ハーフトーン多用の原画を通常のコピー機で複写したものを取り込んだため、画像が不鮮明になっています。ご了承下さい。

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(239) AT−16型 競速機
      高仲 顕 案

 本機は近代飛行機製造技術の粋を集めて設計された競速機である。
 発動機の冷却空気取入口はスピナーキャップに口を開き整流板によって気筒面に導入される。
 胴体正面面積を最少ならしめるため操縦者は足を投げ出す如くし、座席覆も僅かに頭部と被覆し得る小型のものとした。視界むをよくする為には重量に左程影響せざる程度に透明硝子を利用してある。高翼面荷重のためフラップを装備するの外三車輪とし、離着陸滑走距離を短くした。

 型式   中翼単葉陸上競速機
 発動機  倒立空冷8気筒 250馬力
 全備重量− 700瓩  翼面積− 4.0平方米
 翼面荷重   175瓩/平方米

  「空」 昭和15年7月号

 
 石田一郎による批評( 「空」昭和15年8月号) 

 見るからに光彩陸離、旨いものである。軽小な競速機等の設計は夢学徒の当に垂涎ものであろう。使用発動機と(ママ)一定にし各会社が腕によりを掛けて試作し、競技を催す時代もやがて来る事てあろうと思う。
 翼を中高翼にした点に苦心の程が窺われるが矢張り視界が悪くなるのは遺憾である。航空機で最も重要なのは着陸に際する前下方の視界なのである。これではそれが完全に塞がれて居る事になろう。側方にガラスを多くして補ってはあるものの大して用はなさない。
 従って形は平凡になるが矢張り中低翼が無難であろう。そして三車輪の後ろ二つを光音式の引込装置にすればよい。

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