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| 公務員数(役人の数)を国際比較したグラフをかかげた。公務員数(役人数)が多いか少ないかを人口千人当たりで比較したものである。「行政・国防;強制社会保障」分野の事業所に従事する者を公務員としている。「強制社会保障」は国連の国際標準産業分類(ISICver3.1)解説によれば「強制的な社会保障スキームの管理」である。国公立の学校・病院・福祉施設の従事者や交通、郵便、水道ほかの公的企業の就業者は、それぞれの分野にカウントされている。 日本は公務員の少ない国であり、欧米先進国中最少である。特に女性公務員の数はイスラム国を除く図中の途上国と比べても最も少ない。 グラフで一目瞭然な通り、世界各国の公務員数は国ごとにかなり異なっているが、男性公務員だけ取り出すとそれほどの違いがない。むしろ、女性公務員の数の違いで各国の差が生じていることが分かる。一般的な女性の社会進出度が影響している側面もあるが、むしろ、女性公務員が担うことが多い保健福祉など社会保障分野に公務員を投入している程度の差が大きく影響していると考えられる。 公務員数で特殊なのはバングラデシュとサウジアラビアである。バングラデシュでは人口千人当たり7.2人と極端に少なく、サウジアラビアでは56.2人と極端に多い。 サウジアラビアの公務員数の多さは産油国であることが影響していると考えられる。サウジアラビアでは行政(公務員)が国内の最大産業分野となっている。 他方、バングラデシュは行政機能の発達が非常に遅れているため、公務員数も少なくなっている(図録1050参照)。私はかつてバングラデシュで地域調査を行ったことがあるが、市町村長や警察官や学校の先生はいても、市町村役場にあたる行政組織がそもそも不在であり、産業、福祉、衛生などの行政課題についてのヒアリングをしようと思っても担当者がいないことに衝撃を受けたことを思い出す。 また、両国は公務員数では両極端となっているが、女性の公務員が非常に少ない点では共通している。イスラム国であることが影響していると考えられる(イスラム国という点で共通するエジプトも女性比率は小さいがそれでもある程度の比率には達しており、「近代化」の程度がしのばれる)。 下の図には、独立行政法人、公社・公団、政府系企業、公営企業の職員を含めて各種資料から同等の定義で各国の公務員を積み上げたデータを掲げた。定義上、上で見た純粋公務分野の公務員よりずっと多くなっている。 これで見ても日本の公務員数は少ない。人口千人当たり80人程度が普通であるのに日本はその半分しかいない。州政府の機能が大きいドイツ、米国では地方公務員の数が多い点が特に目立っている。日本はたとえ財政支出から見て「大きい政府」だとしても(実はそうではないが)、公務員数では確実に「小さな政府」であるといえよう。 「行政のムダ」がマスコミ等で大きく取り上げられ、行政改革が大きな課題となっているが、以上のようなデータからすると、「行政の不足」の面も同時に存在している可能性が高く、それ故の国民の不幸が生じている可能性も大きい。介護、プール管理、防衛装備品の調達、道路・建物・エレベーター管理など民間企業に業務の多くを任せていて、そうした企業に年齢を加えるのと平行して公務員が天下っていく方がよいのか、公務員がもっとそうした業務を自ら行った方がよいのか、合理的な検討が必要である。 なおOECDの Government at a Glance 2009 も同様の比較データを掲げているので参照されたい(2009.10.27)。 (2007年11月22日収録) |
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