Itogawa 980204
シミュレーションによる集団の継承・維持の要因の探求
主題
個体の経験は蓄積されていくが、個体はやがて死ぬ運命にある。
→ 個体の経験はどのように集団を通じて維持されてゆく(或いは失敗する)のか?
仮説
- 集団が共有する二種類の資源
- 「技術」 - 集団の生存に緊密に関係している要素、変わり易い
- 「文化」 - 集団の生存に直接は関係しない要素、変わりづらい
- 両要素の線引きは、環境によって変わり得ると考える
- 集団の維持に必要なコミュニケーションの質と量
- 先達から後進への経験の伝達を通じて 集団は維持される
- 集団は無理にでもコミュニケーションの量を
保とうとはしないだろうか?
- 環境が要求する技術水準と文化との関係性
- 生活し易い環境とそうではない環境
方法論
集団の技術及び文化の継承などの過程を、
シミュレーションによって経時的に追っていく
モデル(案)
- 集団のメンバーは時間経過に伴って入れ替わる
- 各個人は、各々の能力を用いて
環境から与えられる様々な種類の仕事をこなし、
集団を通して経験などの報酬を得る
- 集団の能力と影響力との関連づけ
- etc.
実験(案)
- 環境が大幅に変化して 今まで獲得した能力が不用と化したときの、
元の(今や役に立たない)技能の伝わり方
- コミュニケーションに障害が生じた場合の集団の振る舞い
- などなど
itogawa6@dolphin.c.u-tokyo.ac.jp