(255) AT式17型飛行艇
高仲 顕 案
○本機はAT式12型 (第六巻11号所載) の改良形偵察
飛行艇である。
○本型は12型より小型にしてカタパルトよりの射出可能にして
又水陸両用なる故航空母艦より発着し得る。
○敵迎撃機の攻撃に対し後方下方の死角なき様留意したり。
○発動機は直列空冷発動機を水平に装備し、そのカーリング
は中央翼の一部を構成し、極めて厚き中央翼は全揚力の
20%を負担する。
○側浮舟は中央翼内引込式とし、小型艇にも関わらず完全に
引込むを得たり。
○本機は中距離に活躍するものなり。
発動機 直列空冷6気筒250馬力 2基
全備重量 2800瓩
翼面積 23平方米
翼面荷重 120瓩/平方米
武装 機銃 4
乗員 3名
(空 S15.9)
石田 一朗の批評 (空 S15.10)
中央翼を厚い準翼部となし、水平型発動機の収容、補助フロートの引込みに当てた考えは頗る機宣に則して居ると云えよう。「夢」 本来の設計道を示すものとして推奨する。
前面部に操縦席と銃座を重ねた点は何となく厳めしくそして空気抵抗面を増す様な気がする。小艇は兎角波を被り勝ちなものなる故操縦席は成る可く高くしたい。
又両側のプロペラが在るとすれば銃塔の機能も減ぜられる。前後銃座の配置は新しいが障害があって良案とは云い難い。乃ち改案としてプロペラの背後に双尾胴を設ける様にすれば準翼部も生きて来るし、座席配置も楽になるであろう。