「はたらく婦人」のお給料

なんで休みにEXCEL使わなきゃあならぬ81万3千300おまけ


 前回ご紹介した『最近調査 婦人職業案内』に掲載されている、各種職業の給与を表に仕立て読者諸氏にお目にかける。職業紹介の記事はあっても、給与・収入が読み取れなかったものは、本表には載せていない。

 「学歴・学力」は、記事中「高等小学校卒業以上」とあれば「高等小学校」と表記している。講習や資格が必要な職業もいくつかあるのだが、今回は給与の紹介を目的としているので、一部を備考に記載したが、煩雑なところは省いた。
 「日給」「月給」の低・高は、○○銭〜××銭と記載された、低額・高額をそれぞれ入れてある。差がほとんど無いもの、顕著な差異があるものがあるが、見習い期間のものを除き、初任あるいは勤め初めの給与と、経年勤続後のものと混在しているようだ。ご留意願いたい。

 本表の無断転載は禁止します(使うヒトがいるとも思えぬが)。


 低い方でも日給1円もらえる仕事は、高女出のデパート店員(含むエレベーター・ガール)くらいなものである。
 年少者(女給仕)、見習いは50銭ちょっとで、仕事がこみ入ってくると70〜80銭。年期を積んで1円半程度になる。日給60銭が月25日働いて15円だ。1円でも25円。会社事務員の「月30円」が天井に見える。
 昭和6年の大工手間賃1日2円28銭(25日働いて57円)。日雇い労働者1円40銭(25日で35円)。高等官初任給が手当ナシで月75円。大卒の銀行員なら月70円。安月給と云われる小学校の先生でも月45〜55円―婦人は30〜45円だから10円違う。婦人労働者が「安価な労働力」であることが良くわかる。

 例の『値段史年表』(朝日新聞社)から、色々引く。
 岩波文庫は一冊20銭。帝劇の一等席が4円80銭で最低料金は40銭。封切館の料金は昭和5年で40銭。コーヒー一杯10銭(コロッケ2銭)。文化的な生活を送る困難さが知れる。
 住まいの方は、東京は板橋の戸建て家賃月12円。本郷の三食つき下宿は昭和3年だが月25〜30円(!)。これは帝国大学の学生向けか? 貸家・貸間はピンキリになるのは云うまでもあるまい。

(おまけの余談)
 何がいくら。ここは安い・あそこは高いと気にせず暮らしているので、モノの値段、自分の給与までも、問われてスグ答えられない。金銭にはズボラなのだが、昔の読み物からお金のトコロを抜き出すのは楽しい。

 しかし、当時の生活費がナンボかかるのかが解らないので、この給料でやっていけたんだろうか? と云う疑問は残ってしまう。