東京都中央区ほか
富田靖子さん出演ドラマ「パイナップルの彼方へ」のロケ地
平成4年放送の2時間単発ドラマ。鈴木深水(富田さん)はマイペースで独身OL生活を楽しむ毎日であったが、次第に職場の上司、同僚、友人、恋人との煩雑な人間関係巻き込まれていき、ついに過呼吸症候群というストレス性の病気になってしまう、という内容。ごく身近にありそうな展開であるが、それだけに共感できる部分が多く、自然に引き込まれる魅力がある。加えて、エルビス・コステロの「smile」をポップ調、バラード調にアレンジした曲がその時々のストーリー展開に絶妙にフィットしている点も見逃せない。2時間ドラマながら無駄な部分が全くなく、繰り返し見ても飽きの来ない、最も好きなドラマのひとつになっている。
(探訪日:平成16年 夏)
いすゞ自動車本社玄関前
深文が勤める会社の外観。1階のエレベーターフロアなどが使われた。
大森ベルポートA館
しながわ区民公園
「おっ、お弁当?自分で自分の弁当作るってなんか寂しいもんがあるな。」
「今月ピンチなので節約してるんです。」
「言ってよ、言ってよ、いつだってご馳走してやるから。」
「あー、そりゃどうも。」
「愛想のねえ言い方だな。鈴木ってのは、わーとか、きゃーとかって、口にしないの?」
黒字・・・神田正輝 紫字・・・富田靖子
お台場海浜公園
「岡崎さん、ありがとう。」
「言葉はいらねぇ、態度で示せ。」
「ご苦労様、よく頑張ったね。」
「よーし。せっかく来たんだ、泳ぐか。」
「うそ?、なんでそんなに元気なの?」
「恐いものないからよ、毎日がオレ、青春なんだ。」
「それ、本気で言ってるの?」
黒字・・・神田正輝 紫字・・・富田靖子
JR小田原駅
今、テンに会わなければ何かが壊れるわけじゃない。でも、私はテンに会いたかった。今この瞬間にどうしても会いたかった。
(以下、富田靖子ナレーション)
JR東京駅北口通路
私は何でテンに気持ちを打ち明けたりしなかったんだろう。つらい時も悲しい時もなぜ黙ってたんだろう。
JR東京駅丸ノ内北口改札付近
みっともない自分を見せるのが恥ずかしかったんだろうか。
JR東京駅丸ノ内側外観
甘えて嫌われるのが恐かったんだろうか。私はテンに一体何を求めていたんだろう・・・。
丸ノ内1丁目付近交差点
「深水〜」
「テン〜、私はテンが好きなんだよ〜、テンがいなきゃ頑張れないよ〜」
「テンが一緒にいなきゃダメなんだよ〜、私の隣にいてくれるだけでいいの、それだけで私は元気になれるんだよ、私はテンが好きなんだよ、大好きなんだよ〜」
黒字・・・石黒 賢 紫字・・・富田靖子
和田倉門交差点
「なんだか、言いたいこと言ったらすっきりしたよ。」
「勝手なヤツだな、俺が会いに行っても、電話してもずっと無視してたくせしてさ。」
「ごめんね。」
「俺さあ、あんまりカッコいいこと言えないけどさ・・・」
「なに?」
「深文(みふみ)と一緒にいるとごはんが美味しいんだよ。」
「ええ?」
「どんなにマズいもんでも2人で一緒に食べてると、ちゃんと明日のエネルギーになるんだよ。」
「うん・・・」
「なあ、ほら、世の中うまいことばっかりじゃないからさ、まずいこととかあってもちゃんと俺に話してくれよ。どんなにちっぽけで、ささいなことでもいいかなさ、なっ。」
「テン、仕事すき?」
「ん・・・、好きなときもあるし、嫌いなときもある。」
「頑張ろうナ」
「頑張ろうナ」
黒字・・・石黒 賢 紫字・・・富田靖子
和田倉門交差点
(日比谷通り北方向)
あとから調べてわかったことだが、過呼吸症候群というストレスの病気は特殊な気体を吸引させて治す方法があるそうで、私にとってテンは特別な、かけがえのない空気であった・・・