(司会)
 富田さんとの関係で、いやな人になっていくみたいな・・・

(峯村)
 そうそう、なんか、いつもいい人の役が多いんですけども・・・(会場笑)

(司会)
 最初から最後までいい人・・・

(峯村)
 そうそう、多いんですけども、そういう風にならないように心がけようと思いました。

(司会)
 でも、本当に面白い役どころですよね。

(峯村)
 そうですね、やってても面白いですね。

(司会)
 でも、ボケとツッコミみたいなやり取りもあるじゃないですか。

(峯村)
 え、どこですか?(会場笑い)

(司会)
 私だけが感じたのかな(笑い)

(峯村)
 どこですか?

(司会)
 え、いろいろな場面において、ええ、はい。
 さあ、それではそろそろ席替えをぐるっとして、皆様からの質問をお受けしたいと思います。どんな質問でもかまいません。どなたに、こういう質問をということをイメージして下さいね。では180度ぐるっと。

【席替えタイム】
 



(司会)
 マイクはありませんので、自声で大きな声で質問をしていただければと思います。
はい、どうぞ、どんなことでも構いませんので。

        以下、会場からの質問はマイク無しなので、ほとんど聞き取れず。
        回答から逆に推察し、簡略記載

●阿佐ヶ谷スパイダースでの長塚さんと、長塚さん1人の演出の違いについて

(長塚)
 えっと、基本的には違いはないと思ってるんですけども、ただ、阿佐ヶ谷スパイダースの場合は仲間がいて、中山祐一朗君というのと伊達暁君というのと僕が出て、僕が書いて3人が固まっているということで阿佐ヶ谷スパイダースに決まってるんで、それ以外の公演は、特に僕は基本的に先に、違いを感じないように心がけています。

(司会)
 例えば、翻訳を演出する場合と自分の作品を演習する場合があるんですよね。その辺の違いは・・・。

(長塚)
 それは違うんですよね、僕はなるべく自分が読んだ作品は面白さを正確に伝えたいなというのがあるんで、ちょっと違いますね。

(司会)
 ちなみに、岩松さん、演出家として、長塚さんの演出の特長、これは他の演出家とちょっと違うんじゃないかとか、そういうことがあったらお願いします。

(岩松)
 いや、結構細かいといいますか、僕も細かいといわれるんですけど、僕の細かさとタイプが違うような気がするんですけども・・・

(司会)
 といいますと、具体的には・・・

(岩松)
 役者がちょっとズレてくると修正しようとする細かさ、細いことが全体を築いていくから、それがすごく大事なことだから、それがいいことだと思って、僕ももっと細かくやらないとと思ったくらいで・・・

(司会)
 例えば立ち位置とか、動きとかあるでしょ。これは、あらかじめ決められているんですか。こっちからこっちへ動こうよとか、ここに座って倒れようとか。

(長塚)
 最初は自由です。

(司会)
 そうですか、そのうちに演出家の手が加わってくるんですね。

(長塚)
 そうですね。

(10秒間聞き取れず)

(以上、5月13日(日)追加記載)



【73分中ここまでで約27分】 


(岩松)
 何て言うのかな・・・、外堀を埋めれば中が固まるみたいな感じのものがあって、もうちょっと手を入れてあげたほうがこうなるとか、それは非常に重要なことだから、すごく正確にやっていく人だなと思いました。

(司会)
 岩松さん、虫を追い払う場面がありますよね。あれの時に何か言われたことがありますか。

(岩松)
 あれは・・・言われたことあったかな・・・最初はあまりなかったですけども、3人でやるところありましたよね、そこはいろいろありましたね。

(司会)
・・・・虫は何なんですか?(会場笑い)

(以下、約1分聞き取れず)

●岩松さんへ、演出家としての岩松さんもいいのだが、演技者としての岩松さんもいいので、これからは演技者としても活躍してもらいたい。


(司会)
 演出家じゃなくて、演技者として没頭した方がいいんじゃないかと・・・(会場笑い)でも、岩松さん、お芝居、非常に面白くて、ユニークだと思うんですけども、演技者として出ていただけるのかと・・・どうですか。

