北京航空館の「草ヒロ」達
北京航空館に行った。航空博物館がメジャーとなりつつある昨今、兵器ファンにとっての価値は日本の国債並に下落している場所であるが、一度は見ておきたい場所なのである。
当日は、午前中に軍事博物館を襲撃したものの、目当ての兵器館の一部が立入禁止となったため、予定を変更したのである。
地下鉄「西直門」駅下車で、最寄りのバス停から<航天大学>停留所に止まるバスに乗ればよい。路線としては331、375、386、902がある。
有名な話であるが、この航空館は<昼休み>が存在する12時〜14時は入場出来ないので、来館の際はうまく時間調整をする必要がある。私は事前にその情報を掴んでいたのだが、到着したのは13時過ぎであった。大学の門周辺に食堂やショッピングセンターがあるので、不幸にして待ち時間が出来てしまったら、そう云うところで時間をつぶすしか無い。
館内は、中国航空産業の紹介と、地味な航空機模型、F8戦闘機のモックアップくらいしか無い。屋外展示場に色々とお宝がある事になっている。
「礼品部」と云うのは土産屋のことであるが、例によって人は居ない。プラモ等が販売されている。手前にいるのは支那猫。
ここの紹介をしようとすると、必ず「何故か」と書いてしまうようなのだが、「何故か」としか云えないハリアー。
見る人に感動を与えまいとするMig−19
A−5攻撃機。博物館の前にここを訪れていれば感動していた筈なのだが…。
Mig−9。他には15、21があるのだが、さらしモノにするのも忍びないので省略。
P−47。やはり地味だ。しかし元が銀色なのでかろうじて「侘び寂び」の境地に到達している。
「黒未亡人」ここの目玉の一つなのであるが、「黒野良猫」の風情である。
名称を控えるのを忘れてしまったので、何だか判らないが、これだって珍しいモノだと思う。「中国名機珍蔵」は博物館所蔵品の解説なので、この機体は掲載されていないのである。
ラグ11。貴重な品であることは云うまでも無いのだが、実機になじみが無いばかりに損をしている。なかなか格好良い戦闘機である。
Tu−2。これも好きな機体であるが、「侘び寂び」を少々逸脱している感がある。
このあたりまでは、「寂しい展示品」で済むのであるが、航天大学施設と云うことで、残骸としか云いようがない展示物も多い。
Yak−18である。戦後初期の練習機。飛行機を通り越して「オブジェ」と化す。主輪下にわざわざ支えを付けて、水平を保とうとする健気な努力が泣かせる。
IL−10も支え付き。機体構造の教材なのだろう。不思議な味があって面白い。模型にしたらウケそうだ。
IL−28の筈である。田舎の街道沿いの廃屋じゃああるまいし…
一式高等練習機と思われる「残骸」。しかし現在航空博物館にある九九式双軽も、同様の状態からレストアされたことを思うと、なんとか復元してもらいたいところである。でも日の丸は消されてしまうんだろうなあ…。
草野球の内野くらいのスペースしか無いところであるから、観覧にさほどの時間はかからない(個人差アリ。私は一時間少々で出た)。どこかとセットで行くところなのであろう。
大空を夢見る支那猫、ではなくて職員から飯を食わせてもらっている駄猫。ひじょうに人なつっこいヤツである。