中国みやげ企画 軍事VCDの巻@

 海外旅行をする日本人は年々増加傾向にあり、修学旅行先を海外に求めることもすでに珍しくなくなった昨今、市井の一勤め人である私、印度総督もこの年末年始に中国旅行なんぞを行ってきた。


 中国と云うと、とかく旅行者はシルクロードだ、万里の長城だと観光地めぐりをするか、カシミヤのマフラーなんぞの買い出しに走るかが通例であるが、私と友人は上海と北京に留まっていた。一週間弱の旅行期間で、そうそうあちこちを回れるものでは無いのである。

 物資の調達と云う話しであれば、上海あたりで事は足りる。書物・CD・模型の類は、むしろ大都市の方が調達は容易である。

 ここでは、上海のCD屋で購入したVCD「中国革命戦争実録」第六集を紹介する。

VCDタイトル「使命」

新華社作成のドキュメンタリー&宣伝番組シリーズ「使命」の一編である。
 今回、全巻購入したわけではないので、全体の構成は不明であるが、人民解放軍創設から現代に至る歴史を貴重な映像を使って紹介する番組のようである。
 中国のTV番組と云うと、字幕が付き物なのであるが、このVCDには字幕表示が無い。したがって中国語を解さない私には、どういう意図で以下に紹介する画像が使用されているのか、まったく解らない。よって画像に付けたコメントは、すべて私的な解釈(曲解も含む)であることをお断りする。この1年くらいは市場に存在するものと思われるので、必要があれば直接購入されんことをお勧めする。値段は1枚たったの20元…邦貨にして400円弱(1999年末)である。

 一巻はいくつかのパートから構成されているが、ここではその中で私が「こりゃスゲえや」と思った部分のみを紹介する。

「東風1号発射実験記録」

 北京軍事博物館兵器館中央に鎮座する、どう見てもV2号にしか見えないロケット…それが中国人民が誇る「東風1号」である。ソ連から提供されたV2ロケットの機材が組み立てられていく…

工場に運び込まれた「東風」

 調整工場に汽車で運び込まれた「東風」

調整作業の様子

 運び込まれた「東風」の隣りでは、別の「東風」の調整作業が行われている。

運び出される「東風」

 クレーンに吊された「東風」いよいよ発射実験だ。

発射場に向かう「東風」

 トラックで発射場に向かう「東風」。弾頭部分は取り付けられていない。

発射指示を待つ「東風」

 発射態勢が整い、発射指示を待つ「東風」。

発射指揮所

 発射指揮所の様子。機材の古さが時代を感じさせるが、それでも1960年代であろう。日本人が新幹線を走らせていたころ、彼等はこんなことをやっていたのである。

秒読み表示板

 カウントダウン表示板。ロシア製であることが明白である。

飛翔する「東風」

 飛翔する「東風」。アメリカの記録映像であれば、この後あらぬ方向に飛んでいったり、そのまま落下すると云う芸を見せるところであるが、そう云う都合の悪い映像は当然の事ながら「没有(メイヨー 中国で一番使用頻度が高い言葉の一つ。「無い」を意味する)」である。

祝賀式典の様子

 実験は無事成功。めでたく「東風」は中国人民解放軍の有力な兵器となったのである。

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