石田 一郎と云う人について


 理想論から云えば、「設計家の夢」 で取り上げている航空機について、私自身が色々とコメントするのが望ましい。が単なる兵器ファンである私がトンチンカンなコメントをして、都度 「公報」 でお詫びと訂正を繰り返し、世界に恥をばらまくというのも馬鹿な話しである。

 というわけで、「空」 誌に載っていた批評をそのまま引用するに至っている。

 タイトルには 「石田 一郎と云う人について」 とあるのだが、現時点では何も調べていないので、依然不明である。この時代は恐らく純粋な航空ジャーナリストと云う存在も無いであろうから、実際の航空機設計、製造に関わっている人物と思われる。

 何故、わざわざ一編を設けてしまったかと云うと、単に以下の彼の手になる文章を載せたかったからに他ならない(笑)。「空」 昭和15年9月の批評にあった余談部分である。


 (前略)一層の安全性に誇称せられて四発機が現れた。併乍ら大馬力の発動機が得られるならば四発より双発の方が如何に有利であるか知れたものではない。メテスコの ”ユニツイン ”は発動機二ケをクラッチで連動し単プロペラを駆動する新方式を採用した。若し旨く成功して大馬力のものにも及ぼし得るならば、之程の良案は無いと思う。


 「之程の良案」を採用して使い物にならなかった航空機を我々はいくつか上げることが出来る(笑)。


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