no.16
茅葺体験 7/11
茅葺体験という名目でしたが、実際は茅を葺くための下地である垂木竹と屋中竹の結び方を体験しました。
{茅葺屋根の材料}
前にも書きましたが「茅」という名称の植物はなく、葦、荻、ススキ、稲藁、麦藁など、その土地で手に入る植物を使うそうです。
{屋根下地の作り方}
@「屋中竹」をつける。
 2寸(約6センチ)の太さの竹を地面を平行に叉首に縛り付けて固定。
 軒から順番に1.5〜2尺間隔で上に向かって取り付ける。

 このときに使うのは「はこ結び」

A「垂木竹」をつける。
 @の上に1.5寸(約4.5センチ)の竹を直角になるように
 渡し7〜8寸(約20〜25センチ)間隔で縛り付ける。
 (この時に使うのが「いぼ結び」でこれを体験)
 垂木竹5本に1本くらいの間隔で「力垂木」という2寸の丸太材を入れる。

B「茅負い」をつける。
 垂木竹の先端、軒のやや上辺りに垂木竹に直交するよう乗せてに渡す。
 
C「メンズ竹」をつける。
 茅負いのすぐ下に平行に渡す。
 「一重結びまたは二重結び」

D「ナワトリ竹」をつける。
 茅を押さえる「鉾竹」を縛るためのナワトリを垂木に直交するように渡す。 

E「エツリ竹」をつける。
 屋中竹と垂木竹で格子状に組まれた下地の上に渡す。
 細い竹や割り竹、藁を数本束ねたものを縛る時もある。
   
{茅葺き}
@下ごしらえ
 茅を均等に切りそろえ(前にも使った押し切りの大きなものを使う)20センチくらい
 の束に小分けし藁縄で縛る。

A軒付け
 軒先から葺きはじめる。松澤家の場合いは稲藁を使用。
 下地の上に稲藁の束を置いて竹に縛りつけ一列並べたらその上に2センチくらい
 の太さの「鉾竹」を渡してナワトリとはさむように結びつける。
 稲藁は5束重ねる。(約45cmの厚さ)
 
B隅葺き
 軒付けに続き棟の4隅を吹く。

C平葺き
 隅葺き後軒付けの上に茅を葺いて行く。
 短い茅とながい茅を交互に厚みが均等になるように調整して重ね、鉾竹と
 屋中竹では さみこむ様に縄でしめて固定する。


D棟仕舞い
 平葺き終了後、箱棟という小さな瓦葺きの屋根を付ける。

E刈り込み
 はさみで茅を切り込み形を整える。茅葺きとは逆に上から下へ刈り込みながら
 足場の丸太をはずしていく。
 
Fメンド
 屋根の裏の桁と屋根の隙間を埋める。
 
{茅葺きの工具}
穴に差し込んであるだけの叉首構造
雁木(がぎ、がんぎ左)とつち(右)
叩き板
鋏(カーブしている)
主屋に4200束 倉屋に800束
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