日本は島国であるとともに、周辺海域の大きな海洋国家でもある。前者については、海岸線の長さを示した図録9400を参照のこと。ここでは後者についてふれる。

 周辺海域の大きさとしては、領海面積と言うより、排他的経済水域の面積を示すことが適切であろう。排他的経済水域とは、周辺海域であって、優先的に資源利用・開発を行うことの出来るかわりに資源の管理についても責任を持たねばならない国際的に認められた領域を指す(定義は下注を参照)。

 日本は人口規模では世界第10位であり、国土面積では、世界第61位である。(図録1167参照)。それでは支配権が及ぶ海洋面積では何位であるかを見たのが上図である。

 ここでは、領海を含めた排他的経済水域の面積を掲げているが、日本は、447万平方キロと国土面積38万平方キロの約12倍と大きく、世界第6位となっている。日本は海洋国家としては大国であることが理解される。

 しかも、漁場としては、北海周辺からアイスランド周辺にかけての水域、及びアメリカ大陸北西大西洋岸とともに世界3大漁場の1つともなっており、漁業国日本の基礎をなしている。同時に周辺漁場の漁業資源の保全にも管轄国として1義的な責任を有している。

 この他、海底資源の点でも、メタンハイドレードなど多くの可能性を秘めている。逆にこうした潜在的な可能性の開発に関して責任を持っており、自国の利益だけでなく、世界の資源問題の解決にも寄与することが求められている。

 東シナ海ガス田開発をめぐる日中の係争は、排他的経済水域の範囲をめぐって日本が日中の中間線を主張し、エネルギー資源確保に成長の制約を見ている中国が日本に寄った大陸棚の範囲を主張しているからであるが、双方の主張の正当性とともに、東アジアと世界の共同利益という点からの解決が望まれる。

(注)「排他的経済水域」とは、...
「領海(幅12カイリ)の外側にあって,沿岸国がその水域のすべての資源(生物,非生物を問わず)の探査,開発,保存,管理および同水域のその他の経済的活動について排他的な管轄権をもつ水域。国連海洋法条約(1982採択)上の正式名称は上記のとおりであるが,経済水域,EEZ とも略称される。領海と公海の中間に位置する第3の新しい水域である。すなわち,資源利用その他の経済活動の面では領海に同じく,航行,上空飛行その他の国際コミュニケーションの面では公海に同じという性格をもつ。排他的経済水域は,国連海洋法条約において領海が12カイリと狭く定められた代りに沿岸国に認められたものといえる。この水域は,領海の基線から測って200カイリを超えてはならない。」(平凡社世界大百科事典による)

(2006年5月29日収録)

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