中国みやげ 軍事VCDの巻A


 前回はVCD「中国革命戦争実録」第六集から「東風1号」試験の様子を紹介したが、よくよく考えてみるとこれらの映像(紹介時点では画像であるが…)は、20年前であればスクープ物の映像なのである。30年前ならスパイとして銃殺モノである。こう云う映像が商品として巷のCDショップに並んでしまう程、中国の「改革・開放政策」は進んでいる。
 我が国が世界に誇る自衛隊兵器の試験映像を、当事者以外の誰が見たであろう!


 今回もVCD「中国革命戦争実録」第六集の続きである。「弾道弾」とくれば「核兵器」である。これは凄いよ(笑)。


第一回核実験爆心(笑)

 のっけからこれである。記念すべき「第一回核実験爆心地記念碑」である。ゆくゆくは観光資源として活用するつもりなのだろうか?

JOCでは無い

 別に東海村の某企業の核燃料製造工場では無い。ステンレス?製バケツの中で、黄色い物質が攪拌されている。


不幸な猿

 何故か完成した原子爆弾の映像は無い。記録好きな中国人が映像を残さないはずがない。原爆本体の映像はまだ機密事項なのだろうか?

 と云う視聴者の疑問をよそに、実験準備は着々と進行する。どこの国でも余剰兵器に実験動物を積み込むものらしい。これは猿。外に犬が使用されている。米国では人間に皮膚感が近い豚を使用していたが、「食べ物を粗末にしてはいかん!」と云う毛沢東の一言で豚は使用されなかった(多分嘘)。


決死の撮影班

 歴史的瞬間を撮影すべく配置につく映像記録班。白つなぎにサングラスと云う「死に装束」。手元のコントローラで後ろのキャメラを操作するのだろうか。


見物人

 歴史的瞬間を「特等席」で待ち受ける人々。志願して来たにせよ、連れてこられたにせよ、物議をかもしだしそうである。


YMOでは無い

 YMOでは無い。米国がゴーグルを支給したのに対し、数が間に合わなかったのか、こちらはサングラスである。


キノコ雲

 爆発実験は成功。実験動物は今頃筆舌に尽くしがたい難苦の中にいることを忘れてはならない。


歓喜する人民

 原子雲を見て歓喜の叫びをあげる観衆。重ねて云う。実験動物の事を少しは思え!「兵器生活」では軍事を娯楽化するが、反戦主義である。


キノコ雲

 その後核実験成功を祝う市民の様子があるのだが、省略(笑)。空中からの核爆弾投下の映像も動いていないと面白く無いのでカットした。これは3年前まで北京軍事博物館の「東風1号」のバックに飾ってあった写真の元になった映像である。


キノコ雲と謎の砂塵

 記録映像は続く。キノコ雲の根本に謎の砂塵が上がっている。


爆心地へ爆走する戦車

 「謎の砂塵」の正体。爆心地へ爆走する戦車。車体後部にはお得意の歩兵!


騎兵突撃

 銃を撃ちながら突進する騎兵!馬用の放射能防護服と云うのを私は生まれて初めて見た…。もちろん核戦争下で騎兵を運用しようと云う軍隊も…。


騎兵の攻撃!

 サーベルを振り下ろす直前の騎兵。実写版「風の谷のナウシカ」では無い…。馬用防護服は、胴体と口を覆っているだけである。後で目が痛くなるんだろうなあ…。悪夢以外の何物でも無い。


突撃する指揮官

 騎兵に続いて爆心へ突入する指揮官?と通信兵。


投擲する歩兵

 走りながら手榴弾を投擲する歩兵。演習なので爆発はしないが、実戦で自分の投げた手榴弾の破片に当たったらエラいことになる。


AKを乱射する兵士

 突撃銃を乱射する兵士。普通ならこの映像にショックを受けるべきものなのだが、騎兵の抜刀突進を見てしまうと、これですらマトモに見えて仕方がない…。

 炎天下にこんな暑苦しいモノを着て走り回っていたら、十中八九熱射病でダウンである。真面目に核戦争下での地上戦を考えるには、兵員を戦場に安全に輸送する手段は絶対欠かせない。しかし実際の戦場で演習同様の活動が出来るものなのだろうか。私は人間がそこまで強くあってもらいたくは無い。


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