(252) 初雁−3

 (252) 初雁−3 長距離爆撃機
       初雁 生  案

 発動機  2300馬力 × 2
 全幅    33.20米
 全長    24.50米
 翼面積   135平方米
 全備    34800瓩
 自重    10500瓩
 揚坑比   17.5
 最速    480 (540) 粁/時
 巡航    460粁/時 (出力35%にて)
 降速    130 (90) 粁/時
 航続    1600粁  17200粁 (最大)
 武装    20粍機関砲 ×2  機関銃 ×2
        爆弾 1500瓩
 発動機   規定出力 2300馬力
        最大出力  2500馬力
       (括弧内は飛行終了時近くにて)

 発動機は図の如き特殊気筒配列の重油機関で一基にて二つのプロペラを駆動す。
 ファウラーの如き動きをなす特殊フラップを有す。燃料槽は機体中央上部にあり。

 「空」 昭和15年8月
 
総督註:図版が見づらいため、一部を補足する。
  右上にあるのが発動機概念図 「対向ピストン型気筒」 左右下端にあるのがプロペラ軸

  図を見る限りでは、3基の発動機を連結して1基とし、二つのプロペラを駆動させているようにも感じられる。とすればHe177以上の気違いエンジン (しかもディーゼル!)ということになる。それにしても爆弾搭載量が1.5トンって…。当時の日本人には2トン以上の爆弾搭載量を持つ爆撃機を発想することが出来なかったのだろうか?ドイツやイギリス等のスペックは公表されているのに…。
      

 石田 一郎による批評

 一見パットしない様だが、よく見れば却々の出来ばい。航空機には蘊蓄造詣の深い方と見える。発動機そのものの図示、そしてその翼内取付けの考案迄遺憾なく表して居る。
 扨て新考案の発動機は対向ピストン型を三ケ連動にしたものである。是は狭い翼桁内に取付の為だろうが、プロペラ軸を二ケにする必要は無いであろう。又点検や取り脱しの便から前桁の前方に装着する様にしては如何。
 尚本機のフラップは新式である。成る程翼面積を増大する事にはなるが、構造に難点ある割に効果は少ない。

 「空」 昭和15年9月

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