高齢者が一秒で何メートル歩いているかという歩行速度のデータの推移を掲げた。

 1997年から2006年の約10年間に、男女ともに各年齢層で1秒当たりの歩行距離が10数cm伸びており、高齢者の体力が全体的に向上していることがうかがわれる。

 男性では、75〜79歳は2006年に1.29m/秒であるが、約10年前の1997年には65〜69歳が同じ1.29m/秒だった。

 女性では、75〜79歳は2006年に1.22m/秒であるが、約10年前の1997年には65〜69歳がだいたい同等の1.24m/秒だった。

 すなわち、男女ともに10年で10歳、体力が向上したといえる。同じように、残っている歯の数からは、だいたい、10〜15年で10歳若返っている(図録2170参照)。

 調査は1997〜2006年とやや古いが、その後も、70歳以上で運動習慣をもつ者が増えているので(図録2244)、若返りがさらに進んでいる可能性がある。

 こうなると高齢者の定義を、統計上等で、65歳以上としてきたこれまでの慣行もやや揺らいでくる。生理的にはかつての65歳以上は75歳以上と同等になってきているからである。

 日本老年学会などが2013年からこれらの高齢者に関する調査を収集・分析したところ、「若返り現象」がみられたことから、同WGは65〜74歳を「准高齢者」、75歳以上を「高齢者」とする新たな定義を示した。

 こうした背景を踏まえ、また社会保障制度の改善や女性とともに高齢者の活躍による労働力不足解消を目指す政府も新しい枠組みを設定しようとしている。

「政府は16日午前の閣議で、高齢社会対策大綱を決定した。65歳以上を一律に高齢者とみなす考え方からの転換を打ち出し、65歳以降も働き続けられる環境を整えるとともに、年金の受取時期を70歳以降に遅らせることができる制度見直しの検討を盛り込んだ」(毎日新聞2018.2.17)。

 同大綱では、「高齢者の就労促進で労働力を補うため、60〜64歳の就業率について2016年の63.6%を20年に67.0%まで引き上げる目標を設定した」(東京新聞2018.2.17)。

 高齢者の労働力率(失業者を含めた就業率)の推移については図録1400参照。

(2018年3月2日収録)


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