(岩松)
 いや、機会があれば・・・。自分の芝居で、スケジュールもあるんですが・・・困ったな・・・(会場笑い)機会があれば、はい。

(司会)
 一ノ瀬は、事実の羅列でしか書けない、お父さんのコネで入った、そうゆう出来の悪い作家の役っていうのは・・・

(岩松)
 だから、最初に長塚君に聞きましたね。僕はとにかくお金持ちなのねって。(会場笑い)お金持ちの役なわけね、俺はって。それは結構聞いたから。

(司会)
 お金持ちには見えなかった・・・(会場笑い)

(岩松)
 いや、お父さんが。お父さんがお金持ちだからボンボンということでね。

(司会)
 ということで、やってくれるということで、なかなかいい感触でしたよ。


●演劇における父親との関係について。

(長塚)
 まあ、父と限らずに、母もそうですし、親子関係だったり、そういう血のつながりというものに対して深い絆を感じていまして、それはうちの家族は仲がいいとか、仲が悪くても出会ってしまうものじゃないですか。見えないですけどもその血の鎖もたいなものについて僕はすごく興味があって、作品の中でも出来ればどこかひとつ血のつながりがある関係があるといいなと。誰しもが本当に思うんですが、共感がしやすいんじゃないかということもあるんですが、僕自身も興味があって。

(司会)
 実のお父さんは、この舞台ごらんになってるんですか。

(長塚)
 ・・・はい、来られるかもしれないです。(会場笑い)

(司会)
 見に来てくださるんですか、作品は。

(長塚)
 そうですね、来てくれる時期はパーっと来てくれるし、だいたい来てくれますね。

(司会)
 そうですか、何か一言二言おっしゃるんでしょ、どうだったって。

(長塚)
そうですね、お互いに、ええ、まあ。

(司会)
 そうですか・・・それでは次の質問



●ここで、私・へりおす@管理人が富田靖子さんへ質問。


(へりおす)

 富田靖子さんにお伺いしたいんですけども、前回、2月に「ラブハンドル」という舞台を拝見したんですけども、あの時は恋愛ものの、かなり明るい役柄で大変楽しかったんですけども、今回は、かなり重いテーマで、ぼくの記憶ではあまり笑顔の場面とかなかったんですけども、今回役柄がこう、がらっと変わったことに関して、何かやりにくかった点とか、役作りとかで苦労した点とかありましたら、お願いします。

(富田)
  ・・・・・(暫く無言)


(司会)
 難しいイメージだったということですか。

(へりおす)
 あの、いつも、そうですね、ファンタジーものとか、ああいう恋愛ものとかでよく拝見してるんですが、今回かなり違うタイプの舞台だったので・・・

(富田)
 あの・・・うまく言えないんですけど、ん・・・無理がないんです。一所懸命笑わなきゃとか、そういうことを全く今回はしてなくて、逆に頭を使うことを置いといてっていう感じで今回やってるので、もしかしたら、とても、こう、自分の内面に近いのがこの作品の麻希子という女性なのかもしれないなって思っているところもあります。

 なんかこう、無理して、無理ではないですけど、思いっ切り笑うと、長塚さんから「そんなに笑わなくていいです」
(会場笑い)「伝わってます」っていうふうに。だから伝えたくて笑ったりするんですよ、やっぱり。じゃなくても伝わってるから、やらなくていいですっていうことだったので、あまりこう、この舞台の上では無理とか・・・

 自分の素なのかって言われると非常に難しいところではあるんですけども、わりとこう、近いような気がしています。でも、どの役も、コスプレも麻希子も両方好きです。

(へりおす)
 
ありがとうございました。

管理人メモ
 
 本当は、特に質問したいことがあったわけではなく、話を振られない限り、なかなかトークに参加するタイミングがない富田さんに、何でもいいから話してもらいたいと、そういう気持ちで手をあげてみたわけです。

 しかし、急な思いつきだったので、質問が抽象的でわかりにくく、暫く困惑されてたようです。申し訳ありませんでした、富田さん。

 にもかかわらず、富田さんはいつもの語り口調で、言葉を選びながら丁寧にお話ししていただき、この舞台と他の舞台での取り組み方の違いがよく伝わってきました。ありがとうございました。

 ところで、司会の堀尾さん。最後の「コスプレ」の所でちょっと反応してたじゃないですか!
 「えっ?コスプレって言うと、どんな演技だったんですか?」とかで継いで、堀尾さんからもうちょっと話を引き伸ばしてほしかったんですけどね・・・(笑)



(以上、5月27日(日)追加記載)


【73分中ここまでで約36分】     

  




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