中高校生・大学生のセックス(性交渉)経験率の推移については図録2460でふれたが、ここでは、18歳以上34歳までの未婚者を対象としたセックス経験率の推移をグラフにした。

 資料は国立社会保障・人口問題研究所の「結婚と出産に関する全国調査(独身者調査)」である(2015年調査対象11,442、回収票9,674、有効票8,754)。

 なお、100からセックス経験率を引いた値が、いわゆる童貞率、処女率に当たるが、回答には「不詳」があるため、厳密には一致しない。

 目立った特徴は3つである。

 第1に、未婚者の性体験比率の男女差が大きく縮まった。若い世代ほどこの傾向が著しくなっており、18〜19歳では男女のセックス経験率が2005年には逆転している(2015年には再逆転)。20〜24歳では2015年に逆転している。いわゆる草食系男子と肉食系女子といった対比が当てはまっている。この傾向はバブル経済期とされる1987年からバブル崩壊後10年以上を経た2002年頃までが顕著だった。バブル期を精神的な側面から定義するとするとこの頃までバブル期だったともいえる。

 第2に、若い世代や女性を中心に未婚者の性体験比率は2002年までは上昇傾向にあったが、2002年以降、男女、年齢を問わず低下傾向に転じている。未婚率の上昇(図録1540)と合わせて考えると、異性と性的に関わらずに暮らしていく者がかなり増えている。

 第3に、ただし、最近の性体験率の低下傾向は20代前半までが顕著であるのに対して、20代後半以上では、2005年と2010年の変動を除くと、ほぼ横ばいの傾向である。草食化しているのは20歳代前半までの傾向といえる。

 なお、2005年の体験率の減少は、その他の年の回答の選択肢が「はい」か「いいえ」と2択であるのが、2005年に限って、「過去1年以内にある」、「過去1年以内にはないが、以前にはある」、「ない」の3択だったので、昔の性体験の時期を忘れた者の無回答がやや増えた影響もあると考えられる。

 最後に10代のセックス体験率を米国と比較してみよう。下に米国政府による調査の結果との比較図を掲げた。

 対象が日本は18〜19歳の未婚者であるのに対して米国は15〜19歳の未婚者である。米国は値が相対的に低いと考えられる15〜17歳を含んでいるので日本と同じ18〜19歳に限ればさらに値は高いであろう。

 水準としては男女ともに米国の10代の方が4割を越えており、日本よりセックス経験率が高い。男女差が縮まったのは日米共通である。

 もっとも興味深いのは、日本も米国も、10代のセックス経験率が低下する傾向が見られる点である。この傾向は米国が先行しており、日本がまだバブル期で上昇していた1980年代後半からすでに下落しており、日本が2002年以降下落傾向に転じたのより早い。そして、日本はまだ下落しているが、米国は最近反転している。


(2009年4月6日収録、4月9日コメント追加、2011年11月26日更新、2012年9月11日日米比較掲載、2015年1月17日バブル期コメント拡充、2016年9月16日更新、日米10代比較更新)


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