山行報告
1実施日(期間) 2005年4月23日
2山域 奥多摩
3コース 奥多摩湖〜倉戸山(往復)
4山行形態 ハイキング
5参加者 井芹、伊藤、黒澤、藤原
6概要
4月23日
 午前7時、自宅前まで来てくれた井芹さんの車に乗せてもらって出発。黒澤さんも既に乗っていた。途中、Y駅で藤原さんも同乗して、今日のメンバー4人が揃った。
 車は、所沢から奥多摩方面へ進む。所沢を過ぎる頃から燃えるような新緑の森が多くなる。一口に新緑といっても、白っぽい薄緑、萌黄色、濃い緑と色とりどりだ。秋の紅葉もいいが、新緑の森もすばらしい。青梅を過ぎると、窓の外は色とりどりの緑で埋め尽くされていた。家も人もこの緑に染まってしまいそうだ。家にいては、こんな緑を見ることはできない。
 だんだん山が迫ってきて小河内ダムが見えた。9時50分、ダムの側の駐車場につく。すぐ側の山の斜面一面に山桜が咲いていた。10時、駐車場を出発し、暫く車道を歩く。車道のがけ下にも倉戸山手前の尾根で一休み山桜が咲いていて、丁度目の前に花が見える。
 10分くらい湖面に沿った車道を歩き、登山道に入る。二、三軒の民家の庭先を通る。道のそばにユキノシタが生えていた。これもてんぷらにすれば旨いとの誰かの声に2、3人の手が伸びる。私も3、4枚摘んだ気がする。民家と離れるとやや急な坂になった。その道端でやっと頭を地表に出した竹の子を掘っている人がいた。その人は、井芹さんの知人で、日本でも有数のクライマーの山野井さんだった。ここの麓に住んでいるとのことで、短い会話を交わして別れた。
 時々振り返ると、木の枝越しに湖面を囲む山々に、萌黄色の新緑に混じって山桜の薄いピンクの花が見える。さらに進むと疎林の中にミツバツツジが咲いていた。中腹を過ぎると、山にはまだ春が来ていなかった。
 木々にも地表にもまだ新しい芽吹きは見られず、地表には草一本も生えていないのだ。ただ、一種類、サトイモ科の何とかが枯葉を突き破り、すくと立っているだけで、山菜のてんぷらを楽しむという今日の予定が狂ってしまった。植物に詳しい黒澤さんも手の出しようがなかった。でも、倉戸山山頂でてんぷらの準備中さすが、この乏しい植生の中で、アケビの新芽を見つけ摘んでいた。
 12時、山頂に着いた。広い山頂で、何百人もの登山者でも受け入れることができるが、この日は、我々を入れて3パーティ、12、3人いたであろうか。早速てんぷらの用意がされる。現地調達の食材は、アケビの新芽とユキノシタと2,3本の蕨であった。私は、ユキノシタをいただいたが、これはくせがなく旨かった。てんぷらの種はこれだけではなく、井芹さんが持ってきたにんじん、たまねぎ、サツマイモ、ごぼうと豊富にあって、芋てんやかき揚げにして堪能したのであった。山でのてんぷらもいいものだと思う。調理時間が短くてすみ、味付けも必要ない。わが家では、定番料理のひとつだ。
 1時20分、帰途につく。下り道では、わざわざ振り返らなくてもダム湖の対岸に咲く山桜が見えるのはうれしい。3時、駐車場に戻った。朝は気がつかなかったが、駐車場周辺の林の中には、黄色の山吹が満開であった。
 自宅まで送ってもらい、山行は終わった。新緑と山桜を堪能した一日であった。