大陸ごとの家畜分布は図録0450で概観したので、ここでは、各国別の家畜分布を掲げよう。ニワトリなど鳥類やウサギ、ミツバチなど小動物、あるいはペットは除いている。なお、家畜の世界地図と対比をなす世界各国の主要作物の世界地図については図録0430参照。

 家畜分布として3つの世界地図を掲げた。第1に、頭数そのもの。ただし、牛換算(大家畜換算)の頭数で示した。第2に、人口当りの家畜頭数。人間の数と家畜の数とどちらが多いかが分かる。第3に、主要な家畜を最も多い種類で示した。牛換算(大家畜換算)であるとほとんどの国で「牛」が1位となるので、ここでは、換算しない頭数の最多で判別している。

 家畜頭数の世界分布では、ほとんどの国で多くの家畜が飼養されていることが理解できる。

 世界最多はインドの3億2,011万頭、2位は中国(本土)の2億8,487万頭、3位はブラジルの2億3,155万頭、4位は米国の1億1,318万頭、5位派パキスタンの9,037万頭である。

 人口1人当りの家畜頭数(牛換算)で2頭以上で目立っているのは、モンゴル、ウルグアイ、ニュージーランド、パラグアイである。それぞれの値は、3.9頭、3.8頭、3.0頭、2.3頭である。

 これらの国以外で、人口1人当りの家畜頭数が1頭以上、すなわち家畜の方が数が多い国は、オーストラリア、アイルランド、及び南米やアフリカの諸国となっている。

 ロシアや中東・北アフリカ、及び東南アジア島しょ部では、人口1人当り0.2頭未満と家畜の少ない国がまとまって分布している(黄色のゾーン)。

 人口1人当り頭数が0.05頭未満(人口20人に1頭未満)と家畜が非常に少ない国としては、日本、マレーシア、コンゴ民主共和国、リベリアなどが目立っている。この他、小国なので地図上は見えにくいが、レバノン、クウェート、バーレーン、ブルネイ、シンガポール、香港などもこのカテゴリーに属している。

 アフリカの中でも、スーダンなど周辺で多いのに対して、コンゴ民主共和国の家畜が極端に少ないのはツェツェバエによる家畜の被害が深刻な「ツェツェベルト地帯」と大きくダブっているからだと考えられる。

 最多家畜の分布を見ると、牛、豚、ヒツジ、ヤギのいずれかが最多となっており、水牛、馬、ロバ、ラクダなどが最も多い国はない。

 牛が最多なのは、アメリカ大陸のほとんどとサハラ以南アフリカ、及びインド、ヨーロッパの一部(アイルランド、フランス、スウェーデン、スイス、スロベニア、ラトビア、ベラルーシ)である。

 豚は、豚肉を使ったハム、ソーセージで有名なドイツをはじめヨーロッパの多くの国、および、中国、日本など東アジアから東南アジアにかけてで多く、どちらかというと限定的な分布である。

 イスラム圏では豚を食さないので家畜としても豚の飼養は少なくなっており、東南アジアでもイスラム国のインドネシアでは例外的にヤギが1位となっている。

 その他のロシア・中央アジアから中東・北アフリカ、及びオーストラリア、ニュージーランド、南米太平洋岸など、どちらかというと乾燥した地域では、牛や豚ではなく、ヒツジやヤギが多くなっている。

(2017年8月7日収録)


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