卒研IIレジュメ

1997年12月22日 伊戸川 暁


「社会集団の分類」

『集団社会学への誘い』 第II部第2章第1節(pp.93-137)より

集団の分類法

  • 一元的分類
    社会集団を幾つか(大抵は2つ)の類型に分類
    社会集団の1つの側面をしか論ずることができない
  • 多元的分類
    幾つかのパラメーターで社会集団をマッピング
    総合的だがまとまりを欠き、また、各パラメーターが恣意的になりがち
  • 一元的分類

    ゲマインシャフト/ゲゼルシャフト(F. Toennies, 1887)

    ゲマインシャフト(Gemeinschaft, 共同社会)
    自然的・感情的・有機的
    本質意志(感情的な判断)
    ゲゼルシャフト(Gesellschaft, 利益社会)
    人工的・合理的・機械的
    選択意志(合理的な判断)

    Vielkandt(1923)による補足

    内集団/外集団(W. G. Sumner, 1907)

    内集団
    「われわれ集団(we-group)」、愛着や忠誠
    外集団
    「彼ら集団(they-group)」、敵意や侮蔑

    準拠集団

  • 上は未開社会を基に考察した結果であり、 文明社会では内集団と外集団の境界は錯綜している
  • 規範的-/比較的-(Kelley)
  • 積極的-/消極的-(Newcomb)

    第一次集団/第二次集団(C. H. Cooley, 1909)

    第一次集団
    特徴:
    • 成員間のface-to-faceの接触
    • 成員の親密な結合及び共同
    • 成員の社会性と理想を形成する
    第二次集団、或いは派生集団
    Cooley自身ではなく、後の学者が言い出したもの
    間接接触的・目的指向的・理想形成について派生的
    第一次集団と第二次集団を連続的と見るか対立的と見るか?

    コミュニティ/アソシエーション(MacIver, Cole, Ginsbergなど)

    多元的分類

  • G.Gurvitchの15の基準
  • R.K.Mertonの26の基準
    (いずれも詳細は省略させて頂きます :) )

  • 「自己変形ゲーム、ノミック」

    『メタマジック・ゲーム』 第11章(pp.82-97)より

    「集団」とは少し違うが、 集団の「アイデンティティ」というものを考える上では少し関係ありそう。
    itogawa6@dolphin.c.u-tokyo.ac.jp