(259) K−500 複座戦闘爆撃機
ベータ星 案
本機はエンテを基礎として設計せるものなり。
大きな後退角を有する主翼と前面可動の先翼に依り極めて安定なり
X型発動機2基を装備
前方 20粍固定機関砲 2門
後方 20粍可動機関砲 1門。或いは13粍双連機関銃を有す。
「空」 S15.9
石田一郎による批評 (S15.10)
繊美な淡妙な味濃やかな絵、普通の神経の持ち主では迚も(総督註:とても)斯うは画けない。
普通機にあってはその重心を常に主翼の風圧中心線(前縁より翼弦三分の一)上に在る様に設計せねばならない。然るにエンテ型にあっては、前小翼も相当の揚力分担を為す故、その重心は聊か前方に移す様にせねばならないのである。前号(250)に対し重心と揚力中心とが一して居なかったと述懐して居るが、必ずしもそうではない。発動機は主翼上に在り座席が前方に出て居る故、総括してバランスが採れて居ると云える。
併し乍ら本機に於ては座席及び発動機全部が主翼の風圧中心より後方に在る、之では当然尻重となって安定は得られないのである。
総督コメント
まったく石田氏ときたら性悪である(笑)。
なんと云っても「ベータ星」と云うペンネームがふるっている。この飛行機までもベータ星から地球侵略にやって来たかのようである。確かに普通の神経の持ち主ではこう云う形は作れない。前翼が全面可動と云うのも凄い。やっぱり作者はベータ星から地球侵略にやって来た遊星飛行少年なのだろうか?