(C)TOSSインターネットランド/中学校/1年生/国語/古典と出会う/竹取物語/音読指導
長谷川博之(トークライン中学秩父JEサークル)
音読の力が育ってきた生徒に対し、現代文の部分をじっくり読ませた。全員がすらすら音読できるまで練習させた後、一字読解で理解度を確認した。読点までが長く音読しづらい文章ではあるが、生徒達はすらすらと読めるようになった。
◇教科書P.157 L.4〜P.160 L.11
竹取物語のあらすじを述べた部分の学習である。
机の上に無駄なものを置かせない。はじめは教科書と鉛筆のみ出させる。
確認1 音読してきた人! 10回、9回、8回……。
「努力家!」「よくがんばった!」「一回だってたいしたもんだ!」等声を掛けていく。読んできた生徒は得意顔。反面、読んでこなかった生徒は悔しそうな顔をしている。これで次の時間には挙手が増える。
指示1 「これは、竹取物語の冒頭です」とあります。指差しなさい。
作業の遅れている生徒のために隣同士確認させた。
指示2 右側に丸を十個書きなさい。
指示3 追い読みします。 「これは、竹取物語の冒頭です」 さんはい。
一度目、長い部分は文節ごとに区切って読む。
二度目は速度を上げ、一文単位で追い読みする。背筋の曲がっている子、教科書を持っていない子にそっと手を添えて指導した。
「何度も言うけど、音読は脳をとっても活性化させるんだよね。一所懸命読めば読むほど頭が良くなるよ」 いつものように音読の趣意を説明した。
指示4 個人読みします。一度読んだら座りなさい。全員起立。
「読み終えた後で問題を5問出します。内容を理解しながら読み進めなさい」そう告げて次の指示を出した。
指示5 隣同士で一文交替読みをします。向かい合いなさい。終わったら前を向いてもう一度読んでいなさい。
机間巡視をしながら、正しい姿勢でしっかりと声を出しているペアを褒める。褒め言葉が周りの姿勢を変化させる。
指示6 ノートを開きなさい。
7 一行空きで一〜五と書きなさい。
発問1 竹から生まれた子供は何か月で成人したのですか。(三か月)
2 子供は何と名づけられたのですか。(「なよ竹のかぐや姫」)
3 五人のうち求婚に成功したのは誰ですか。(いない)
4 かぐや姫が月に帰ったのはいつですか。(八月十五夜)
5 かぐや姫が帝に与えたのは何ですか。(不死の薬)
理解度を確認するため一字読解式にテンポよく出題した。指名で答えを言わせ、赤丸をつけさせた。
指示9 最後に指名なし音読をします。たけのこ読みでけっこうです。最初はBさん、お願いします。さんはい。
ひとりずつ短く評価の言葉を掛けていった。
音読しにくい文章なので立つのにためらいが見られたが、28名中21名が読んだ。
残りの時間で冒頭部分を暗唱させた。後に行う暗唱テストのためである。
強引に流れに引き込んだ一時間であったが、生徒は飽きずによく取り組んだ。たった一時間で、生徒の音読は驚くほどうまくなる。
(以上45分)